子どもはもちろん、大人も手に取って「その時」に備えたい。
正しい知識によってさらに防災意識を高める!
近年の日本は毎年のように「異常気象」と言われ、豪雨や台風、大雪による災害が頻発しているうえ、猛暑も災害級と称されるまでに。さらには2024年の能登半島地震につづき、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山の噴火など今後大きな災害が起こることも想定されています。
そんな現象を、気象学者の荒木健太郎氏が科学的かつわかりやすく説明! 正しい知識を身につけたうえでどう対応したら良いのかがしっかりわかるので、いざというときの心構えに役立ちます。
※本記事は荒木 健太郎著の書籍『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』から一部抜粋・編集しました。
避難所ってどんなところ?気をつけること総まとめ
災害時の避難所は、避難を経験しないと想像しにくいと思います。避難所で気をつけることを予習しておきましょう。
まず、トイレは我慢しないでください。我慢すると体調をくずします。季節によっては食中毒防止のために、食事の際に工夫を。人が多くいる空間のため、清潔を保って感染症対策を。具合が悪いと感じたら、我慢せず周囲に伝えて助けを求めましょう。
また、じっとしていると血流が悪くなるので適度な運動やストレッチがおすすめ。避難所は避難者が自分たちで運営するのが原則で、支援団体や自治体などと協力して運営します。高齢者や乳幼児などに配慮し、トラブルを防ぎ快適に過ごせるルールを話し合って決めましょう。過去には避難所で犯罪もあったので対策を。夏は熱中症や虫対策、冬は低体温症への対策も。
車に泊まる車中泊はキャンピングカーだと快適です。一般車両では夏は熱中症になりやすく危険。体調管理には要注意です。避難時に困らないように覚えておいて。
■防災の豆知識
非常口のマークは、白地に緑のピクトグラムがお馴染みです。これが緑なのは、緑が赤に対して最も見えやすい色(補色)のため。火災が発生して赤い炎に包まれていても、非常口を見つけやすい色が使われているのです。
避難所生活で気をつけること
トイレを我慢しない
我慢すると病気になったり、最悪の場合は命を落としたりすることも。
感染症に注意
マスクを着用するほか、清潔を保つ工夫をしよう。
協力して避難所運営
みんなで快適に過ごせるよう話し合おう。高齢者や乳幼児、妊婦などにも配慮を。
食中毒に注意
食事のときなどに工夫をして食中毒を防ごう。
体調・健康管理
運動やストレッチをして健康を保とう。
犯罪への対策を
犯罪が起こらない工夫と避難所運営をしよう。
車中泊で気をつけること
・安全な場所に車を駐車する
・昼間はなるべく外で体を動かす
・高齢者や幼児のいる家庭はとくに体調に注意
夏
・標高の高い涼しい場所以外は非推奨
冬
・段ボールや銀マットで断熱性を確保
キャンピングカーなら車中泊でも快適
季節ごとの対策
夏
・熱中症対策
・食中毒対策
・ペットボトルは1日で飲みきる
・虫対策
冬
・低体温症対策
・服を着込む
・湯たんぽなどで保温
・寝るときも段ボールやマットを敷いて保温
著=荒木 健太郎/『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』