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サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

  • 2025.3.11
サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

Text by 石井彰(編集部)

サッカーにおいて優れた知性は大きな武器になるものだ。アスリートとしての身体的な能力や、技術的なテクニックのレベルが上がっている現在においても、選手としての大きな差をつける部分は頭脳である。

それは巧みなポジショニングや読みで表現されることもあれば、ピッチ内でのずる賢さで出ることもあれば…今回は『Givemesport』から「サッカーの歴史上最も狡猾な選手たち」をご紹介する。

セルヒオ・ブスケツ

サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

国籍:スペイン

所属した主なクラブ:バルセロナ、インテル・マイアミ

セルヒオ・ブスケツはバルセロナ時代、中盤をほぼ完璧に支配する能力で知られていた。後方からの長短のパス、リズムを作る動き、そしてチーム全体を俯瞰しているようなバランス感覚。

しかし、彼のプレースタイルを語る上で、パスや視野の広さに勝るとも劣らないほどに重要だったのが、「戦術的なファウル」だ。彼はチームを救うために汚れ役を務めることができた選手でもあった。

さらに、逆にファウルをもらうために大げさなリアクションを取るのも得意だった。相手に囲まれたときや試合を落ち着かせたい終盤では、わざと派手に倒れてレフェリーを騙し、ファウルを獲得することもしばしば。さらに、その後すぐに立ち上がってニヤリと笑ったり、冗談を言ったりした。それもブスケツらしい狡猾さが光るプレーだった。

セルヒオ・ラモス

サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

国籍:スペイン

所属した主なクラブ:セビージャ、レアル・マドリーなど

セルヒオ・ラモスは、退場処分を受ける寸前のところで踏みとどまるのが非常に得意な選手であった。

相手の攻撃を止めるために必要最低限のファウルを巧妙に使い、試合終盤にはふざけた行動やダイビング、時間稼ぎ、さらには相手選手や監督、ファンを挑発するプレーをすることも厭わなかった。

最も悪名高いのは、2018年のチャンピオンズリーグ決勝でモハメド・サラーの腕を引っ張った場面だ。意図的とも思えるようなプレーでリヴァプールのエースを傷つけることになった。その結果、サラーはサイドラインからレアル・マドリーの優勝を見守ることになった。

とはいえ、さまざまな論争を呼ぶ評価があったとしても、ラモスのリーダーシップと試合を読む目、何があっても勝利を導く強さは間違いなく本物だった。

ルイス・スアレス

サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

国籍:ウルグアイ

所属した主なクラブ:リヴァプール、バルセロナなど

ウルグアイ出身のストライカー、ルイス・スアレス。かつてリヴァプールやバルセロナの選手として活躍した彼は、サッカー界のダークヒーローであると言っても過言ではない。

その代表例は、2010年ワールドカップでのガーナ戦で起きた悪名高い「意図的なハンド」だ。スコアが1-1と拮抗する中で、ガーナの決定的なシュートが放たれた。しかし、スアレスがライン際で手を使ってボールを跳ね返したことで、試合の流れが一気に変わった。

この行為でスアレスは退場処分を受けたが、ガーナがそのペナルティキックを外し、試合はPK戦に突入。最終的にウルグアイが勝利し、ワールドカップ準決勝進出を果たした。

スアレスは常に限界を押し広げ、勝利への意欲でルールの枠を超える行動を見せた。そして、ブラニスラフ・イヴァノヴィッチやジョルジョ・キエッリーニへの噛みつき行為など、フットボールの倫理と対立するような瞬間もあった。

ヨハン・クライフ

サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

国籍:オランダ

所属した主なクラブ:アヤックス、バルセロナ、フェイエノールトなど

ヨハン・クライフは、サッカー史上最高の頭脳の一人であり、極めて才能豊かな選手でもあった。

1970年代の段階で、ディフェンダーを翻弄するための囮となるような走り方や、最終ラインとミッドフィルダーの間を巧みに動くポジショニングの基礎を作り出し、今のサッカーに通じる戦術の流れを作り出した。

そして、80〜90年代にはリヌス・ミケルス監督から学んだ「トータル・フットボール」をバルセロナで再現し、「ドリーム・チーム」と呼ばれる黄金時代を作り上げた。彼の哲学は時代を超越したもので、現代のサッカーは彼の知性なくして生まれることはなかっただろう。

また、彼の代表的な技「クライフターン」は、今でもよく見かけるトリックの一つだ。クライフのような伝説的な存在は、まさにサッカーの精神を体現しているといえる。

ディエゴ・マラドーナ

サッカーの歴史上「最も狡猾だった」選手たち、5選

国籍:アルゼンチン

所属した主なクラブ:ナポリ、バルセロナ、ボカ・ジュニオルスなど

ディエゴ・マラドーナは「サッカー史上最も狡猾な選手」といっても過言ではない。彼は高いフットボールIQと「光と闇の技」を駆使してプレーしていた。

1986年のワールドカップ、イングランド戦での伝説的な「神の手」ゴールは、サッカー史上最大の「狡猾な瞬間」として今なお語られている。しかしそれと同じ試合で圧巻の「5人抜きゴール」を叩き込み、その光の技をも見せつけた。

マラドーナは、ルールを曲げる、レフェリーを操る、相手に心理戦を仕掛けることも厭わず、技術以外のあらゆる手段を使って自分に有利な状況を作り出す方法を心得ていた。

トリッキーなプレースタイルに加え、彼のリーダーシップとストリートで鍛えられた直感。それが彼をサッカー界の象徴たる存在に押し上げたのだ。

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