ヴェルサーチェ(VERSACE)の新クリエイティブ・ディレクターに、ダリオ・ヴィターレが就任したことが発表された。ヴィターレのデビューコレクションはヴェルサーチェ家が監督しない初めてのコレクションとなり、設立から47年続くブランドは歴史的転換期を迎えることになる。
しかし、ヴェルサーチェとヴェルサーチェ家のつながりは、完全に断ち切られたわけではない。ブランドはヴィターレの就任発表と同時に、ドナテッラ・ヴェルサーチェの肩書きをチーフ・ブランド・アンバサダーに変更。彼女が今後もブランドと関わって行くことを明らかにした。
ドナテッラは声明で次のように述べている。「次世代のデザイナーを支援することは、私にとって常に重要なことでした。ダリオ・ヴィターレが私たちに加わってくれることに感激していますし、新しい視点を通してヴェルサーチェを見ることができるのは楽しみです。私の素晴らしいデザインチームと、30年以上仕事をともにしたヴェルサーチェの全従業員に感謝したい。兄ジャンニの遺産を受け継ぐことは、私の人生で最大の名誉でした。彼の才能は並外れたものでしたが、私も彼の精神と粘り強さを少しでも持ち合わせていたらいいです。チーフ・ブランド・アンバサダーという新しい役割においても、私はヴェルサーチェ一番のサポーターであり続けます。ヴェルサーチェは私のDNAのなかにあり、常に私の心のなかにありますから」
現在41歳のヴィターレは、ミラノのファッションシーンで最も革新的な新進気鋭デザイナーのひとりとして広く知られている。彼は2006年にイスティトゥート・マランゴーニを卒業し、ディースクエアード2(DSQUARED2)で1年間働いた後、ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)のトーマス・マイヤーの下で経験を積んだ。2010年にミュウミュウ(MIU MIU)に入社後も腕を上げ続け、後にプレタポルテのデザインディレクター兼イメージ部門長へと昇進。今年1月にブランドを去っていた。
ヴィターレは次のようにコメントを寄せている。「チーフ・クリエイティブ・オフィサーとしてヴェルサーチに加わり、ジャンニとドナテッラによって築かれたこのスペシャルでパワフルなラグジュアリーブランドの一部となれることを心から光栄に思います。ヴェルサーチェは、何十年にもわたり、ファッションの歴史を形作ってきたユニークな伝統を持つブランドです。ドナテッラが私を信頼してくれたこと、そしてヴェルサーチェという特別なブランドに対する彼女のたゆまぬ献身に心から感謝したい。私のビジョン、専門知識、献身を通じて、ヴェルサーチェの今後の成長とグローバルなインパクトに貢献できることを光栄に思います」
Text: Luke Leitch Adaptation: Motoko Fujita
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