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30代の女性に増加中?「子宮がん」の種類と原因

  • 2016.4.17
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女性特有の疾病は色々ありますが、やはり気になるのは“がん”。筆者の周りにもがんを経験した人が多くいます。

女性がかかりやすいがんの上位にランクインしているのが“子宮がん”。ご存知の方も多いかとは思いますが、子宮がんには“子宮頸がん”と“子宮体がん”の2種類があります。

今回は予防医療推進協会の理事長も務める筆者が、この2つの子宮がんについてご紹介します。

 

■子宮頸がん

子宮頸がんとは子宮の入り口付近にできるがん。以前は40代~50代が最も多いとされてきましたが、近年ではアラサー女性の発症も増加しています。

他のがんと大きく違う点が1つ。それは原因がはっきりと特定されているということ。

子宮頸がんの原因の90%以上は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスによるものなのです。

●HPV(ヒトパピローマウイルス)とは

HPVは皮膚や粘膜を通して感染するウイルスで、その種類は現在確認されているものだけでも約80種類、実際には100種類以上あると考えられています。しかしその全てががんの原因になるわけではなく、そのうちの約15種類が子宮頸がんを引き起こすとされています。

中でも発がん性が高いといわれているのが、HPV16型とHPV18型と呼ばれているもの。子宮頸がんを発症した20代~30代の女性の約75%が、このウイルスに感染しています。

●子宮頸がんはパートナーをコロコロ変えるとなりやすい!?

ただ、HPVはそれほど特別なウイルスではなく、性交渉の経験のある女性であれば約80%が生涯でいずれかのHPVに感染するともいわれています。

そのなかで、実際に子宮頸がんを発症するのはわずか約0.15%とされていますが、パートナーをコロコロ変える女性や、浮気性のパートナーがいる女性は、発がん性の高いHPV16型や18型に感染するリスクが高まるので、注意が必要です。

 

■子宮体がん

“子宮内膜がん”とも呼ばれているのが子宮体がんで、子宮内膜にがんが生じます。以前は子宮頸がんに比べて発症する人は少ないといわれていましたが、1999年頃から増加し、現在は子宮がん全体の40%ほどを占めています。

アラフォー世代から発症者が増え始め、閉経後の50代~60代に最も多いといわれています。

●子宮体がんの原因

女性ホルモンの中には、美と健康に欠かせない“エストロゲン(卵胞ホルモン)”と“プロゲステロン(黄体ホルモン)”というものがあり、両者のバランスが大切。

通常、エストロゲンの作用で子宮内膜は増殖し、プロゲステロンの作用が加わって分化。その後2週間ほどで剥離し月経を迎えます。

排卵がうまく出来ないなどで子宮内膜がエストロゲンによって刺激を受け続けると、子宮内膜増殖症という子宮体がんの母体をつくってしまいます。

これに肥満や未産などが加わると、子宮体がんのリスクが高くなります。

仕事の忙しさやストレスから、月経不順を起こしている女性は意外と多いです。しかし、月経不順をそのまま放置していると、上記の理由から子宮体がんの発症率が高くなってしまいます。

 

“恥ずかしい”、“忙しい”を理由に敬遠しがちな婦人科検診ですが、早期発見できれば治療も短期で済み、その結果、日常生活への支障も少なくなります。

自分の身体をよく見つめて、“甘やかす”のではなく、本当の意味で“労わって”あげて下さいね。

【参考】

子宮がん検診のすすめ – ガン情報サービス
HPVとは – allwoman.jp 
【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

【筆者略歴】

※ SAYURI ・・・ 長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ sheff /shutterstock

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