低カロリーでヘルシーな食材として知られる「えのき」。食べ方やタイミングを意識するだけで、自然とダイエットを後押ししてくれる優秀な食材になるんだとか。
今回はそんなえのきが持つダイエット効果や食べるタイミング、簡単に作れるレシピを管理栄養士の麻生先生に詳しく教えてもらった。(以下「」内・麻生先生)
えのきが持つダイエット効果とは?
「えのきは低カロリーで食物繊維が豊富なキノコの一種です。日常の食事に取り入れることで、以下のようなダイエット効果が期待できます」
1.脂肪燃焼促進
「えのきには“エノキタケリノール酸”という成分が含まれており、これが脂肪の燃焼を助ける働きをします。とくに運動と組み合わせることで、より効率的な脂肪燃焼が期待できます」
2.腸内環境の改善
「えのきに豊富に含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。これにより便秘の解消や老廃物の排出が促され、ダイエットをサポートしてくれます」
3.満腹感の向上
「食物繊維が豊富なえのきは、少量でも満足感を得やすいのが特徴です。食事のボリュームを抑えながらも、空腹感を感じにくくなるため、食べ過ぎ防止に役立ちますよ」
4.血糖値の安定化
「えのきに含まれる食物繊維は、糖の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を防ぎます。これによりインスリンの過剰分泌を抑え、脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます」
「えのきダイエット」のやり方
1日にどれくらい摂取するべき?
「目安として、1日50~100gが適量です。摂りすぎると消化不良を起こすことがあるため、気を付けましょう」
朝・昼・晩で何が違う? ベストなタイミングとは
「えのきを摂取する時間帯によって、その効果が異なります。早速みていきましょう」
《朝食に摂取》
「朝にえのきを食べることで、食物繊維が腸を刺激し、スムーズな排便を促してくれます。えのきに含まれる“キトサン”は腸内の脂肪吸収を抑える働きがあるため、朝のタイミングで摂取すると腸の動きが活発になり、便秘解消にもつながりますよ」
《昼食に摂取》
「昼食時にえのきを摂ることで、食後の血糖値上昇を抑え、脂肪が蓄積しにくくなります。とくに炭水化物と一緒に食べることで糖の吸収をゆるやかにし、ダイエット効果を高めることができます」
《夕食に摂取》
「夜にえのきを食べると、“キノコキトサン”の脂肪燃焼効果が発揮されやすくなります。さらに、低カロリーで満腹感が得られるため、夜ご飯のボリュームを抑えつつ、しっかり食べたいときにもおすすめですね」
えのきダイエットの食べ方
① えのきファーストで血糖値の上昇を抑える
「食事の最初にえのきを食べることで、血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えることができます」
② ましましえのきで糖質オフ
「炭水化物の量を減らし、その分えのきを増やすことで、カロリーを抑えながら満足感を得ることができます。例えば、パスタやご飯を減らし、えのきを混ぜることで、ヘルシーにボリュームアップできますよ」
③ 作り置きえのきで食物繊維アップ!
「えのきを調理してストックしておけば、忙しいときでも簡単に取り入れられますよ。また冷凍保存も可能なので、まとめて作っておくのはおすすめです」
「えのきダイエット」の効果をアップさせるコツ
炒める、煮る、冷凍しておくなど効果は変わる?
《炒める場合》
「えのきを炒めると、油に溶けやすい脂溶性ビタミン(ビタミンDなど)の吸収率がアップします。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるため、骨の健康維持にも役立ちます」
《煮る場合》
「えのきは水溶性の成分を含んでいるため、スープや鍋にすると成分を余すことなく摂取できます。えのきに含まれる“キノコキトサン”や食物繊維が溶け出し、腸内環境を整える効果が期待できますよ」
《冷凍する場合》
「えのきを冷凍すると細胞壁が壊れ、ダイエットに役立つ“エノキタケリノール酸”の吸収率が上がります。エノキタケリノール酸は脂肪燃焼をサポートしてくれるので、ダイエット効果を高めたい人にはとくにおすすめ」
冷凍のコツ
・えのきを小分けにして冷凍保存し、必要な分だけ取り出して使う。
・冷凍したえのきをそのままスープや炒め物に加えて調理する。
どんな食べ合わせで効果が上がる?
