1. トップ
  2. おでかけ
  3. 「高級ホテルに変更したからキャンセルで♡」義両親の古い旅館を見下す同級生。お望み通り取り消した結果

「高級ホテルに変更したからキャンセルで♡」義両親の古い旅館を見下す同級生。お望み通り取り消した結果

  • 2025.3.19

大学卒業後、私は大学時代から付き合っていた男性と結婚。その後、夫の両親が経営している老舗旅館で働き始めました。そこへ、義両親の旅館を「ボロ旅館」とバカにする同級生から「慰安旅行の予約を取りたい」と連絡が来たのです……。

その同級生は地元でも名の知られた企業に就職したそう。そのことを鼻にかけ、「どうせあんたは就活で失敗して、仕方なく旦那の実家を手伝ってるんでしょ?」と、相変わらず私のことを見下してきました。

そして、「今どき旅館なんて誰も泊まらないだろうし、すぐ潰れちゃうだろうけど、同級生のよしみで助けてあげるわ」「慰安旅行の幹事を任されてるから、あんたの義実家のボロ旅館にしてあげる」と言い出した同級生。

しかし、義実家の旅館はとても小さな旅館。常連のお客様を優先していることもあり、「ごめんね、団体予約はすぐに回答できなくて……」「とくに新規の団体様は慎重に検討させてもらってるの」と返したのですが……?

注文の多い同級生

「ふざけんじゃないわよ!この私がわざわざ泊まってあげるって言ってるのよ!?」「しかもうちの会社はエリートだらけ!ボロ旅館のくせに客を選んでるんじゃないわよ!」と同級生は激怒。

私は「とにかく、私の独断での受け入れは無理なの!」と言って、電話を保留にして、宿泊客の管理をしている義母のもとへ。

高校時代のいざこざを義母に伝えたけれど、「この仕事は結局のところ、人と人との縁なのよ」「その方がどんな気持ちで予約を入れたにせよ、来てくださるお客様一人ひとりに最高のおもてなしをするのがうちのやり方だからね」「常連さんたちには日程をずらせないか聞いておくから、引き受けてあげなさい」と意外にもすぐにOKを出してくれました。

慌ただしく電話のもとへ戻り、同級生に予約を受けることを伝えると、「へぇ、結局受けるんだ?」「本当は予約ガラガラだったくせに、もったいぶって……」「やっぱりボロ旅館は集客に必死なのね!目先の売り上げ気にしないといけないなんて、大変ねぇ」と同級生。

そして、「こっちは客なんだから、立場をわきまえて気合入れて準備しなさいよ」「私の上司も、気になってる先輩も参加するんだから!」「この慰安旅行を成功させたら、私も社内で一目置かれるはず……絶対に失敗できないんだからね!」と前置きして、とんでもない注文を付け始めたのです。

「まず、お部屋は全部オーシャンビューで準備して」「それと、温泉は21時以降は私たちの貸し切りにして!他の客は全員断って!」「あと、先輩が魚アレルギーだから料理は全部肉メインで!お酒も一流のものを用意して!日本酒もワインも1本3万以上のものじゃないとダメだからね!」

「え、えっと、それはちょっと難しいかも……」と言うと、「はぁ?客に向かってなによその態度は!」「聞けないなら『対応最悪の最低旅館』って口コミに書くからね」と脅してきた同級生。

先ほどの義母の言葉を思い出しながら、「できる限りご要望にお応えします……」と絞り出すと、ようやく同級生は満足したように「期待してるわ」と言ったのでした。

同級生の非常識な当日キャンセル

そして、同級生が勤める会社の慰安旅行当日――。

部屋の調整、そして人数分の浴衣や特別な食材もすべて用意済。到着は今か今かとそわそわしていると、同級生から電話がかかってきました。

「高級ホテルに変更したから20人分の予約はキャンセルでw」

「やっぱり大切な上司たちをボロ旅館に泊めさせるわけにはいかないじゃん?w」

「かしこまりました!」

「は?」

「やっぱりうちぐらいの企業になると、超高層階からの夜景とか、スパとかプールとか、そういう高級ホテル泊まるべきだよね!」「キャンセル連絡は入れ忘れてただけ!むしろ連絡してあげただけありがたいと思いなさいよね」とどこまでも失礼な同級生。

「ボロ旅館なんてこれを機に畳んじゃえば~?」「どうせもうほとんど客なんて来ないでしょ」とまで言われて、カチンときた私。

「いや、潰れることはないかな」「これでも年間予約率9割超えなんだよね」「そんななか、あなたの顔を立ててわざわざ常連様たちの予約を調整したんだけど……まぁ『連絡を入れ忘れた』なら仕方ないよね?」

