鼻の毛穴が気になって、白いニョロニョロ(角栓)を出してしまった……。そんな時、どのようにケアするのがいいのか? 美容皮膚科「ジュンクリニック横浜」副院長の長谷川 佳子先生に聞きました。
「鼻の角栓を押し出した跡」は元に戻るのか
長谷川先生:角栓を押し出してから時間が経っておらず、跡が小さい場合は、丁寧なスキンケアを行うことで、徐々に目立たなくなる可能性があります。
ただし、以下のような状態の場合は、セルフケアで完全に治すことは難しいです。皮膚科での治療をおすすめします。
●跡が大きく残っている
●角栓を押し出した時、皮膚がえぐれて出血した
●角栓を押し出した部分が傷になってしまった
毛穴が開いたままの場合、どうすればいい?
洗顔+毛穴ケア成分配合の基礎化粧品を使う
長谷川先生:角栓を押し出した直後に毛穴が開いている状態であれば、まずは洗顔・保湿など基本的なスキンケアを、丁寧に行うようにしましょう。
その際、化粧水や美容液は、炎症を抑える成分や美白ケア成分が配合されたものを選ぶと、跡に残りにくいと考えられます。
赤みのあるニキビ跡 ・グリチルリチン酸ジカリウム(肌荒れ予防、抗炎症作用)
・ アラントイン(傷の修復、抗炎症作用) 茶色いニキビ跡
毛穴の色素沈着
・ビタミンC誘導体(肌の引き締め作用、メラニンの生成を抑制)
・プラセンタ(抗酸化作用、くすみ肌改善) 開いている毛穴 ・レチノール(ターンオーバーの活性化による肌の引き締め)
・ヒアルロン酸(肌を保湿してふっくらさせる)
角栓を押し出したあとは「クレンジング」をいつもより頑張ろう
長谷川先生:クレンジングの基本は、メイクをしっかり浮き上がらせることです。長すぎず短すぎない約1分間を目安に、肌の表面をくるくると撫でるように洗いましょう。
クレンジングの前にホットタオルで肌を蒸すと、一次的に毛穴が開いて、しっかり汚れを落とすことができます。
また、肌を温めることで血行が促進されて、その後の化粧水やクリームの浸透力が高まります。
ホットタオルの作り方・やり方
50度前後のお湯で濡らして固めに絞ったタオルを、毛穴や角栓が気になる部分にあてます。2~3分で毛穴は開きます。
このとき、タオルの温度に注意。暖かくて、気持ち良いと感じる程度の温度にしてください。ぬるすぎても効果はなく、熱すぎると火傷します。
スチーマーでも大丈夫です。ホットタオルと同様の働きが期待できます。
毎日の洗顔は「泡立てて」「鼻やTゾーンから」「ぬるま湯」で
長谷川先生:まずは洗顔料をしっかり泡立てましょう。鼻やTゾーンなど、皮脂分泌の多いところから洗顔料を乗せ、指を滑らせるようにして洗います。
その後、フェイスライン→頬→目元というように、乾燥しやすい部分を最後に洗うようにしましょう。
洗顔の際はぬるま湯を使用し、ゴシゴシこすらずに、泡で押すようにして洗います。熱いお湯で洗顔すると、皮膚に必要な成分まで洗い流して乾燥肌に繋がります。
毎日の保湿は「洗顔後すぐ」「保湿成分やビタミンC入り」を使う
長谷川先生:洗顔が終わったら、化粧水と乳液で、しっかりと保湿をしましょう。肌が乾燥をしないように、洗顔後は早めのケアを心がけてください。
保湿ケアには、コラーゲンやセラミドなどの保湿成分が配合されているものを選ぶといいでしょう。
ビタミンC誘導体も一緒に配合されているものを選べば、コラーゲンの生成をサポートし、角栓の跡が色素沈着してしまうのを防ぐ働きが期待できます。
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毛穴を柔らかくすっきりさせる週1スペシャルケア
長谷川先生:毛穴の跡が気になる場合は、週1~2回のスペシャルケアも取り入れてみてください。
スペシャルケア1 シートマスク・パック
長谷川先生:美容成分を含んだシートマスクやパックを使うことで、肌に残ったダメージの跡に働きかけ、肌の状態を整えます。乾燥肌の人や毛穴が開いてたるんでいる人におすすめのケアです。
シートマスクとパックは、基本的には化粧水の後に使います。入浴後に使用すると、より肌が柔らかい状態になり、角栓ケアにアプローチしやすくなります。
まずは、週に2~3回使用するといいでしょう。
保湿力が高い成分でケアするため、皮脂分泌が過剰な部分はベタつくことがあります。肌質によっては、部分的に使用しましょう。
スペシャルケア2 酵素洗顔
長谷川先生:酵素洗顔を行うことで、古い角質や毛穴に残った皮脂汚れをしっかり取り除けます。黒ずみ毛穴や詰まり毛穴が気になる人におすすめです。
酵素洗顔も、通常の洗顔料と同様、手の上や泡だてネットでよく泡立ててから使用しましょう。まずは、週に1〜2回程度から行うようにして、ごわつきが気になる人は、頻度を増やしてください。
頻度が多いと肌が乾燥してしまうことがあるので、洗顔後のツッパリ感が気になる場合は、回数を減らしましょう。
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さらに美肌を目指すなら「生活習慣の見直し」も大切!
アドバイス1 栄養バランスのいい食事
長谷川先生:ビタミン不足で油っぽい食事が多い人は、角栓や毛穴が目立つようになります。
バランスのよい食事を摂るようにすると、肌の乾燥を防ぎ、ターンオーバーのサイクルが整うので、角栓ができにくくなります。ビタミンの多い緑黄色野菜や果物を積極的に摂りましょう。
また、肉や魚からタンパク質を摂取してください。ビタミンやたんぱく質は肌を構成している成分なので、しっかり食事から摂ることで、より健康的な肌に導いてくれます。
反対に、揚げ物やファストフード、スナック菓子、甘いものは、皮脂な過剰分泌につながるので、控えるようにしましょう。
アドバイス2 質のいい睡眠
長谷川先生:質のいい睡眠は、ターンオーバーを整えて細胞の生まれ変わりを促進し、角栓の除去に役立ちます。
睡眠の質を上げるためには、眠る2〜3時間前には食事を終わらせて、入浴を済ませておきましょう。スマートフォンやパソコンは、ブルーライトの効果で目が覚めてしまうので、寝る前の使用は控えましょう。
監修・執筆者プロフィール
JUN CLINIC横浜 長谷川 佳子
北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長
を経て2024年JUN CLINIC横浜 就任
<Edit:編集部>
※本記事は、mocobe(モコビ)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。