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37歳で第5子妊娠は「芸能人でお金があるから」ではない…アンチを収入に変え16年「辻ちゃん」のすごい胆力

  • 2025.3.15

2024年の新生児出生数は約72万人、女性が生涯に産む子どもの数は1.2と急速な少子化が進行。そんな中、タレントの辻希美さんが第5子の妊娠を発表した。婚活カウンセラーの川崎貴子さんは「不妊治療を経て妊娠に至った今回のいきさつを聞くと、“辻ちゃん”のかわいらしい外見からは想像がつかないほどの胆力を感じる」という――。

出生率が1.2に落ち込んだ中、5人目を産む辻希美

最近は事件や事故、不倫や女性アナウンサーの上納問題等、毎日見ていて陰惨な気持ちになるニュースばかりが目立つ。そんな中流れてきた、「辻ちゃん(辻希美)、37歳で5人目妊娠」の一報には久しぶりにテンションを上げてもらったというか、私の中の張本勲が思わず「あっぱれ!」と叫んだニュースだった。

だって、少子化が止まらない我が国日本で5人の子を産み、育てるというのはなかなかの偉業ではあるまいか。なんで少子化なのかと言えば、子供を持つことが結局のところ、金銭的にも肉体的にも時間的にもハードワーク過ぎるからだ。なので、筆者からすると、そんなハードワークをやってのけようという辻ちゃんをオリンピック金メダリスト並みに称えてほしいし、これは地上波でもっと取り上げるべき「お祝いニュース」ではないかと思っている。

赤ちゃんの手と母親の手
※写真はイメージです

とはいえ、何も「子供を多く産んだ女性が優れていて素晴らしい」と言いたいのではない。確かに、仕事をしながらの妊婦生活や、4人の子育てをしながらの不妊治療(5人目は不妊治療もしたと発表された)は物理的に大変である。どんなに人の手を借りたってお腹は一つであり、お母さんという存在は1人であり、命がけの出産×5回を含め、辻ちゃんがこなした、これからこなすであろう毎日のタスクを想像するだけで脳貧血を起しそうだ。

しかし、このニュースをシェアしてほしいと思う理由はそこではない。辻ちゃんというママタレントの生き方及び覚悟みたいなものが、「結婚する・しない」「子供を産む・産まない」にかかわらず、これからの女性たちへの良きモデルケースになり得ると思うからである。

10代で「モーニング娘。」「ミニモニ」の人気アイドルに

若い人たちはご存じないかもしれないが、辻ちゃんと言えば「ミニモニ」という超若年デュオのアイドル(結成当時13歳)で人気を博し、そのかわいいイメージのまま19歳で妊娠発表。お付き合いしていた現夫の杉浦太陽さんと授かり婚をし、当時は「ままごと婚」などと揶揄され、「すぐに離婚しそうなカップル」と話題をさらったものだった。

それは、辻ちゃんの幼いイメージが「まだ親にはなれないような印象」を人々に与えていたからかもしれないし、一般的に「10代での結婚や妊娠、その離婚率」は実際高いので、世間がそう思ったのは仕方がなかったのかもしれない。

19歳で俳優と「授かり婚」、31歳までに4人を出産した

ところが辻ちゃんはわれわれの予想を小気味よく裏切るかのように、2007年に20歳で第1子の長女(タレント活動をしている希空のあ)を出産した後には、第2子の長男(出産当時23歳)、第3子の次男(出産当時25歳)、第4子の三男(出産当時31歳)と次々と愛の結晶を生み続け、タレント活動では夫婦で共演するなど、夫婦仲の良さをも証明。結果、2016年には「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞している。2019年に開設したYouTubeの「辻ちゃんネル」の登録者数は現在180万人。その動画で子育ての様子も発信してきた。

今回の第5子に関しても辻ちゃんの「もう一度赤ちゃんを抱っこしたい」という願いで、3年以上の不妊治療を夫婦で頑張って授かったというのだから、彼女の「実現したい」と思う力というか、人生のハンドルをつかむ「握力の強さ」みたいなものを見せられた気がする。

若いママタレとして発信するが、いちご狩りに行っただけで炎上

ただ、ママになってから辻ちゃんと言えば、「炎上クイーン」という印象が強い。彼女が2009年に始めたブログやインスタで発信するたびに、これまた「辻ちゃん=ミニモニ」「ままごと婚」のイメージを引きずってしまっている視聴者たちは一億総小姑となって、彼女の一挙手一投足を問題視し、アンチコメントを書き、拡散した。それこそ、料理、子育て、夫婦関係、子供の服、中には苺狩りに行ってその苺に練乳をかけただけで(それを「甘い~」と言ったからなんだけど)、コメント欄は燃えに燃え盛ったそうだ。

人間の絵文字とスマートフォン
※写真はイメージです

筆者も、記事やコメントをSNSで発信することがあるが、例えば私のようなフォロワー数が友人知人レベルでも、記事やコメントが問題視されたり炎上したりするのをできれば避けたいと思って書いている。でも、当然だが全方位に気を使って書くと「何がいいたいのかわからない文章」になりがちだ。

今回のこの記事だって、例えば「女は子供をたくさん産むのが幸せだ」などと受け取られたらそれは自分の意図とは違うし、何より長年不妊治療を頑張っている女性たちや仕方なく子供をあきらめた女性たちを傷つける可能性だってある。そういうギリギリの攻防の中、大なり小なり、私も含めて発信者たちはセンシティブになりつつネットに載せるのだが、炎上クイーンの辻ちゃんはいつだっておおらかである。

「炎上」も逆手に取ってブログを16年間続けてきた

気にしていないというより、肝が据わっているというか、天然というか。「アンチがいっぱい拡散してくれたおかげで金策になりました」と発言しているので、結果フォロワーが増え、収入が増えたのだと想像にかたくない。「子供を何人も産めるのは芸能人でお金があるから」とわれわれは思いがちだが、芸能人なんて「人気」という最も曖昧なもので価値(報酬)が決まる、不安定感抜群な仕事だと筆者は思う。

忘れがちだが、炎上して消えていく芸能人たちがそれを証明している。しかし、アンチにも負けず、炎上にも病まずに、ブログを始めてから16年間、発信し続けた彼女の無邪気な強さが、あるアンチはファンに変え、変わらないアンチはそのまま収入に変え、お金の心配をすることなく「5人目も欲しい!」とチャレンジできているのではないかとお見受けする。なかなかの剛の者で彼女の胆力には学ぶべきところが多い。これまた「あっぱれ!」である。

令和の理想的な夫である「妻ファースト」の杉浦太陽

当然だが、幸せな6人家族が実現できているのは辻ちゃんだけの功績ではない。今回、辻ちゃんの記事を書くにあたり、夫である杉浦太陽さんのことをまるで「ファン」のように調べまくったが、とにかく奥さんである辻ちゃんの話ばかりが出てくる。それは彼があちこちで彼女を褒めたり、夫婦円満のルールを話したりしているからだ。

辻希美、杉浦太陽夫妻。2022年の東京おもちゃショーで。2022年6月16日
辻希美、杉浦太陽夫妻。2022年の東京おもちゃショーで。2022年6月16日

ちなみに、わが家の子供は2名だが、それでもスケジュール管理だけでもてんやわんやである。正直、新生児含めた5名の子供が居るなんてどうやって回していくのか想像もできないが、夫である彼は「奥さんが子供ファーストになるのは当然なので、自分は奥さんファーストを貫いている」らしい。定期的にデートしたり話し合ったりするのはもちろんのこと、彼女が立って家事をしている時は自分も座らない、彼女のお願いには3秒以内に応えられるようにスタンバイしている、とにかく彼女がご機嫌でいるために行動しているんだとか。すげえな。

最近では婚活スタートが若年化してきていて、できるかぎり早い段階で「お金を稼げる男性を捕まえて優雅な専業主婦になる」を目指す若い女性が増えてきた。それはそれで一つの道だとは思うが、今現在の、その男性の年収や将来性なんて本当に当てになるのかはあやしい。だから若い女性たちには「専業主婦を目指すのは大きなリスク」だと筆者は常々お伝えしている。

先ほど芸能人は人気商売と書いたが、われわれ一般人の仕事だって、何がAIに取って代わられるかわからないのが今。そして、これから。独身だろうと、結婚しようと、子供を持とうと、新しい仕事にチャレンジしながら、何とかキャリアを手放さないのが命綱である。そして、結婚して子供が欲しい人に限っては、杉浦太陽のような「ケア力」を持った男性に注目してほしいと今回心から思ったしだい。共働きで家庭を回す上では、アウトソーシングを使いつつ、分業するなり、完璧にアシストしてくれるなりする夫が絶対に必要だからだ。

「他人軸」で生きると、自分のやりたいことを見失う

先日筆者は「坂の途中の家」(2019年WOWOW制作)という悲しいサスペンスドラマを観てしまった。

ネタバレになるので詳細は省くが、ワンオペ育児、夫も実母も義母も頼れない、頼れないどころか「責められている」と感じて己を見失い、我が子を殺めてしまった母親の悲しい事件を軸に展開される話だった。

印象に残っているのは、主人公と事件を起こした母親の共通項が「自分の幸せがわからない」という点だった。「自分がこうしたい!」というより、「他人と比べてどうか?」「ちゃんとできているか?」「自分はどういう風に見られているのか?」に二人とも囚われていた。そして、全て他人軸で生きているとこんなにも人生は生きづらく、幸せが遠ざかるのかとまざまざと教えてくれたドラマだったので、興味のある人は体調の良い時にぜひ観てみてほしい。

辻ちゃんのハンドリング力こそ、若い女性に必要だ

何が言いたいかと言えば、辻ちゃんはそのドラマの主人公たちと真逆だと思ったのだ。

辻ちゃんが「女性の幸せの全て」を手に入れているとは思わない。子供の頃から芸能人として働いてきた彼女は、私たちが普通に享受してきた事や時間をいくつもあきらめてきたに違いない。ダブルユー時代、彼女が16歳の頃に雑誌の連載を担当していた編集者によると、テレビのカメラが回っていないときは、とにかく眠そうで、働き過ぎだと見ていてかわいそうになったそうだ。

それでも、自分のその時の立ち位置で欲しいものを、自分の未来に必要なものをちゃんと手を伸ばしてつかんできた女性のように感じる。それはまごうことなき「彼女オリジナルの幸せ」である。夫の杉浦太陽さんにも、アイドルの辻ちゃんから何度もアタックしてお付き合いが始まったのだとか。夫の実家にもすぐに気にいられて、実の両親にも頼れるところは頼り、自分が実現したい幸せを誰に何を言われようと実現していく辻ちゃん。そんな彼女の、まだあどけなさすら感じる風貌からは見て取れない「胆力」や「握力」を、令和に生きる女性たちはぜひ参考にしてほしいと思う。

川崎 貴子(かわさき・たかこ)
リントス代表取締役
1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム

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