●乾杯のとき、グラスを“カチン”はNGです!
披露宴に限らず、会合や食事会につきものの「乾杯」。「乾杯」のフォーマルなルールをご存じでしょうか?
一般に「乾杯」は立ってするものですが、少人数の会食の時などは座ったままでも良いでしょう。周囲の人とグラス同士をカチンと当てるのが良いと思っている方が多いようですが、実はNG。グラスは目の高さに上げ、周囲の人とは笑顔でアイコンタクトを交わすだけにします。その理由はなぜでしょう?
高価なグラスは非常に薄く、少しの刺激でヒビが入ったり、割れてしまったりする可能性があるからです。そんなことになっては、その場の雰囲気が台無しです。そのためにグラスは合わせないのがマナーなのです。しかしマナーの基本は「TPO(Time、Place、Occasion)」で、相手や状況によって対応することも必要です。相手がグラスを合わせてこようとしたら、強くぶつからないように気をつけて、優しく合わせましょう。また居酒屋などの厚くて丈夫なグラスやジョッキの場合は、グラス同士を当てて盛り上がるのも良いでしょう。これもまたTPOです。
文=明石伸子
明石伸子(あかしのぶこ)
NPO法人日本マナー・プロトコール協会 理事長
青山学院大学卒業後、日本航空室乗務員、会社役員秘書などを経て独立。2003年NPO法人日本マナー・プロトコール協会を設立し、文部科学省後援「マナー・プロトコール検定」や「コミュニケーションマナー検定」の開発、運営を実施。講演や研修などを通じて、それらの啓発・普及に力を注いでいる。
その他の役職:NHK経営委員、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会理事。学習院女子大学非常勤講師など(2025年1月現在)。
主な著書、監修:「間違いやすい順 社会人のマナー大全」(宝島社)、「この1冊でOK!一生使えるマナーと作法」(ナツメ社)、その他、連載多数。
■日本マナー・プロトコール協会
https://www.e-manner.info
■コミュニケーションマナー検定
https://e-manner.net/
■マナー・プロトコール検定
https://mp-kentei.info/
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