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抽選に当たれば8割の確率で儲かる…「新規公開株」の当選勝率を上げるためにFPが実践している簡単な方法

  • 2025.3.12

IPO株は儲かる可能性が高いが購入は抽選になるため、なかなか当たらない。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「裏技はないが当選しやすくする方法はある。それを続けることで私は500万円の利益を確保した」という――。

ラップトップで空白の画面を見る若者
※写真はイメージです
東京メトロ株で20万円以上の儲け

昨年10月23日、東京地下鉄(メトロ)が上場したことは、記憶に新しいかと思います。その知名度は言うまでもなく、超巨大かつ超安定企業で配当金も高く、NISA口座にうってつけ。また、機関投資家・外国人投資家からの人気も高く、大注目の中での新規上場でした。

その上場当日、私はパソコン前で、初値(上場直後につける株価)がいくらになるか、固唾をのんで見守っていました。なぜなら、私はその東京地下鉄の株式を、上場前に500株入手しており、すぐさま、初値で売却するつもりだったからです。

ちなみに、入手した際の公募価格(上場前に購入できる株価)は1200円。その初値がいくらになるのか……ドキドキ、ワクワクしていました。

これはいわゆるIPO(新規公開株)投資といわれるもので、新規に上場する株式を、上場前に公募価格で入手して、上場直後につけた初値で売却する投資法です。これは知る人ぞ知る投資法で、私のようなIPO投資愛好家は少なくありません。

そして、その注目の初値は1630円と、公募価格を3割以上上回る結果となりました。そして私は、この東京地下鉄のIPO投資により、20万円以上の利益を手にすることができたのでした。

IPOは約8割の確率で儲かる?

一般に、新規に上場する株式について、その公募価格は、(実際の企業価値に対して)低めに抑えられる傾向にあります。ですので、上場直後につける初値は、その公募価格を上回るケースが多くなっています。

ちなみに2024年には86社が新規上場しましたが、そのうち初値が公募価格を上回った銘柄は64社と、4社に3社の割合となっています。中には、光フードサービス(公募価格2660円⇒初値5850円)やイシン(公募価格1080円⇒初値2234円)のように、公募価格の2倍以上の初値をつける銘柄もありました。

すなわち、上場前に、公募価格で入手することができれば、儲かる可能性は高いわけです。そのためには、取り扱いをしている証券会社に申し込むことになりますが、当然、とくに人気のある銘柄については申し込みが殺到します。ですので、多くの証券会社では、抽選が行われます。

当選倍率は数百倍の狭き門

もっとも、VIP顧客や強烈なコネを持つ人は、証券会社(担当者)の裁量で、抽選とは別枠で入手できるルートもあるようですが、これは極々、ほんの一握りの投資家の入手ルート。

ほとんどの投資家は、抽選での入手を目指すこととなります。しかし、その当選倍率は数十倍、数百倍とも言われており(銘柄と取り扱い証券会社によって異なる)、当選するのは至難の業なのです。

ですので、IPO投資に大きな期待を抱いて抽選に申し込むも、10回連続、20回連続での外れは当たり前、100回連続外れもザラです。一度も当選したことがない(上場前に公募価格で入手できたことがない)人もたくさんいます。

そして、そのあまりのハードルの高さにうんざりしてしまい、IPO投資から離れていってしまう人は後を絶ちません。

東京メトロに当選できた理由とは?

しかし私は、冒頭で書いた通り、東京地下鉄を500株も入手しておりました。なぜ、入手困難とされる新規公開株を、しかも、注目の東京地下鉄を、私は上場前に、公募価格で入手できたのでしょうか?

私はVIP顧客でもなければ、強烈なコネがあるわけでもなく、ごく標準的な、一個人投資家です。ですので、もちろん、抽選に申し込んで当選して入手したわけです。ということは、抽選に当選するための、なにか裏技でもあるのでしょうか?

