Text by 井上大輔(編集部)
2025年になってから初となる戦いを控える日本代表。13日にW杯予選2試合に向けた招集メンバーを発表した。
ここでは今回呼ばれなかった主な海外組をピックアップしてみる。
GK:小久保 玲央 ブライアン
シント=トロイデン所属、24歳
昨夏のパリ五輪では「国防ブライアン」との異名も話題になった有望キーパー。もともと若くしてベンフィカに引き抜かれ、将来を嘱望されていた。
昨夏パルマに引き抜かれた鈴木彩艶の後釜として、ベルギーの地でプロキャリアを本格的にスタートさせた。
今季不調のシント=トロイデン同様に苦しんできたが、チームを救う好セーブを見せているのも確か。
今回選ばれたGKは彩艶、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、谷晃生(FC町田ゼルビア)の3人。小久保もいつ呼ばれてもおかしくないはずだが…。
DF:渡辺剛
ヘント所属、28歳
2019年に日本代表デビューを果たしたセンターバック。日本人が多くプレーするベルギーにおいて、評価を確立しているひとりだ。
コルトライクでクラブの年間MVPに選出されるほどの活躍を見せると、350万ユーロ(5.6億円)でヘントに引き抜かれると、新天地でも鉄人的なプレーで守備の要に君臨してきた。
空中戦の強さは現役日本人選手トップレベル。スピードへの対応力も高く、ストッパーとしての能力はピカ一。
ただ、足元は向上の余地が大きく、そこがネック。ボランチもこなせる瀬古歩夢の後塵を拝しているのもそのためだろう。
負傷している冨安健洋と町田浩樹が招集されなかった今回も選ばれず。怪我で9日の試合を欠場した影響があったのだろうか…。
MF:佐野海舟
マインツ所属、24歳
昨夏、鹿島アントラーズからブンデスリーガに渡った守備的MF。Jリーグでも潰し屋として暴れていたが、ドイツの地でも本領を発揮しつつある。
リーグ2位の走行距離302.8キロを記録するなど、チームの3位躍進に大貢献しており、ボ・ヘンリクセン監督は、「ブンデスリーガだけでなく、世界的にもこのポジションで最高の選手のひとりになれる」と称賛。市場価値も10億円以上跳ね上がった。
2023年に日本代表にデビューすると、2024年のアジアカップにも参戦したが、昨年7月に不同意性交の疑いで逮捕された。不起訴処分になったものの、騒動以降は代表に招集されず、今回も呼ばれていない。
FW:浅野拓磨
マジョルカ所属、30歳
サンフレッチェ広島時代からの関係性がある森保一監督が信頼を寄せ、重用してきた選手だ。だが、怪我の影響などもあり、昨年10月以降は招集されていない。
今年3月に実に379日ぶりにゴールを決めて復活ののろしを上げたが、今回も代表メンバーに浅野の名前はなし。
今回は小川航基がコンディション不良で外れたが、これまで代表にフィットしていなかった古橋亨梧が引き続き選ばれた。指揮官のなかで序列が変わりつつあるのだろうか。
FW:町野修斗(※)
ホルシュタイン・キール、25歳
2022年ワールドカップで怪我の中山雄太に代わって、メンバー入りを果たすも本大会では起用されず悔しさを味わったストライカー。
2023年にキールへ移籍すると、ブンデスリーガに昇格した今季はチームトップタイの7ゴールを叩き出している。
ドイツでプレーする日本人では、フライブルクの堂安律(8ゴール)に次ぐ得点を記録している。
185cmの身長ながらキールではセカンドトップで起用されたり、フリーキックを担当することも。
ただ、2024年以降は代表から声がかかっておらず、前述のように小川不在の今回も選ばれなかった(※17日に追加招集が決定)。
そのほか、ブレンビーの鈴木唯人やAZの毎熊晟矢も招集されず。今月にW杯出場を決めれば、6月には新たなメンバーが呼ばれそうだが、果たして。