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オスカー・ムリーリョの新作展「Anterior Chambers」、会場は200年以上続く京都の町屋

  • 2025.3.14
Oscar Murillo“(untitled) anterior chamber”, 2024 (detail) Oil on intaglio print<br /> 57 x 38 cm © Oscar Murillo. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo_ Tim Bowditch and Reinis Lismanis
Oscar Murillo“(untitled) anterior chamber”, 2024 (detail) Oil on intaglio print 57 x 38 cm © Oscar Murillo. Courtesy of Taka Ishii Gallery / Photo: Tim Bowditch and Reinis Lismanis

オスカー・ムリーリョは、1986年にコロンビアのラ・パイラで生まれ、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、2019年にはターナー賞を受賞した。世界各地で個展や国際展に参加し、社会と文化、歴史の交差点を探求する作品を発表し続けている。

本展「Anterior Chambers」は、眼球の構造の一部である「前房」に着想を得ている。前房は、角膜と虹彩の間に存在し、視力の維持に重要な役割を果たすが、加齢や外傷によって狭まり、最終的には視力を失うこともある。この視覚の喪失という概念は、ムリーリョの近年の制作に通底するテーマのひとつであり、2024年夏にテート・モダンで発表されたインスタレーション《The Flooded Garden(浸水した庭)》とも響き合う。

ムリーリョは過去にも「社会的白内障」というタイトルを冠した作品を制作し、個人の経験と集合的な記憶が交錯する視覚的な探求を続けてきた。本展でも、水、流れ、洪水といったモチーフを通じて、視覚と社会の変容を表現する。

会場となるタカ・イシイギャラリー 京都は、200年以上続く町屋を使用している。歴史ある京都の街並みに位置し、現代美術を紹介する場として国内外のアーティストの展覧会を開催してきた。今回の展覧会では、ムリーリョの最新作がどのように観客の視覚や感覚を刺激するのか注目だ。

オスカー・ムリーリョ「Anterior Chambers」

会期/3月21日(金)〜4月26日(土)

営業時間/10:00〜17:30

会場/京都府京都市下京区矢田町 123 タカ・イシイギャラリー 京都

定休日/日〜水曜日、祝祭日

Tel./075-366-5101

www.takaishiigallery.com

※作家によるパフォーマンス 3月20日(木)23:45〜

※作家在廊のオープニングレセプション 3月21日(金)11:00〜13:00

Text: Makiko Yoshida

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