いえ、残念ながら、裏技はありません。私はただひたすら、抽選に申し込み続けた、それだけです。ただ、当選するための裏技はありませんが、当選するためのコツはあります。

それは、できるだけ当選確率を上げること、すなわち、できるだけ「手数」を増やすことです。

誰にでもできる、当選確率を上げるための方法

新規公開株の抽選は、1つの銘柄毎ではなく、(その銘柄を取り扱う)証券会社毎に抽選がなされます。銘柄によって、取り扱う証券会社の数は異なりますが、銘柄によっては10社以上の証券会社が取り扱うこともあります。

ですので、できるだけ多くの証券会社に口座を開設して、複数の証券会社に申し込みをすることで、当選確率を上げることができるのです。さらには、家族名義の口座を作って、複数の名義から申し込むことで、当選確率を上げることができます。

また、多くの証券会社は、資金量に関係なく1名義につき1票ですが、中には、(上限はありますが)資金量に比例して当選確率が上がる証券会社もあります。ですので、そのような証券会社にできるだけ資金を入れておくことでも、当選確率アップにつながります。実際、私は限られた資金を、そのように振り分けております。

このように、当選確率を上げるための方法は、誰にでもできることばかりです。そして私は、それら当選確率を上げるためのことをひたすらやり続け、そして、ひたすら抽選に申し込み続けているのです。

青い背景の上のゴールドカップに落ちるカラフルな紙吹雪
※写真はイメージです
申し込み作業をルーティン化して、累計500万円の儲け

ただ、それだけ努力しても、数カ月間まったく当選がないことも珍しくなく、心折れそうになることもあります。なので、抽選の都度、ドキドキ・ワクワクしていては、気持ちが持ちません(ほとんどが落選なので)。

そこで私は、心を無にして、淡々と申し込み、そして当選確認作業をこなすようにしています。私の場合、取引のすべてがネット証券、もしくはネット取引なので、すべてはネットでの作業となることから、それらは機械的なルーティン作業と捉えています。

当選するためのコツが、(前述の、当選確率を上げる努力以外に)もう一つあるとすれば、それは、どれだけ落選が続いても、心折れずに、決してやめない、諦めないことです。そのためにも、心の負担が少なくなるよう、ルーティン化したわけです。

その結果、東京地下鉄だけでなく、2024年は他にもトライアルHD(公募価格1700円⇒初値2215円)、カウリス(公募価格1530円⇒初値2875円)、タイミー(公募価格1450円⇒初値1850円)、ビースタイルHD(公募価格2070円⇒初値3325円)にも当選。

IPO投資での年間利益は、合計50万円以上となりました。そんなIPO投資を私はコツコツ20年近く続けており、累計500万円以上の利益となっています。これは、何か特別なことをした成果ではありません。

ただただ、「手数を増やす」「諦めない」をモットーに、ひたすら抽選申し込みを続けた成果です。IPO投資をするも(抽選に申し込むも)まったく当選せず、うんざりしている人、諦めてしまった人にとって、少しでも希望になれば幸いです。

ハズレが当たることもある

ところで、すべての新規公開株の初値が、その公募価格を上回るわけではありません。中には、初値が公募価格を下回る、いわゆる「公募割れ」も少なからずあるのです(2024年は、全86社中19社と、全体の2割程度)。なお、公募割れ(の可能性の高い)銘柄は、IPO投資においてはハズレ銘柄と言われます。

たとえば、2024年に上場した、半導体・フラッシュメモリー大手のキオクシア。東京地下鉄に次ぐ大型案件ということで注目銘柄でしたが、公募価格1520円に対して初値は1440円と、残念ながら、これはハズレ銘柄でもありました。

実は、私はこのキオクシアにも当選していました。そして他にも、マテリアルグループ(公募価格1180円⇒初値1085円)、ガーデン(公募価格3200円⇒初値3060円)、タウンズ(公募価格460円⇒初値430円)など、わりと多くのハズレ銘柄にも当選していたのです。

残念ながら、IPO投資では、(初値が公募価格を大幅に上回るような)有望銘柄よりも、ハズレ銘柄に当たる可能性が高いのです。なぜなら、ハズレ銘柄は不人気ゆえに申し込みが少なく、当選確率が高くなるからです。

ですので、もし当選しても、すぐに購入してはいけません。当選したら、まずは、それがハズレ銘柄でないかどうか、入念に調べる必要があるのです。そして、それがハズレ銘柄であると分かったら、思い切って購入辞退することも必要なのです(当選しても、辞退することはできる)。

実際、私は当選したハズレ銘柄は、そのほとんどを辞退しております。では、公募割れの可能性が高い「ハズレ銘柄」を見抜くには、どうすればよいのでしょうか?

