子どもはもちろん、大人も手に取って「その時」に備えたい。
正しい知識によってさらに防災意識を高める!
近年の日本は毎年のように「異常気象」と言われ、豪雨や台風、大雪による災害が頻発しているうえ、猛暑も災害級と称されるまでに。さらには2024年の能登半島地震につづき、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山の噴火など今後大きな災害が起こることも想定されています。
そんな現象を、気象学者の荒木健太郎氏が科学的かつわかりやすく説明! 正しい知識を身につけたうえでどう対応したら良いのかがしっかりわかるので、いざというときの心構えに役立ちます。
※本記事は荒木 健太郎著の書籍『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』から一部抜粋・編集しました。
津波と高波の違いって何?
海には様々な波がありますが、津波と高波の違いはいったい何でしょうか。
まず高波は風で生じる海面付近の波で、波ひとつ分の長さ(波長)は数m~数百m程度です。これに対して津波は、地震や海底火山噴火に伴って海底の地盤が大きく動くことで、海水全体が動き、上下に変化する海面が波として広がる現象です。津波の波長は数km~数百kmにもなるので、大量の海水が巨大なかたまりとなって押し寄せます。津波は浅い海岸では波の高さが急激に高くなるという特徴があり、津波が引くときも強い力で長時間引かれるため、巻き込まれたものは一気に海中に引き込まれます。津波は繰り返し何度もやってきて、あとからくる津波のほうが高くなることも。
高さ20~30cmの津波でも人が流される危険があり、1mの津波に巻き込まれるとほぼ助かりません。1~2mの津波では木造の家も壊れます。津波を見てからの避難では間に合わないので、津波警報が出たら少しでも早く逃げる必要があるのです。
■防災の豆知識
2011年3月11日の平成23年東北地方太平洋沖地震による津波では、岩手県大船渡市の綾里湾で局所的に40.1mの遡上高(そじょうこう(海岸から内陸へ津波がかけ上がった高さ))が観測されました。これは日本で記録された最大の津波です。
津波と高波の違い
津波のしくみ
1 地震によって海の底が動く
2 海水が動いて津波が発生
3 海の表面から底までの水がかたまりとなってやってくる
4 海岸に津波が押し寄せる
津波の高さと影響
著=荒木 健太郎/『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』