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カルラ・ソフィア・ガスコン、「同じ過ちを繰り返さないよう他者の声に耳を傾け、学び続ける」

  • 2025.3.10
50th Cesar Film Awards - Red Carpet

ジャック・オーディアール監督作『エミリア・ぺレス』で評価を得るも、過去にX(旧ツイッター)に投稿した差別発言が発覚し、物議を呼んだカルラ・ソフィア・ガスコン第97回アカデミー賞授賞式に出席し、アワードシーズンが幕を閉じた今、彼女は「ここまで人の話題になり、さらされたのは人生で初めてのこと」だったと『ハリウッド・リポーター』のインタビューで振り返る。「不条理で狂信的とも言える非難を投げかけられ、魂が深く傷つきました。事態は急速にエスカレートし、呼吸もできないほどでした」

フェイクのアカウントがいくつも作られたことも、苦悩と混乱を増長させたそうだ。トランスジェンダーを公表している俳優として、初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた彼女は、こう語る。「予期していなかった破壊的な嵐に直面し、痛みに圧倒されて、考えてはいけないことも考えました。過去にも決して軽いとは言えない個人的な苦闘に直面しましたが、当時よりもっと重苦しく暗い考えを抱きました」

「嵐が少し収まり」、「どうにか乗り越えた」と言う彼女は、この経験を通じて、学びを得たことに気がついたそうだ。「幸運なことに、ヘイトの闇の中にいる間もほんの少し正気を保ち、光に目を向けることができました。おかげで、さらなる闇に陥ることなく、より良くあらねばならない、過去の過ちを正さなければならないと理解することができました。同じ土俵に上がり、ヘイトに応酬していたら、それを増幅させ、道に迷っていたことでしょう。前進することなく、嵐の中に留まったまま、この先他者を助けることもできぬままだったと思います」

「これまでの人生、これまでの歩みの中で、私が傷つけてしまったすべての人」に謝罪し、「謙虚」に「許し」を求めるとともに、「同じ過ちを繰り返さないよう他者の声に耳を傾け、学び続ける所存です」と誓う。そして、こう締めくくった。「違いを悪とせず、豊かさとする世界を築くために必要なのは、理解と思いやり、許し、そして共感のみ。みんなで学び、成長していくことができる世界、鎧を脱ぎ、自分らしくいられる世界に必要なのは、それだけです」

スペイン出身のカルラ・ソフィア・ガスコンは、主演作『エミリア・ペレス』をお披露目したカンヌ国際映画祭でほかのキャストたちとともに女優賞を獲得。多くの映画賞にノミネートされるなど注目を集めていたが、オスカーノミネーションの発表後、イスラム嫌悪や人種差別、アカデミー賞における多様性への批判、さらには当時すでに共演が決まっていたセレーナ・ゴメスに向けたヘイトをツイッター(現X)に投稿していたことが判明。

ジャック・オーディアール監督からも非難され、彼女は「CNN」のインタビューインスタグラムで謝罪を表明し、自分が沈黙することで映画そのものが評価されることを願うと表明した。ノミネートされていたSAG賞(全米映画俳優組合賞)クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)英国アカデミー賞の授賞式は欠席したが、3月3日(現地時間)に開催されたアカデミー賞には出席。司会のコナン・オブライエンからジョークのネタにされると、両手を合わせて頭を下げ、キスを送っていた。

Text: Tae Terai

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