複数の初値予想サイトで調べて判断

一般に、「大型案件」「大株主に外資系ファンドがいる」「事業内容が地味」などは、ハズレ銘柄の可能性が高いとされていますが、それを正確に見極めるのは困難かつ大変な作業です。

そこで、ハズレ銘柄の見極めには、私は「IPO初値予想サイト」を活用しています。たとえば、「○○(銘柄名) 初値予想」と検索すれば、多くの予想サイトがヒットします。

検索上位にヒットするものであれば、(個人ブログであっても)かなりの情報量と分かりやすさで、その銘柄をしっかり分析したうえで、初値の予想金額を示してくれているので非常に参考になります。

多くのサイトをチェックして平均金額を割り出す

とはいえ、あくまでも予想なので、それを100%信じることはできません。中には、「東京地下鉄の初値は3000円だ!」などと、極端な金額を示しているサイトもありました。しかし、基本的には予想サイトの精度は高く、多くのサイトを見て、その予想金額の平均を割り出せば、ほぼ「正解」を割り出せると思ってよいでしょう。

なお、私が当選した前述のハズレ銘柄については、ほとんどの予想サイトで、その予想初値は公募価格を下回っておりました。そこで、これはヤバいと確信し、そのすべてを辞退したのでした。

そして、辞退した銘柄は、すべて公募割れ。あらためて、予想サイトの精度を実感した次第でした。ちなみに、東京地下鉄については、超大型案件ゆえに、購入するにあたっては一抹の不安もありました。

実際、ネット上には「成長の余地なし、将来展望なし、公募割れ確実!」みたいな書き込みもあり、迷いがあったのも事実です。

しかし、多くの予想サイトを調べた結果、そのほとんどは「公募割れはまずないだろう(初値は公募価格の2~3割増程度)」との評価であり、安心して購入したわけです。

辞退するのなら、そもそも、なぜ、申し込むのか?

ところで、「当選しても辞退するのなら、そもそも、最初から申し込むなよ」と思われたかもしれません。あらかじめ予想サイトでしっかり調べて、公募割れの可能性が高い銘柄には、最初から申し込むなよということですね。

たしかに、予想サイトの精度はかなり高いので、事前に、ハズレ銘柄を割り出すことは可能でしょう。とはいえ、1つ、2つ程度のサイトの情報を鵜呑みにするのは危険なので、最低でも10以上のサイトはしっかり確認する必要があります。

となると、それなりの時間・労力はかかるわけで、年間100銘柄近くが上場する中で、その1つ1つの銘柄について、そもそも当選するかどうかわからないのに(というか、ほとんどが落選する)、そこまでやってはいられないというのが現状なのです。

ですので、私は、まずはルーティン作業として、ひたすら抽選申し込みをします。これはハズレ銘柄だろうな、と薄々感じる銘柄であっても、申し込み時点では吟味はせずに、とりあえず申し込みます。

そして運よく当選すれば、そこであらためて、その当選銘柄について吟味するという段取りです。当選など年に数回程度ですから、その分、しっかり調べることができるわけです。

お祭りに参加するノリで、大型案件だけでも

ちなみに、大型案件の募集株数は多いので、比較的、当選が見込めます。東京地下鉄はまさにその典型例なわけですが、過去には、日本郵政グループ3社(日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命)も超大型上場で話題となりました。なお、そのときも私は複数単位当選し、合計30万円ほどの利益を上げております。

ですので、すべての銘柄に申し込むのは面倒という人は、そんな大型案件だけでも申し込んでみるのもよいでしょう。大型案件は知名度も高く、世間でも話題となることが多いので、お祭りに参加するノリで楽しむのもアリかもしれませんね。

もっとも、前述のように、キオクシアなど、大型銘柄は(需給悪化の懸念のため)ハズレ銘柄である可能性も高いので、当選後の調査は欠かせませんが。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー
1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。

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