「楽園のカンヴァス」、「本日は、お日柄もよく」などのベストセラー作家、原田マハが、自著「無用の人」を映像化。自ら脚本、監督を務めることが決定した。さらに、原田からのコメントも到着した。
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2006年のデビュー以来、「楽園のカンヴァス」、「暗幕のゲルニカ」など、幅広いアートの知識とキュレーターの経験を生かした作品をはじめ、多くのベストセラーを世に送りだしてきた作家、原田。映画『キネマの神様』(21)、『総理の夫』(21)、そして今年の夏には伊藤沙莉主演の『風のマジム』が劇場公開されるなど、多くのファンを持つ原田の著作はこれまで幾度も映像化されてきた。そんな原田が、2014年に刊行した短編集「あなたは、誰かの大切な人」に収録された一編「無用の人」を原作に、自らオリジナル脚本を執筆、メガホンをとり、今回物語世界の映像化に挑んだ。
「無用の人」は、主人公、聡美が監視員として勤める美術館に届いた謎の「鍵」をきっかけに、ひと月前に孤独死した父との記憶をたどり、家族でさえ知らなかった父の晩年の姿が次第に明かされてゆく感動の人間ドラマ。なんの取り柄もなく、家族からも社会からも見捨てられ、ひとり静かに死んでいった父が「愛したもの」が描かれていく。
監督を務めた原田は「私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください」とコメント。本作は4月に撮影開始、公開は2026年を予定している。
優しく芳醇な言葉で綴られた父と娘の物語が、原田自身の手によってどのような映像に生まれ変わるのか?続報に期待したい。
<監督コメント>
●原田マハ(監督)
「『まるで映像を見ているようだった』読者の方々からよく言われます。映像を追いかけるように文章をつづる、そうやっていくつもの物語を書いてきました。そして、いつか自作を自ら映像化してみたいと心ひそかに願っていました。作家になってまもなく20年、ついにその機会が訪れました。私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください」
文/鈴木レイヤ