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【管理栄養士監修】たけのこの栄養と健康効果とは?注意点やアク抜き方法、おすすめレシピも紹介!

  • 2025.3.17
Saji+(さじたす)

春の味覚の代表格といえば、独特の食感と風味が魅力的なたけのこ。たけのこは低カロリーながら健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれていて、ダイエット中の人にもおすすめの食材です。 この記事では、たいや内科クリニックの管理栄養士、林安津美さん監修のもと、たけのこに含まれる成分と期待できる健康効果を解説。正しいアク抜きの方法やおすすめレシピなど、たけのこをおいしく食べる方法も紹介します。ぜひ日々の食卓にたけのこを取り入れて、おいしく健康を維持しましょう。

たけのこの主な栄養素と期待できる効果

淡泊な味わいで「栄養が少ない」と思われがちなたけのこですが、実は食物繊維やミネラルなど、さまざまな栄養素を豊富に含んでいます。まずは、たけのこに含まれる主な栄養素とその働きについて見ていきましょう。

腸内環境を整える「食物繊維」

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たけのこには、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便のカサを増やして腸の蠕動運動を活発にするため、便秘の予防に役立ちます。

 

また、有害物質を吸着して体外に排出する働きもあり、大腸がんのリスクを下げる可能性があるといわれています。さらに、よく噛んで食べることで満腹感を得やすくなるため、ダイエット中の食事にも適しています。ただし、食物繊維は水溶性・不溶性のバランスを意識しながら摂取することが大切です。

身体の水分バランスを調整する「カリウム」

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カリウムには身体の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防効果が期待できます。また、体内の水分バランスを調整する働きもあるため、寝起きの顔や身体のむくみ、夕方の脚のだるさが気になる人は、意識して摂取するとよいでしょう。特に、普段から塩分が多い食事を摂りがちな人は、たけのこのようにカリウムを多く含む食材を意識して食べるのがおすすめです。

やる気や集中力アップに役立つ「チロシン」

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チロシンとは、やる気や集中力を維持するために関与する神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリンなど)の材料となるアミノ酸です。たけのこを切ったときに見られる白い粉は、このチロシンが結晶化したもので、加熱すると水に溶けます。

 

また、チロシンは甲状腺ホルモンの前駆体であり、ホルモンの分泌を正常に保つ働きがあります。さらに、メラニンの材料にもなるため、肌や髪の健康維持にも関与するといわれています。ビタミンB6がアミノ酸の代謝を助け、体内での利用がスムーズになる可能性があるため、バナナや赤身魚などと一緒に摂るのもおすすめです。

身体の組織を作る「たんぱく質」

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たんぱく質は筋肉や皮膚、髪など、身体のあらゆる組織の材料となる重要な栄養素です。特に若年層やダイエット中の女性は不足しがちといわれています。健康的な体づくりや代謝を維持するためにも、適量のたんぱく質を意識して摂ることが大切ですよ。たんぱく質は脂肪や糖のように長期間蓄積できないため、毎日バランスよく摂取しましょう。また、他の主要なたんぱく質源である豆類や肉、魚、卵などと組み合わせて摂取するのが理想的です。

味覚を正常に保ち、免疫力をキープする「亜鉛」

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亜鉛は、細胞の成長やたんぱく質の合成、免疫力維持に必要なミネラルのひとつです。主に肉や牡蠣、ナッツ類に多く含まれる栄養素ですが、たけのこも野菜の中では比較的亜鉛を含む食品です。
亜鉛は味覚を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあり、不足すると味覚障害や皮膚炎のリスクが高まる可能性があります。

 

特に、おにぎりやパンなど炭水化物中心の食生活をしている人や、ダイエットで食事制限をしている人は亜鉛が不足しやすいため、肉・魚・ナッツ類などと組み合わせて意識的に摂取することが大切です。

美容と健康をサポートする「ポリフェノール」

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たけのこには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やタンニンが含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、活性酸素を抑えることで肌の健康維持に役立つと考えられています。また、一部のポリフェノールには脳機能をサポートしたり、ストレスを和らげる作用が示唆されています。たけのこが含むポリフェノールを適度に摂取することで、美容と健康維持の一助となるでしょう。

食べすぎ注意!たけのこを食べすぎたときのリスクって?

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たけのこを食べすぎると、不溶性食物繊維の影響で腸内環境や体質によっては、腹痛・下痢・便秘・消化不良を引き起こすことがあります。食物繊維には腸内環境を整え便通をよくする働きがありますが、過剰摂取すると胃腸に負担をかける可能性があるため、適量を心がけましょう。

 

また、たけのこにはシュウ酸が含まれており、過剰に摂取すると体質や生活習慣によっては、尿中や腎臓内にシュウ酸カルシウム結石ができやすくなり、結石症のリスクが高まる可能性があります。結石症になると、背中や脇腹、下腹部の強い痛みや吐き気、血尿などの症状が現れ、場合によっては入院が必要になることもあります。特に、過去に結石症になったことがある人や、運動不足・肥満傾向のある人は食べすぎに注意しましょう。

 

