受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』!
今回、お伺いする大学は愛媛県松山市にある「愛媛大学」になります。愛媛大学の歴史から学部について、受験方式、教育方針などをランパンプスがインタビューしてまいります!
――それでは早速ですが、大学内に入って副学長の山下政克さんにお話しを聞きに行きましょう。
山下:よろしくお願いします。寺内さんは千葉出身ですよね?
寺内:はい。千葉出身なんですか?
山下:この大学に来る前に、千葉大にいたんですよ。
寺内:何学部だったんですか?
山下:医学部です。
寺内:医学部!
山下:今も医学部ですよ。医者じゃないですけどね。
小林:出身はどちらなんですか?
山下:富山県です。あちこち転々としています。大学生の時は筑波大学にいました。
寺内:ええ! いろんな大学に行かれてるんですね。
山下:愛媛に来て13年なんですけど、住みやすいし、学生と教員の距離も近いので、良い大学ですよ。
小林:それでは改めまして、愛媛大学の創立の歴史を教えていただけますか?
山下:愛媛大学は戦後すぐ、1949年に、広く高等教育を行うために「各県に1校ずつ大学を作ろう」という取り組みの時にできた、いわゆる「新制大学」になります。最初は、文理学部と、教育学部、工学部ができたと聞いています。
寺内:その時代を担う学部たちですね。
山下:現在は、松山市内の城北、持田、樽味の3つにキャンパスがあり、隣の東温市に医学部があります。
寺内:そんなにあるんだ!
小林:愛媛大学が推進している教育方針に「準正課教育」というものがあると伺ったんですが、これはどういうものなんでしょうか?
山下:まず「正課教育」というのは、卒業に必要な単位を取得する教育のことになります。対して「準正課」というのは、卒業には必須ではないけれど、学生が自ら主体的に取り組んで、それを教員がサポート、後押しをしていくものになります。医学部でいえば、医者になるための勉強だけでなく、医科学研究を継続的にやりたい学生をサポートしたり、他学部でもそれぞれの個人の興味に応じたもので、学部の方針と合致したところで取り組んでいます。地域に出て、フィールドワークをやりたいのであれば、サポートしていく、などですね。
寺内:必修プラス上乗せし放題、学びたい放題ってことですね。意欲的な学生はめっちゃ楽しめますね。
山下:自ら学んでいく意欲的な気持ちをしっかりサポートしていきたいんです。これは愛媛大学の特徴だと思っています。
小林:学びの本質を感じますね。
寺内:本質的に学びたい子たちが愛大に来た場合、いろんな可能性が広がるし、それを近い立場で教員がサポートしてくれるのは魅力的ですね。
山下:愛媛大学の目指すところに「学生中心の大学」というのがありますので、こういったシステムになっているんです。また、ほとんどの学生が松山市内に住んでいて、通学の時間もかからないので、準正課教育に使える時間も多いと思います。
小林:松山って賑やかさも住みやすさも丁度良さそうな街ですよね。
山下:愛媛県110~120万人のうち、その半分近くが住んでいますからね。
小林:50万人都市!
山下:様々な活動がしやすいコンパクトな街なので、学生生活をここで送るのは非常に楽しいと思いますよ。飲食街も整っていますし、そこでアルバイトをされている学生さんも多いので、我々、教職員も飲食する時に、アルバイトの学生に「どこの大学?」って聞いて、愛媛大学の学生だった場合、少し話の内容を考える、みたいなところはあります(笑)。
寺内:(笑)。
山下:そういう意味でも、非常に教員と学生の距離が近い大学だと思います。
寺内:東京とかだと、プライベートは完全に別ですもんね。
山下:「地域とともに輝く大学」という基本理念が中心にありますので、学生が地域に出て、共に発展していくんです。さらに、地域だけで完結しては世界的なことが学べないので、地域と連携しながら、世界に向けて発信し、羽ばたいていく「つながる大学」が目標になっています。
寺内:地域の絆があるからこそ、世界に羽ばたけるってことですね。
山下:地域に育てていただいてるので。
小林:愛媛大学に通う学生さんは、愛媛の方が多いと思うんですけど、どんな割合になっているんですか?
山下:やはり愛媛、そして、四国出身者が多いですね。次いで多いのは広島、岡山ですね。
小林:どんな学部があるんですか?
