【写真】MRI映像がフェイクだったと見抜く薪(板垣李光人)や青木(中島裕翔)ら
板垣李光人とHey! Say! JUMP・中島裕翔がW主演を務めるドラマ「秘密~THE TOP SECRET~」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第7話が3月10日に放送された。薪(板垣)が千堂大臣(生瀬勝久)に嫌味を言ってやりこめる様子に、痛快な気分になった。(以下、作品のネタバレを含みます)
記憶を映像化する「MRI捜査」を行う物語
清水玲子の同名漫画が原作の同ドラマは、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”を舞台に、死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛(まきつよし)と、新米捜査員の青木一行(あおきいっこう)のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていくヒューマンサスペンス。
板垣が薪剛を、中島が青木一行と、かつての第九メンバーで薪の親友以上の存在だった鈴木克洋の一人二役を演じる。そして、二人の大学時代からの友人で、亡くなった鈴木の婚約者でもある解剖医・三好雪子(みよしゆきこ)を門脇麦が演じる。
死者の脳の「MRI捜査」を行う“第九”に所属する薪と鈴木が捜査
驚異的な記憶力と鋭い洞察力を持つ薪剛は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”の室長に任命され、大学時代からの親友で副室長の鈴木克洋と共に新たな任務に就くことになる。
第九では、凶悪・重大犯罪において被害者および犯人が死亡した際、その脳を特殊なMRIスキャナーにかけ、生前の記憶を映像化する「MRI捜査」を行う。脳科学者の貝沼清孝(國村隼)が開発したこの技術により、真相を明らかにできる可能性は高まったが、一方で倫理的な問題もあるため、第九は機密組織とされている。
貝沼が自ら命を絶ち、病気を苦にしての自殺とされ、貝沼の異変に気付けなかったことを薪は悔やむ。「脳を『第九』のために役立ててほしい」という遺言の通り、鈴木が貝沼の脳をMRIでみることを約束する。
ところが数日後、MRI捜査室へ向かった薪の耳に、突然発砲音が響きわたる。薪が駆けつけると、そこには鈴木ら捜査員たちが倒れ、モニターには貝沼の恐ろしい秘密が映し出されていた。貝沼のMRI映像を見た鈴木は薪に銃を向け、薪は正当防衛で鈴木を死なせてしまう。
鈴木が亡くなってから3年後。薪に憧れてやってきたという、死んだ鈴木にそっくりの新人・青木一行(中島)が第9に配属される。
千堂外務大臣の一人娘が誘拐された。警察は被疑者と思われる吉田さなえ(千葉雅子)の自宅に踏み込むが、さなえはその場で死亡。“第九”がさなえの脳をスキャンして千堂の娘の居場所特定を試みることになる。MRI映像には、さなえが、港のコンテナの中で横たわる咲とみられる女子高校生に、わずかばかりの水と食料を与える様子が映っていた。しかし、コンテナはすでに日本と国交のない中東の国の貨物船に載せられて出港していた。救出のチャンスは船が日本の領海内にいる間だけとあって、薪や青木の顔には焦りの表情が浮かぶ。
千堂「もし娘が生きて帰らなかったらお前らの怠慢として責任追及するからな!」
そんな中、さなえと千堂の接点も明らかに。20年前、国際医療支援のスタッフだったさなえの娘は、集団拉致事件に巻き込まれ、遺体が見つからないまま死亡と断定されていた。その際、中東アフリカ局長として当該国との交渉にあたったのが、千堂だった。20年前の復讐だと知った千堂は逆恨みだと激怒。“第九”の捜査にも業を煮やし、自らの立場を利用して国の機関を動かそうとする。一方、MRI映像に拉致の瞬間が映っていなかったことから、薪は共犯者の存在を確信し、その矢先、さなえの元夫・淡路真人が消息不明だと分かる。
千堂は第9で該当のMRI映像を見て「こんな画で何が分かるんだ! どういうことだ? 拉致されたときのがあるだろう!」と声を荒げる。さなえは拉致に関わっておらず、共犯者がいると予想されることを岡部が告げると、「まだ誰かも分からないのか。何もたもたしている! もし娘が生きて帰らなかったらお前らの怠慢として責任追及するからな!」と憤る。
そこへ薪がやってきて、千堂を手で制しながら「申し訳ありません。うちの岡部が何か失礼を?」と冷静に告げると、千堂は薪を足先から頭までジロジロと見る。「ご不明な点があれば責任者である私が説明いたします、千堂大臣」と薪が言うと、「責任者?…君が薪警視正か、話には聞いてる」と千堂。
薪が「私どもも千堂大臣が有言実行、大変行動的な方だと存じ上げておりましたが、まさかアポイントも取らず、警備の静止を振り切って侵入する暴挙にまで出られるとは、予想外でした」と淡々とした口調で非難すると、「お前、誰に向かってそんな口利いてるんだ?」と千堂は怒りをあらわにする。薪は食い気味に「感謝、申し上げているんです。本来であれば早急にこちらから事情聴取にお伺いすべきところ、大臣御自らご足労いただき、時間と手間を大幅に省いてくださり、大変助かりました」と嫌味を言ってのけ、千堂は顔をピクピクと引きつらせるのだった。
いかにも老獪な千堂を、小柄できゃしゃな薪がひるまずにやりこめていて痛快な気分になった。
◆構成・文=牧島史佳