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東京メトロ有楽町線の延伸計画で注目…「リーズナブルなのに資産価値が上がる」中古マンションお得エリア

  • 2025.3.12

都心の新築マンションは価格が暴騰し普通のビジネスパーソンには手が届かなくなっている。住宅ジャーナリストの山下和之さんは「中古マンションの価格も上がっているが、場所を選べば手が届く。地下鉄の延伸など利便性の向上で資産価値が上がる可能性の高い地域が狙い目」という――。

※写真はイメージです
新築だけでなく中古マンション価格も上昇が続く

マンション価格の高騰がやまない。新築マンションだけではなく、中古マンションも上がり続けていて、東日本不動産流通機構によると、首都圏の中古マンションの2025年1月の成約価格は5147万円で、1m2単価は81.88万円。m2単価の前年同月比は2020年5月から57カ月連続で上がり続けている。実に5年近く上がり続けているわけで、上昇が始まる前の2020年4月のm2単価は50.88万円だったから、5年近くの間に60.9%も上がった計算だ。

これほど上がっているのだから、本来、居住目的でありながら、資産形成の一環として期待する人が多くなるのも当然のことかもしれない。特に、都心部ほど上昇率が高く、資産価値の大幅な向上が期待できる。先の東日本不動産流通機構のデータは首都圏全体の数値だが、人気の高い都心部ほど価格が高く、上昇率も高くなっている。

2025年1月の首都圏全体のm2単価の平均は81.88万円で、前年同月比の上昇率は7.8%だが、東京都だけでみるとm2単価は112.44万円で、前年同月比は12.1%になり、都心3区(千代田区、中央区、港区)だと219.06万円で、前年同月比は30.8%と格段に上昇率が高くなる。

港区の中古マンション価格は1年で約5割上昇

マンション情報サイトの「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、定期的に全国市区町村中古マンション価格や騰落率(上昇率や下落率)のランキングを作成している。

その2024年12月の70m2換算価格の1年前との騰落率(上昇率)の上位20市区町村は図表1にある通りだ。

最も上昇率が高かったのは、東京都港区の47.87%だった。70m2換算価格が1億7251万円という超高額ながら、1年で5割近く上がっていることになる。こんなに高いマンションは、平均的な会社員では簡単には購入できないが、高額所得者や富裕層などが積極的に購入している。

庶民感覚では高すぎてとても手に負えないが、富裕層からみれば、高くても買っておけばさらに上がるということで、第一義的には居住用とはいいながら、投資的な感覚で買われているのではないだろうか。

出典=ワンノブアカインド「マンションレビュー」
庶民にも手が届いて値上がりが期待できる地域は

70m2換算価格の上位をみると、東京都港区、東京都千代田区、東京都中央区、東京都渋谷区までが1億円超えで、5位の東京都目黒区が9026万円となっている。前年同月比の上昇率をみると、東京都港区の47.87%を筆頭に、東京都中央区、東京都江東区、東京都渋谷区までが年率30%台の上昇で、東京都千代田区も20%台の上昇となっている。

平均的な会社員からみれば、何とも羨ましい話だが、都心の高額物件を取得できる高額所得者や富裕層は、都心の利便性が高く、管理などが充実した高額物件を取得して快適な生活を楽しみながら、高いリターンを得て、ますます豊かになるという構図だ。

では、平均的な会社員は手をこまねいて眺めているしかないのかといえば、そうではないだろう。比較的リーズナブルな価格帯で購入できるのに、高い上昇率が期待できるエリアに目を向けるのがいいのではないだろうか。

先の1年前との騰落率(上昇率)上位20市区町村のなかには、首都圏でも5000万円台、6000万円台までの比較的リーズナブルな価格帯にありながら、年率20%台、30%台のアップ率を記録している市区町村もある。

※写真はイメージです
有楽町線の延伸計画を見越して先物買いも

首都圏以外に目を向ければ、大阪市北区は70m2換算価格が6696万円で1年前との上昇率が41.82%となっているし、大阪市中央区も5870万円で上昇率21.99%となっている。大阪市北区は、JR大阪駅北口の「うめきた」エリアで大規模な再開発が進行しており、大阪の都心に緑豊かな環境のなかで、オフィス、商業、住宅が共存するこれまでにない街づくりが行われている。

それに影響を受けて、周辺のマンション相場も上昇しており、上昇率上位20に、大阪市北区、大阪市中央区、大阪市西区の3区がランクインしている。

首都圏では、東京都江東区が70m2換算価格8230万円で、1年前との上昇率が34.26%と、都心の各区並みの上がり方となっている。江東区は湾岸のタワーマンションのメッカとなりつつあり、タワマンは上層階では億ションが中心になるが、江東区でも既成の市街地には中低層のマンションが多く、比較的手頃な価格帯の物件も少なくない。

トピックスとしては、東京メトロ有楽町線の延伸計画が挙げられる。すでに建設工事が始まっており、豊洲駅から東陽町を経て、都営新宿線・東京メトロ半蔵門線の住吉駅までつながる予定。開業は2030年代の半ばで、新駅も2駅誕生する。交通利便性が高まり、各種商業施設などの開業も見込まれ、マンション価格への影響が期待され、いまからそこを期待して先物買いする手もあるのではないだろうか。

千葉市美浜区は70m2換算価格が3000万円を切る

1年前との騰落率だけではなく、3年前、5年前、10年前との騰落率をみれば、中長期的な視点からの将来性をある程度予測することができるのではないだろうか。たとえば、3年前との騰落率で注目しておきたいのが、千葉市美浜区。70m2換算価格は2896万円と3000万円を切る水準にあるが、3年前との騰落率は43.34%に達している。

美浜区には海浜ニュータウン、幕張新都心などがあり、千葉市のなかでも重要な都市機能を持った区域でありながら、古くからマンション開発が行われており、随所にリーズナブルな価格帯の中古マンションが存在する。価格が安くなる分、リフォームにお金をかければ、最新のマンションに近い居住性を確保できるのではないだろうか。

5年前との騰落率に着目すると、さいたま市大宮区の70m2換算価格が4764万円と5000万円を切る価格帯ながら、5年前との上昇率が72.23%となっている。

大宮駅には、在来線のほか新幹線が乗入れており、駅周辺には商業施設も多く、生活利便性の高いエリアであり、各種の住みたい街ランキングでも上位に挙げられることが多い。リーズナブルな価格帯ながら、こうした将来性のありそうなエリアに住んで、快適な生活を送りながら、マンション価格の上昇を期待してはどうだろうか。

出典=ワンノブアカインド「マンションレビュー」

山下 和之(やました・かずゆき)
住宅ジャーナリスト
1952年生まれ。住宅・不動産分野を中心に新聞・雑誌・単行本の取材、執筆、講演、セミナー講師など幅広く活動。著書に『2017-2018年度版 住宅ローン相談ハンドブック』『よくわかる不動産業界』など。

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