1. トップ
  2. 恋愛
  3. 彼氏のスマホに保存された「裸の女性たちの写真」。婚約者に裏切られた女性の、地獄のような数年間を描いた衝撃作【書評】

彼氏のスマホに保存された「裸の女性たちの写真」。婚約者に裏切られた女性の、地獄のような数年間を描いた衝撃作【書評】

  • 2025.3.13

【漫画】本編を読む

入籍直前の婚約者に裏切られた女性の、決断までの日々を描いた『ありがとう、昨日までの彼。 私が婚約者に裏切られるまで』(浅野もね/KADOKAWA)。作者の実体験を元にした赤裸々な感情描写の数々に、ページをめくる手が止まらなくなる。

銀座でホステスとして働く主人公・もね。お客としてやってきた彼氏くんと出会い、結婚に向けて順調な交際を進める。だが入籍直前のある日、彼氏くんの携帯に婚約者を名乗る女性・みなみから電話がかかってきた。話し合いをするも埒があかず、もねは自殺を図り警察に保護されてしまう。

さらに追い討ちをかけるように、彼氏くんは複数人の女性と浮気をし、彼女たちの裸の写真を大量に保存していたことが発覚する。もねは心身ともにボロボロになるが、どうしても彼氏くんと別れることができない。

なぜこんな酷いことをされてまで別れられないのか。大好きな優しい彼がもういないことを信じられない気持ち、自己否定をされたような辛さ。再構築を試みる彼への希望、浮気相手への執着、別れられない自分への嫌悪…。一言では表せないさまざまな想いがもねの中に渦巻き、その葛藤や一進一退の日々が綴られていく。また、時折描かれる幸せだった日々とのギャップも辛く、いつの間にかもねに感情移入してしまう。

数年間の厳しい日々のあと、もねと彼氏くんが選んだ答えとは。

ラストシーンで描かれる景色には、もねの強さを感じ一歩前に進む勇気をもらえるだろう。少女漫画やスカッと漫画のような結末とはまた違う、どこまでもリアリティのある結末を見届けてほしい。

文=ネゴト / fumi

元記事で読む
の記事をもっとみる