山下:学部は7つあって、総合的に学ぶ法文学部、そして、2016年にできたフィールドワークをしながら地域のことを学ぶ社会共創学部と教育学部、理学部、工学部、農学部があって、そして医学部があります。
小林:学生はどれくらいいらっしゃるんですか?
山下:学校全体では、大学院生も入れると約1万人が在学しています。
寺内:そんなに!
山下:法文学部が一番多く、理系ですと工学部が多いです。法文学部、工学部、理学部は大学に入学してからコースを選べるのが、愛媛大学の特徴の1つですね。勉強していく中で、自分が何に向いているのかなどを考えていただいて、その中で選択できる仕組みになっているんです。
寺内:理系は、なんとなくわかるんですけど、法文学部って広いじゃないですか? 文学を学びたい人と法律を学びたい人が同じ学部に入るってことなんですか?
山下:その中で選んでいく仕組みなんです。いろんな意見、目指すところを持っている学生と交流ができるのは良い点だと思っています。
小林:なんか国立っぽくないですよね?
寺内:フレキシブルだよね。
山下:大学としても、興味を持っていただかないといけないので、新しい取り組みが多いかもしれません。
小林:特に人気な学部はあるんですか?
山下:入試の倍率で言えば医学部が一番高いですね。
寺内:医学部に準正課教育があるというのは特徴的なことなんですか?
山下:特徴的ですね。医科学研究が一年生時に必修になっているのも特徴の1つになっています。
寺内:医者を目指しているけど、研究職にも興味がある高校生は愛大が候補に入ってくるんでしょうね。
山下:最近では、各地域で、ドクターヘリによる搬送が増えてきているので、そういった地域医療を勉強することも医科学研究に含まれているんです。県の寄付講座で救急航空医療学という講座もあるので、そういうところに興味を持って入学してくれる学生もいます。
寺内:ドクヘリが学べるんだ!
小林:コードブルーを見て山Pになりたい人たちが(笑)。
山下:おっしゃる通りです(笑)。
寺内:僕も新垣結衣になりたいもん。
小林:なんでだよ(笑)。山P目指して!
寺内:本当に学べる範囲が広いですね。
小林:「未来価値創造機構」というのは、どういう取り組みなんですか?
山下:今年度の4月に新しくできた機構で「大学と地域の10年後、15年後の中期的未来を考えよう」という取り組みで、地域の人たちと一緒に議論して発信していく部局みたいなものですね。
小林:卒業生は、愛媛県内で働く方が多いんですか?
山下:学部によって割合が違いますが、半数くらいですね。「愛媛県の発展を担う人材を」という目標はありますが、愛媛に根差してくれる人もいれば、出て行く人もいるというのが現状です。
小林:半分って結構多い気がしますけどね。
山下:やはり若者ですから、愛媛県で育っても、東京、大阪に行きたいという方が、一定数いらっしゃって、その気持ちを止めるものではないです。ただ、いろんなことを学んで、もう一度、愛媛に戻ってきていただいて、地域貢献をしていただければとは思います。
小林:戻ってきた学生たちが、未来価値創造機構に携わっていくんですか?
山下:というよりは、地域の未来をつくる取り組みに携わっていただければいいのかなと。そして、どんどん人口が縮小していき、地域も、街も小さくなっていく中での地域モデルを産み出せればと思っています。
寺内:それが、他の地域にも広がっていけばということですね。
山下:地域それぞれ違う課題がありますが、共通課題もあるので「愛媛モデル」「愛媛大学モデル」などを作り出していければ。今はまだ受験生が90~100万人くらいいると思いますが、昨年度の出生数が70万人を切っている中で、大学がどういう立ち位置で地域に根差していけるのか、大学自体がやっていけるのか、などを大学全体として考えていかなければと思っています。
小林:僕は北海道の釧路市出身なんですけど、本当に人口が減少してるんですよ。僕が育った時に比べても、街全体がどんどん小さくなっていってるのを実感しています。最近、コンパクトシティって、よく聞くじゃないですか? 松山市は、その丁度いいところにいけるんじゃないかなって、来てみて、めちゃめちゃ思いましたね。
寺内:松山市で成功例を作って、愛媛県内の他の市もそれに倣って、そのモデルが北海道とか、茨城とかに広がっていくといいですよね。
小林:東北とかもしかりだね。
寺内:あと、茨城もね。
小林:なんで、茨城が2回出てくるの? 千葉県民は茨城嫌いなの(笑)?