しばらくの間、同級生は無言でした。しかし、すぐに「ちょ、ちょっと待って……本当にそんなに予約が入るの?」「あんたの義実家の旅館、口コミ評価4.9って……知る人ぞ知る隠れた老舗旅館って……!?」と慌て出しました。おそらく、今さらになって調べたのでしょう。

「キャンセルってことで受理するね」「当日キャンセルだから、規約通りキャンセル料は100%いただきます」と言うと、「ちょ、冗談でしょ!?友だちにキャンセル料請求するっていうの!?」と同級生。

「予約のときに『こっちは客なんだから』って、あなた自身が言ったんじゃない」「お客様として扱う以上、特別扱いはしません」

「ど、どうしよう……キャンセル料、会社のみんなになんて説明しよう……」「こんなの、絶対許してもらえない……」と震えた声でつぶやく同級生に、「支払期限は1週間だから、絶対に守ってね!」「それじゃ、引き続き慰安旅行楽しんで!」と言って、私は電話を切りました。

人を馬鹿にし続けた同級生の末路

1時間後――。

「ねぇ、お願い!今から20人宿泊ってできる!?最悪半分の10人だけでも……いや、部長だけでもなんとか、お願い!」と再び同級生から連絡が来ました。まさかそんなお願いをされるとは思わず、「え?急にどうしたの……?」と私はきょとん。

「それが……『旅館だって聞いてたのに、なんでホテルなんだ』って雰囲気がすごく悪くなっちゃって……」「とくに部長が『高層ビルのホテルなんて、出張のときに散々泊まってるじゃないか』『せっかく旅館でのんびりできると思ったのに』って文句言ってるの」「それに、部長が実はその旅館のファンらしいのよ!だからお願い!どうにか部長だけでも受け入れてくれないかな!?」

「大変申し訳ございませんが、もうそちらの企業様からの予約は受け入れないこととなりましたので、そういったお願いを聞くことはできません」「何卒ご理解くださいませ」と仕事モードで返した私。

「ちょ、ちょっと待ってよ!私たち友だちでしょ!?」「キャンセルのことは謝るから、なんとかしてよ!」と電話口で喚く同級生。しかし、同級生の勤める企業は、義父の判断によりブラックリスト入り。うちの旅館を見下して好き勝手に振る舞うような相手とは、これ以上関わるべきではないと判断したのです。代表である義父の判断は、覆せません。

「ふざけんな!『接客最悪、予約を断られたし、態度が横柄』ってネットに書いてやる!」と、またも脅して言うことを聞かせようとしてきましたが、私も毅然とした態度で「虚偽の口コミを投稿された場合は、うちも出るところに出ますからね」「これでも代々続く老舗旅館なので、そういったトラブルに備えて顧問弁護士もおりますし」と返しました。

「こちらはキャンセル料を支払っていただければもう結構ですので」「慰安旅行として予約をいただきましたので、請求書は会社宛にお送りしました」と伝えると、「それだけはやめて!お願い!」「私の独断で宿泊先変更したの、誰も知らないし!なんて説明したらいいかわかんないし!」「キャンセル料は私が責任を持って支払うから!会社には送らないで!」と同級生は叫んでいました。

その後――。

請求書のこともあって、同級生は会社での立場を失い、左遷されたそう。

しかし、それからもうちに嫌がらせのように電話をかけてきた同級生。そこで、私は「これでもかなり多めに見てあげてるんだよ?なんだったらあなたの家族全員ブラックリストに入れたってよかったんだから」と伝えることに。

実は、彼女の祖父母は旅館の常連客。ちょうど来週、彼女の祖母の誕生日のお祝いでうちに親族全員で宿泊することになっていました。その親族のなかにはもちろん、同級生も含まれています。

「そ、そんな……おじいちゃんとおばあちゃんが楽しみにしてた旅館が……あんたのとこだなんて……」と同級生。「このままだと、家族のなかでの居場所もなくなっちゃう……」とポツリとつぶやき、それ以降うちの旅館や私に連絡をしてくることはなくなりました。

彼女の祖母の誕生日は予定通り、うちの旅館で行われました。同級生はさすがに気まずかったのか、現れませんでした。彼女のご家族からは「とても素敵な旅館でした」「おもてなしをどうもありがとう」とうれしい言葉をいただきました。

私は相変わらず、義実家の旅館で毎日働いています。義両親にまだまだ教わることばかりですが、この旅館とここで過ごす日々を誇りに思いながら、これからも精一杯おもてなしを続けていきたいと思います。

【取材時期:2024年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる