教えてくれたのは…丸山晴美さん
2001年に節約アドバイザーとして独立し、ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得。自身の経験に基づいた初心者にわかりやすいアドバイスが好評。著書に『大人のおしゃれ手帖特別編集 年間100万円! がんばらなくても貯まるお金の習慣』(宝島社)など多数。
「お金に働いてもらう」ってどういうこと?
投資の運用によってお金を生み出すこと
一般的に、「お金に働いてもらう」とは、自分の時間と労力を使った労働ではなく、自分のお金を活用し、投資で運用することでお金の価値(利益)を得ることを指します。
投資には、「単利」と「複利」の2種類があり、「単利」は元本の金額のまま運用すること。
それに対して、「複利」は元本+運用利益を再投資するため、 長く運用を続けるほど、雪だるま式に利息が増える効果が期待できます。
なぜ投資したほうがいいの?
近年は、商品やサービスの値上がり傾向が止まらず、インフレの状況が長く続いています。
10年前と比べると、同じ1000円でも買える物や量が減ってきていますよね。 それはつまり、「お金の価値が目減りしている」ということなのです。
- 「インフレだけでなく、超低金利時代も継続しているため、銀行にお金を預けているだけでは利息がほとんどつきません。
だからこそ、投資によってお金の価値を増やすことが求められているのです。国も、NISAやiDeCoなど節税になる投資制度を設け、投資による資産形成を後押ししています」
投資初心者が始めるときの注意点は?
注意点➀
「長期・積立・分散」の投資から始める
「長期・積立・分散」は、コツコツ長期的に、世界中の様々な経済に分散して投資することでリターンを得るというもので、資産運用の王道とされています。
- 「長期・積立・分散に適した投資商品なら、リスクを抑えながら、安定した運用利益が期待できます。
中でも『投資信託』は、世界中の株式や債券などを組み合わせた商品を投資のプロが代行して運用してくれるので、投資の知識が乏しい初心者にもおすすめ。商品を選び、毎月の積立額を設定するだけでいいので、手軽に始められます」
注意点➁
下落しても焦らないこと。時間を味方につけよう!
「投資は損をするリスクがあるから怖い」と思っている人も多いはず。
投資用語での「リスク」とは、運用で得られる利益(リターン)の振れ幅のこと。市場は日々変動するものです。
- 「日々の市場の動きに一喜一憂して、下落したからといって慌てて売るのは一番の損。
『長期・積立・分散』に適した投資信託を選び、長い目で見てコツコツ運用を続ければ、一時的に下落しても、やがて上昇していく傾向があるので、焦らないことが大事です」
※投資には、投資先の値動きにより、元本割れなどのリスクが常にあることを理解して、ご自身の責任において行うようにしてください。また、投資商品を購入するには、証券会社の口座が必要になります
リポートした人 Profile
マネーライター みとも はやみ
編集プロダクション、出版社の勤務を経て、2011年よりフリーランスで活動。
20年以上、生活情報誌を中心に家計やりくりにまつわる記事の編集・取材・執筆に携わる。これまでに取材した実例は、延べ1000件以上。
Illustration:Kayo Yamaguchi text & edit:Hayami Mitomo
※写真・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください
リンネル2025年3月号より