珍しい名字を知る
「度会」さんは、伊勢神宮外宮の禰宜家を起源とする由緒ある名字。遡ること神話時代、天日別命(あまひわけのみこと)の子孫である大若子が垂仁天皇の時代に伊勢国造に任命され、外宮の大神主を兼務したことに遡ります。この地位は代々引き継がれ、伊勢神宮の神事や運営に深く関わる一族として成長しました。
「聖なる川(五十鈴川)を渡り神に会う」と意味で名付けられたといわれる、伊勢国度会郡(現在の三重県度会郡)を拠点としたことからこの名字を名乗ったとされています。
この家系はのちに4門に分かれ、その中で二門と四門が特に栄えます。二門からは松木氏や久志本氏といった分家が出ており、維新後には禰宜家筆頭の松木家が男爵に叙されたほどです。
度会 = わたらい
「度会」は、わたらいと読む名字です。日本全国では約800名がこの名字を持つといわれています。三重県を由来とし、現在は岐阜県や愛知県など東海地方を中心に分布が見られます。
「珍しい名字を知る」とは
日本の名字は、読み方の違いまで含めれば30万ほど存在すると言われています。中でも珍しい名字、その読み方や由来、現在でも多く存在するエリアも合わせてご紹介していきます。
参考図書:難読苗字辞典 新藤正則著 湘南社、47都道府県・名字百科 森岡浩著 丸善出版