シュウ酸はカルシウムと結びつくことで体内への吸収が抑えられるため、たけのこを食べる際は乳製品や大豆製品、小魚などカルシウムを多く含む食材と組み合わせるのがおすすめです。また、水分不足も結石症の要因の一つなので、十分な水分を摂取することも予防につながりますよ。

たけのこはアク抜きをしてから食べよう

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えぐみ成分のひとつであるシュウ酸は水に溶けるため、アク抜きをすることで摂取量を減らすことができます。また、たけのこに含まれるチロシンが酸化すると苦味や渋みが増すため、時間が経つほどアクが強くなる傾向があります。そのため、購入後はできるだけ早く下ごしらえをするのがおすすめです。

 

たけのこのアク抜きには、米ぬかや唐辛子を加えて茹でこぼす方法が一般的で、えぐみを和らげるのに効果的です。たけのこをおいしく食べるためにも手早く正しい方法で処理し、鮮度の良いうちに調理しましょう。

 

<必要なもの>
・たけのこ…必要量
・重曹…たけのこが被るくらいの水に対して大さじ1~2
・生米…たけのこが被るくらいの水に対して大さじ1~2
・赤唐辛子…1~2本(辛味が苦手なら無しでもOK)
・水…たけのこが完全に浸るくらいの量
・大きめの鍋…たけのこが丸ごと入るサイズ

 

<アク抜きの手順>
1.たけのこの根元の硬い部分を切り落とす
2.縦に1本深く切り込みを入れて、穂先の硬い部分を斜めに切り落とす
3.内側の皮は残して、周りの硬い皮だけを剥く
4.たけのこが被るくらいの水を鍋に入れ、米・重曹・たけのこ・赤唐辛子を加える
5.強火でゆでて沸騰したら弱火にし、30分~1時間程度ゆでる
※たけのこの大きさによってゆで時間は調整する
6.竹串を刺して中心まで柔らかくなっていたら火を止める
7.ゆで汁につけたまま数時間~半日放置して冷まして、水で洗う
8.縦に入れた切れ目に指を入れて、皮を剥く

たけのこを使ったおすすめレシピ2選

春の味覚を代表するタケノコは、さまざまな料理で楽しめます。ここでは、たけのこの栄養をたっぷり取れるおすすめのレシピを2つ紹介します。

土佐煮

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シンプルながら奥深い味わいの土佐煮は、昔懐かしい日本の味。たけのこを醤油と砂糖、みりんなどで煮込み、仕上げにかつお節を加えるだけでできる、栄養たっぷりのメニューです。たけのこの風味とかつお節の旨みが絶妙にマッチして、ご飯との相性もばっちりです。しらすやひじき、高野豆腐などを加えれば、カルシウムも手軽にプラスできますよ。

 

<材料>
・たけのこ(水煮)…250グラム
・かつお節…10~15グラム
・水…300cc
・砂糖…大さじ2
・醤油…大さじ2と3分の2
・みりん…大さじ2

 

<手順>
1.たけのこ(水煮)を穂先と根元に切り分ける
2.根元は食べやすい厚みの半月切りに、穂先はくし切りにする
3.水と砂糖、醤油、みりんを鍋に入れ、箸でかき混ぜてから中火にかける
4.ひと煮立ちしたらたけのこを入れ、沸騰したら少し火を弱めて5分煮る
5.かつお節を加えて5分煮て、煮汁が軽く煮詰まったら完成

たけのこご飯

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ほっこり優しい味わいのたけのこご飯は、春の訪れを感じさせてくれる一品。たけのこの優しい香りと食感がご飯に移って、おかずなしでもパクパク食べられます。ちりめんじゃこや桜エビを加えればカルシウムも補給でき、風味や彩りもアップ。お好みで油揚げや鶏肉などを加えてもおいしく仕上がりますよ。

 

<材料>
・たけのこ…200グラム
・油揚げ…2枚
・米…2合
・ごま油…大さじ1
・醤油…小さじ2
・みりん…大さじ1と2分の1
・塩…小さじ1
・味の素…8振り
・鰹粉(かつお節)…5グラム

 

<手順>
1. 油揚げを細切りにする
2.たけのこを穂先と根元に切り分けて、それぞれ食べやすい大きさに切る
3.鰹粉(かつお節)を電子レンジで50秒温めて、手でほぐして粉状にする
4.フライパンにごま油を入れ、1と2(たけのこと油揚げ)を軽く炒める
5.洗った米に醤油、みりん、塩、味の素を入れ、水を線まで入れる
6.4(炒めたたけのこと油揚げ)と3(粉状にしたかつお節)を入れる
7.かき混ぜずに炊飯。炊けたら具が混ざるようにほぐして完成

旬の味覚で身体の内側からキレイになろう

Saji+(さじたす)

 

春の食卓を彩るたけのこは、栄養たっぷりでヘルシーな食材。食物繊維やカリウム、たんぱく質、ポリフェノールなど、健康や美容に嬉しい成分がぎゅっと詰まっていて、料理に加えるだけで手軽に栄養を摂ることができます。

 

ただし、おいしいからといって食べすぎてしまうのはNG!胃腸への負担を避けるためにも、適量を意識して楽しむことが大切です。春の味覚を楽しみながらたけのこの栄養をたっぷり取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう。

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