志田彩良と伊武雅刀がW主演を務める「こんなところで裏切り飯〜嵐を呼ぶ七人の役員
」(毎週水曜深夜0:29-0:54、中京テレビ・日本テレビ系※TVerでも配信)が現在放送中。本作は、豪腕社長・榊原総一朗(伊武)の秘書・小野寺真理子(志田)が予想を裏切り、期待を超える美味しさの「裏切り飯」を紹介するハートフルグルメコメディー。
このたび、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める池田京平氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。
全国版は「正直不安でした」
――2024年にローカルで「こんなところで裏切り飯」が放送されてから、続編を制作しようと思い立ったタイミングはいつ頃ですか?
一年ぐらい前ですかね。前作のクランクアップ時にチームの団結力が凄まじく「また集まれたらいいよね」と皆で話しながら撮影に挑みました。今の時代、一話を視聴してくれる方は多いけれど、二話以降は視聴数が減少していく傾向の中、このドラマは回を重ねるごとに配信を見てくれる人が増えて。最初はそんなにリアクションも大きくなかったけれど、ゆっくりゆっくりファンが増えていく実感があって、最終回の放送を終えた後に「チャンスがあったらSeason2をやりたい」と思ったのがきっかけです。
――全国版になって不安はありましたか?
正直不安でしたし、全国版にするにはパワーアップする必要があるなと思いました。他局ですが、僕の好きな「孤独のグルメ」(テレ東)や「居酒屋新幹線」(MBS)も登場人物が少ないし、おひとり様が癖になるようなドラマがいいかな…とも思ったけれど、ファンを増やすには新たな登場人物たちが必要だと感じたので、新たな要素を足した企画書を作りました。
――登場人物を増やす、以外に続編を制作するにあたって意識した部分やこだわった部分はありますか?
ローカル版では、社長と真理子のバディーモノだったんですけれど、そこに社長を裏切ろうとする役員たちが出てきて回を重ねていくごとに味方をつけていく展開は、物語の雰囲気や大きな流れを作った軸になったと思います。
本作の魅力は「丁寧なリサーチ」
――数々のグルメドラマが増えてきている中、改めて「こんなところで裏切り飯」にしかない魅力を教えてください
“追体験”だったり、“おかわり”する要素がハマると思っていて。8話で三重・松阪市に真理子たちが行くのですが、松阪っていったら松阪牛がもちろん有名じゃないですか。一般の人からしたら焼き肉って牛のイメージがあるけれど、松阪市民にとっては焼き肉って言ったら、牛ではなく、鶏なんですって。だから今度、松阪市に行ったら、鶏の焼き肉を食べる体験をしてみようかなって思えるのは、このドラマの魅力だと思います。
武器でいったらお店のリサーチとか、どこのお店を出すかとか、裏切るっていうワードがあるから何に対して裏切るのか、横浜の中華街なのに、沖縄料理を出したり…とか、色んな裏切り方のパターンがあるんですけど、そこを丁寧にリサーチしているのは強みかなと思います。
――実在するお店を舞台としておりますが、店主の方々は役者さんでしょうか?
せりふが多いとキャストさん、少なければ実際の店主さんにお願いしています。9話で宮城・石巻市のハンバーガー屋さんが出てくるんですけれど、そこは店主さんご本人に登場してもらいました。それは、本作のストーリーとしても、なぜ店主さんがそこでお店を出そうと思ったか、っていうのが話のキーになっているので、ご本人に話してもらいたいなと思い、お願いしました。
前田拳太郎の魅力は「ギャップ」
――今作から加わった、前田拳太郎さんの起用理由を教えてください
今作ではクールだった真理子に少しずつ人間味が出てくるんですよね。その中で、ちょっと違ったベクトルのクールな子が入って、その子が感化されていくっていうのは、ストーリーの厚みを持たせるのにすごくいいかなと思ったんです。
前田くんはお芝居が上手だし、普段カメラが回っていないところでもおしゃべりで、すごく可愛らしい感じなんだけど、カメラが回るとしっかり演じてくれて「ああ、この人でよかったな」って率直に思いました。
――新庄が真理子に恋愛感情を持っている要素は、意図して制作に加えたのでしょうか?
このドラマをどこまで崩すか、っていうのは人それぞれだと思うんですけれど、二人のこれからを期待する見方も一つありますよね。楽しみ方として幅が広がって、一個追加できたのは良かったかなと思います。主演の二人が恋に落ちるわけにはいかないのでね(笑)。
――前作と比べ志田さん、伊武さんの座長ぶりはいかがでしょうか。また撮影現場の雰囲気は、前作と今作で違いはありますか?
前作とほぼ同じスタッフなんですよね。キャストでは前田くんが加わったけれど、衣装さんとか、メークさんとか、チーム全体が本当に仲が良いし、伊武さんと志田さんってめちゃめちゃ仲良しなんですよ(笑)。
志田さんがすごく気が遣える人で、楽しい雰囲気を作ることができるムードメーカー的な存在で。そして周りがとても見えているので、前田さんも受け入れてもらいやすかったのかもしれないですね。
伊武さんは芸能界の中では大御所ですけれど、すごくお茶目で可愛らしくて、志田さんとのオフのやり取りをもっと皆さんに知ってもらいたいです。
志田さんと前田さんの交流に「微笑ましい一面が見えた」
――撮影中の印象的なエピソードを教えてください
志田さんってカメラが回っていない時に、撮影で出てきたご飯を全部食べるんですよ。普通、自分の食べるシーンのところだけ食べたら終わりだと思うんですけれど、大皿も完食して、昼のお弁当とかも普通に食べているし、食いしん坊な一面があります(笑)。
そして食べ方が本当に綺麗。多分普段から姿勢がいいんですよね、育ちがいいんだと思うんですけれど上品で。9話以降、新庄が食レポに挑戦するシーンがあるのですが、前田さんが志田さんに、上手に見える食べ方を冗談半分で教えてもらっていたのは、見ていて微笑ましかったですね。
やっぱり見せ方として綺麗な食べ方ってあるんですよ。箸を口の中に何パーセント入れたら上手に見える、とか、どの角度だったら美味しそうに見える、とか。志田さんは前作からやってきていらっしゃるし、自分でも研究してると思うんだけれど、画が美しく見えるから、グルメドラマに初出演の前田さんにとって、すごく勉強になったと思います。
――食レポが豊かで繊細で非常に丁寧だと感じるのですが、どう脚本を書いているのでしょうか?
ディレクター、監督、助監督のチームがお店のロケハン・リサーチにまず行きます。そしてその話を聞いた作家さんが味の想像を膨らませてくれる感じですね。こういうことを言いたいっていう演出をアシストしてくれるのが、作家さんかなって感じ。ちなみに僕は3話の餃子回の食レポが一番好きです(笑)。
最終話に向けての見どころ「社長が危機に…」
――最終回に向けての見どころと、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします!
今後、元気になった社長が辞職しようとする危機があって、それを周りがどう救うかが見どころになってきます。この逆転劇部分と新庄&真理子の関係も含め、気になるところが色々と出てくるので、楽しんで見てもらえたらなと思います。
そして今回は北関東を中心に関東近郊のお店も結構出てきているので、そこも見どころです。話がどんどん繋がり、今後さらにSeason3の放送が実現するよう、たくさんの方の目に触れるよう頑張りたいです!