山下:千葉と茨城はちょっとありますよね(笑)。
寺内:ライバル関係なんだよ(笑)。
山下:でも、茨城はつくばが発展してますからね。
寺内:ちくしょー! つくばがいたか!
小林:やめろっ!
小林:愛媛大学の受験の方法を教えていただけますか?
山下:一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜の3つが主体です。他には、社会人選抜と留学生に向けた選抜があります。
寺内:社会人選抜には年齢制限はあるんですか?
山下:何歳までという上限はないです。あとは、一般的な入試とは違いますけれども、リカレント教育など、社会人の学び直しにも愛媛大学は力を入れています。
寺内:講座単位で社会人の方が履修されるんですか?
山下:コースごとにもありますし、社会人向けの大学院も作っており、愛媛県内で勉強しながら働いてもらうような仕組みづくりに取り組んでいます。
小林:どんな学生さんに入学してほしいですか?
山下:私、個人の希望で言うと、準正課教育もありますので、自分でこういうことをやってみたいと積極的に学んだ中で、新たに自分から発案して動いていけるような学生に入学してほしいと思っています。
寺内:準正課教育に取り組んでいる中で、印象的だった学生さんはいますか?
山下:四年生でフラッと来て「免疫に興味があるので研究したいです」と言って、始めて、学会の発表までした学生がいましたね。その後、愛媛大学に残って研究してくれるのかな、と思ったら、いきなり関西の大学に行ったっていう……印象的でした(笑)。
ランパンプス:(笑)。
小林:学生の男女比はどうなっていますか?
山下:約4割が女子学生です。女性の割合が少ないのはやはり工学部ですね。なので、令和8年度入学者から、工学部に女子枠の入試を取り入れて、積極的に女子に入学してもらいたいと思っています。
小林:理系女子ですね!
山下:情報系ならば、在宅など、様々な環境で働けます。男女平等の時代ですけれど、どうしても出産など、男性では肩替わりできないところもあるので、情報を学んでいただいて、在宅勤務ができる会社に就職していただく選択肢もあるのではないか、と思っています。
寺内:女性にこそ理系はいいかもしれないですね。
小林:最後に、今、頑張っている受験生にメッセージをお願いします。
山下:大学は、高校と違って、交友範囲も、自分の裁量の範囲も広がります。また、大学の勉強は、高校と違い、自分のやりたいことができるので、それを楽しみにして、しっかり勉強していただければと思います。また、浪人生の方もいらっしゃると思いますが、浪人することが必ずしもマイナスではないと思うんです。私自身、浪人をしているのですが、浪人したからこそ出会えた仲間と、今も、仲良くやっています。うまくいく場合も、うまくいかない場合もあるのが人生なので、しっかり目標を持って取り組んでもらえたらと思います。
小林:浪人生に寄り添って話してくれた方、今まであんまりいなかったので、励みになると思いますよ。
山下:浪人生って、なかなか難しい立場で、大変な1年になるとは思いますが、「それも良い経験だ」と思って、頑張ってほしいですね。
寺内:すべて糧になると!
山下:私は、大学は「人と人との出会い」だと思っているので、とにかくいろんな人と交流できる下地を作ってほしいですね。
小林:先生は大学生のとき、すごく楽しかったんだろうな、というのがすごい伝わります。
山下:楽しかったですね。24時間誰かといました(笑)。そんな、地域との関係や友達が宝になるので、それを楽しみにして頑張っていただければ。
寺内:ありがたいお話でした。
小林:本日はありがとうございました。
山下:こちらこそ、ありがとうございました。
――それでは、学食へ向かいましょう。本日から「学食カレー縛り」が小林さんから寺内さんに移動します。
小林:やったー! えっと、これ、どうやって食べたらいいですか(笑)?
寺内:カレー以外を食べるのが久しぶりだからどうしていいかわかんないんだ(笑)。メニューは何?
小林:「チーズハンバーグ焼き」です。
寺内:上のソースはなんですか?
小林:ジュレみたいなのがかかってますね。それでは、いただきます!
寺内:何味?