「えのきは単体でもダイエットや健康維持に役立ちますが、特定の食材と組み合わせることで、さらにその効果を高めることができます。以下に相性のいい食材とそのメリットを紹介していきますね」
タンパク質(鶏むね肉、豆腐、納豆)と合わせる:
「ダイエット効果のある“キノコキトサン”は、タンパク質と組み合わせることで、筋肉を維持しながら効率よく脂肪を燃焼してくれます。鶏むね肉や豆腐、納豆などの良質なタンパク質とは相性抜群なので、ぜひ一緒に摂取してみてください」
発酵食品(味噌、キムチ)と合わせる:
「発酵食品に含まれる乳酸菌と、えのきの食物繊維を一緒に摂取することで、腸内環境が整い、便通が改善されます。腸内の善玉菌が増えることで、ダイエット効果もアップしますよ」
オリーブオイルと合わせる:
「えのきにはビタミンDが含まれており、オリーブオイルと一緒に摂ることで、脂溶性ビタミンの吸収率が上がります。また、オリーブオイルの抗酸化作用により、細胞の老化防止にもつながるのです」
「えのきダイエット」のおすすめレシピ7選
簡単にできる低カロリーレシピ
《えのきとわかめのヘルシースープ》
「腸活&デトックスにおすすめ」
材料(1人分):
・えのき(50g)
・わかめ(適量)
・鶏ガラスープの素(小さじ1)
・水(300ml)
作り方:
1.鍋に水と鶏ガラスープの素を入れて煮立たせる。
2.えのきとわかめを加えて2分煮るだけ!
《えのきと豆腐のさっぱりポン酢和え》
「高タンパク&低カロリーで食べ応えあり!」
材料(1人分):
・えのき(50g)
・絹ごし豆腐(1/2丁)
・ポン酢(大さじ1)
作り方:
1.えのきをさっと茹で、冷ました後に豆腐と混ぜる。
2.仕上げにポン酢をかけて完成!
主食やメイン料理に
《えのきたっぷり和風オムレツ》
「ふわっとだし香るヘルシーオムレツ!」
材料(1人分):
・卵(2個)
・えのき(50g)
・醤油(小さじ1)
・だし(50ml)
作り方:
1.フライパンでえのきを炒め、卵に醤油、だしを混ぜたものを流し込む。
2.弱火で焼き、オムレツに仕上げる。
《えのき入り鶏つくね》
「低脂質&高タンパクでダイエットにぴったり」
材料(2人分):
・鶏ひき肉(100g)
・えのき(50g)
・生姜(少々)
・醤油(小さじ1)
作り方:
1.ボウルに鶏ひき肉、みじん切りしにたえのき、すりおろした生姜、醤油を入れ、粘りが出るまでよく混ぜる。
2. つくね状にしたら、フライパンに少量の油(分量外)をひき、中火で両面を焼き色がつくまで焼く。蓋をして2~3分蒸し焼きにし、しっかり火を通す。
3.お好みで大根おろしやポン酢を添えて完成。
《えのきの糖質オフチャーハン》
「ご飯を半分にして、糖質オフ&食物繊維アップ」
材料(1人分):
・えのき(100g)
・溶き卵(1個分)
・ネギ(適量)
・醤油(小さじ1)
・ご飯(半量・お好みで調整)
作り方:
1.みじん切りにしたえのきとご飯、溶き卵を炒める。
2.ネギと醤油を加えて香ばしく仕上げる。
作り置きにはコレ!
《えのきのピリ辛ナムル》
「ピリッとした辛さがクセになる一品!」
材料(2人分):
・えのき(100g)
・ごま油(小さじ1)
・醤油(小さじ1)
・ラー油(少々)
作り方:
1.えのきをさっと茹で、水気を切る。
2.ごま油、醤油、ラー油を混ぜて和える。
《 えのきの味噌漬け 》
「ご飯のお供にもぴったり」
材料(2人分):
・えのき(100g)
・味噌(大さじ1)
・みりん(小さじ1)
作り方:
1.えのきを茹で、味噌とみりんを混ぜたタレに漬け込む。
2.冷蔵庫で30分ほど置いて味をなじませる。
「えのきダイエット」をするうえでの注意点
「えのきはダイエットに適した食材ですが、摂り方によっては体に負担をかけてしまいます。健康的に取り入れるために、以下のポイントに注意しましょう」
摂りすぎ注意
「えのきには食物繊維が豊富に含まれているため、一度に大量に摂取すると、消化不良や腹痛、便秘、下痢などの原因になることもあります」
単品ダイエットはNG
「えのきには食物繊維やキノコキトサンなどのダイエットに有効な成分が含まれていますが、タンパク質や脂質など、他の栄養素が不足すると、筋肉量の減少や栄養バランスの乱れにつながります。バランスよく食べるように心がけましょう」
アレルギーや体質に注意
「まれに、えのきを食べた際にアレルギー反応や体調不良を引き起こす人もいます。口の中の違和感、腹痛、かゆみ、湿疹などの症状が出た場合は、摂取を控え、医師に相談することが重要です」
まとめ
「えのきを取り入れることで、脂肪燃焼促進や腸内環境改善などのダイエット効果が期待できます。冷凍保存や調理法を工夫しながら、バランスよく摂取することが成功の鍵。食事にうまく取り入れながら、健康的なダイエットを実践していきましょう!」