香取慎吾が主演を務めるドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第9話が3月6日に放送された。町の再開発の話が持ち上がるなか、一平(香取)と正助(志尊淳)のちぐはぐな会話が繰り広げられ、ほっこりとさせられた。(以下、作品のネタバレを含みます)
“選挙&ニセモノ家族ドラマ” 完全オリジナル作品で新ジャンルのエンタメ誕生
本作は、主人公である“日本一の最低男”大森一平(香取)が、家族を、社会を、そして日本を変えていくために奮闘する姿を笑いあり涙ありで描く、“選挙&ニセモノ家族ドラマ”。今の時代ならではの社会的テーマも毎話盛り込んだ完全オリジナル作品となっている。
志尊淳が“最低男”一平の義理の弟であり、子ども2人を育てるシングルファーザー・小原正助を演じ、その正助の子どもである小原ひまりを増田梨沙、小原朝陽を千葉惣二朗が演じる。
不祥事を起こした元テレビ局の報道マンの一平は政治家への転身を図る
テレビ局の報道マンとして家族のケアを全くしない仕事人間だったが、昭和的な価値観のせいで不祥事を起こし、追われるようにテレビ局を退社した一平。大嫌いだった父親の残した実家に引っ越し、フリージャーナリストを名乗るものの仕事はなく、無職同様のさえない生活を送っていた。
あるとき一平は、衆議院議員・黒岩鉄男(橋本じゅん)の公設第二秘書で、小学校時代からの幼なじみでもある真壁考次郎(安田顕)から助言を受け、政治家への転身を決意。次期区議会議員選挙に当選を目指して人生の再起を図る。
そして、一平の他界した妹・陽菜(向里祐香)の夫であり、2人の子どもを育てながら保育士として働くシングルファーザーの義弟・正助一家を呼び寄せて同居することに。一平には裏で、家事や育児に取り組むことで生活者目線があるところを選挙でアピールするという“最低”な思惑があった。
大江戸区長の長谷川(堺正章)から呼び出された一平は、区役所の移転に伴う再開発計画への協力を求められる。だが再開発の予定地には、一平たちが暮らす家や商店街も含まれていた。
一平「なんでナチュラル~に俺が鬼で、正助くんが福なわけ?」
「泣いた赤鬼」を読んで朝陽を寝かしつけたあと、一平は下に降りてくる。洗濯物を畳んでいる正助に朝陽が寝たことを告げて自分も洗濯物をたたみ始める。正助が「一平さん、何かありました?」と尋ねると「わかるの?」と一平。「当たり前じゃないですか。話したくなかったら全然。何かできることがあったら言ってくださいね。たまには僕にも助けさせてください」と正助が話すと、一平は「ありがとね」とだけ答える。
正助が「来月の節分で学童で豆まきやろうと思ってて。一平さん、鬼お願いします」と続け、一平に正助くんは?と聞かれると「あ、僕は福やります」と言う。「福? 居たっけ? 豆まきに。いないでしょ?」と一平が訝しがり、「そうなんですか。僕、全然、行事がない家で育ったんでわからなくて」と正助が言う。
「そうだとしても、なんでナチュラル~に俺が鬼で、正助くんが福なわけ? 正助くんってそういうとこあるよね。クリスマス会でもさ、ナチュラル~に正助くんがサンタで俺トナカイ」と一平が少しイラッとしながら話すと、正助は「すみません、やりたかったですか、サンタ」と気遣うが、やりたいわけではないと否定する一平。
「今度やるときは一平さん、サンタで、俺トナカイでいいんで、全然」と正助が言うと「いや、言い方。“全然、トナカイ”になっちゃうから」と一平が突っ込むが、「ああ、節分のときも、全然、僕鬼でいいんで」と正助には通じず「いや、だから、福っていたっけって話なの」と一平は苦笑する。正助は「そっか、すいません」と笑い、たくさんの写真立てを見て「また、思い出が増えますね」というのだった。
再開発の話が持ち上がるなか、一平と正助のちぐはぐな会話にほっこりとさせられた。
◆構成・文=入江奈々