小林:とりあえず、チーズが良いね! ジュレは……なんだこれ? あ、玉ねぎジュレだ! 美味しい!
寺内:メニューが多彩だったよね。サーモン丼とかあったし。
小林:あのさ、ライスが、これでSなんだよ(笑)?
寺内:並だよ、それ(笑)。
小林:Sでも米を「ぎゅっ」てされているから見た目よりも質量があるよ。あと、小鉢がめっちゃ多彩だったよね。
寺内:いっぱいあった!
小林:僕はそんなに食べられないからスルーさせてもらったけど、大学生はみんな3つ4つ取っていたね。生卵と納豆とか、ビュッフェみたいだった。気分によっていろいろ変えれるのはいいよね。
寺内:僕、ほうれん草取ろうとしたんだけど、スタッフさんに怒られました(笑)。
小林:なんて言われたの(笑)?
寺内:「え、なになに? なにとろうとしてんの?」って(笑)。
小林:そりゃ、寺内さんは今回からカレーしか食べれないんだからダメだよ!
寺内:トッピングじゃないならいいじゃん。味噌汁すら怒られたんだよ?
小林:俺から言わせてもらうと、それ普通だよ? 俺が味噌汁飲んでるとこ見たとこある?
寺内:味噌汁取りたい時あったの?
小林:ずっとだよ! ほうれん草だって、温玉だって! なんなら福神漬けもどうかと思うよ(笑)。
寺内:これは僕がつけたわけじゃない! 「つけてください」とも言ってないから!
小林:なら、ギリギリセーフか(笑)。
寺内:ただね、こちら、普通の学食カレーではなく「マイルドスパイシーカレー」なんです。
小林:マイルドなのかスパイシーなのか、どっちだよ!
寺内:店員さんに聞いてみたら「マイルドでスパイシーです」って言われました(笑)。
小林:同じこと言われたんだ(笑)。
寺内:それでは、いただきます!
寺内:うまっ! 一生食べれる! 程良い奥行きがある!
寺内:ハッシュドビーフみたいなコクもあるし、ちゃんとスパイシーです。美味い!
小林:……なんか、ちょっと違くない?
寺内:めっちゃ美味いです。トマトの味もしっかりするし。
小林:ムカつくな! よくある学食カレーが来いよ! もっと黄色いカレーでニンジンとジャガイモがいっぱい入ってるやつだろうが!
寺内:素材の旨味が溶け込んでいて、めっちゃ美味しいです。
小林:米がもっと多いやつだろ!
寺内:お米の量も適量ですね。
小林:ルーと米の量合ってないやつだろ!
寺内:ルーとお米の量もぴったりでございます。初戦勝利です!
小林:おい! 勝ち負けつけるな(笑)。負けの時、「負け」なんて言えないからな? 次に「2回戦敗退」とか絶対言うよな!
寺内:(笑)。とても、おいしゅうございました。ごちそうさまでした!
――国立大学ながら新しい取り組みをたくさんしている愛媛大学はいかがでしたか?
小林:山下副学長は、複数の大学で働かれた経験があるっておっしゃってたじゃないですか? その中でも松山市は住みやすくて、良い街だって言ってたから、本当に良い街なんだろうなと思いましたね。
寺内:いくつもの大学と街を見た人が言ってるから説得力があるよね。
小林:あと、良い意味で国立大学っぽくないよね。いろんなことに挑戦できそうな感じがすごいした。
寺内:準正課教育って要は追加で勉強し放題ってことじゃん? 意欲的に学ぶ学生が多いから、そういう制度になったんだろうから、かっこいいよ。
小林:確かに!
寺内:地域と共に「大学と地域の未来」を考えていくって言っていたから、是非、愛媛大学と松山市がモデルタイプとなって、地方を盛り上げてほしいよね。例えば茨城とかを。
小林:なんなの? 茨城となんかあったの(笑)?
寺内:千葉出身なんで!
小林:そういうもんなんだ(笑)。
寺内:ここで一句! 「愛媛より つくばが好きな 副学長」。
小林:そんなことねえって!
寺内:ありがとうございました!
小林:俺が突っ込まなかったらどうするつもりなんだよ(笑)。
次回の『おうえんしナイト』は、愛媛大学の後編としてランパンプスが愛媛大学に通う現役の在学生にインタビューしてまいります。