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便秘のときは「整腸剤」と「下剤」どちらを使えばいいの?薬剤師に聞く“使い分けのコツ”

  • 2025.3.9
整腸剤と下剤の違いとは?
整腸剤と下剤の違いとは?

おなかの調子が悪くなったり、便秘になったりしたときに頼りになるのが整腸薬のほか、便秘薬の一種である下剤です。ドラッグストアに行くとさまざまな製品が販売されていますが、整腸剤と下剤の違いがよく分からず困ったことはありませんか。整腸剤と下剤とでは、どのような違いがあるのでしょうか。両者を使い分ける際のポイントも含め、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

すぐに便秘を解消したいときは下剤の服用を

Q.そもそも、整腸薬と下剤は何が違うのでしょうか。両者のメリット、デメリットも含めて、教えてください。

真部さん「整腸薬と下剤、どちらもおなかの調子を整えるものですが、目的や働きが異なります。

整腸薬は腸内細菌を整えて、下痢や便秘を改善する目的があります。働きとしては、腸の善玉菌を増やしたり、悪玉菌を減らしたりすることで自然に腸の調子を整えます。

メリットは、腸の調子を根本的に整えられることです。また、副作用が少ないので長期間服用できます。便秘と下痢両方に効くのもメリットです。デメリットは、即効性がないことや人によって合う整腸剤が異なること、劇的な効果が得られにくいことが挙げられます。

下剤は腸にたまった便を排出させて、便秘を解消する目的があります。働きとしては、腸を刺激して排便しやすくしたり、便の量を増やしたり、便の水分量を増やして便を柔らかくして排便しやすくしたりします。

メリットは便秘に関して即効性があるものが多いこと、一時的な便秘に効果があることです。デメリットは、過剰使用で下痢などの副作用が出ること、刺激性の下剤は長期の連続使用で腸が自然に動かなくなること、慣れが生じるため薬の量がどんどん増えてしまうということが挙げられます」

Q.整腸薬、下剤を使い分ける際はどのように判断すればよいのでしょうか。

真部さん「便がたまっていておなかが張って苦しいときや、便が硬く排便が困難なとき、痔の病気があるときなど、すぐに便秘を解消したいときは下剤がお勧めです。一方、便秘や下痢を繰り返していて腸内環境を整えたいときは整腸薬を使うとよいでしょう」

Q.整腸剤は何日程度使い続けても問題ないのでしょうか。医療機関を受診する目安も含めて、教えてください。

真部さん「整腸剤は効果が出るまでの期間に個人差があります。また、整腸剤は副作用が少ないため、長期間服用しても問題ありません。整腸剤の服用によって入れた菌は腸内に長期間とどまることができないため、腸内フローラの改善には服用を継続する必要があります。

軟便や軽い下痢の改善では、早く効果が出る人は数日から1週間程度かかりますが、腸内細菌の根本的な改善は1週間から1カ月以上が目安です。

まずは1~2週間試してみるとよいでしょう。あまり効果がない場合は薬剤師に相談して他の整腸剤を試してみてください。ただし、数日使用して症状が悪化したり、ひどい便秘や下痢が生じたりした場合は別の原因が考えられるため、整腸剤の服用をやめ、医療機関を受診することをお勧めします」

* * *

整腸薬は腸内細菌を整えて下痢や便秘を改善する目的の製品、下剤は腸にたまった便を排出させて便秘を解消する製品ということが分かりました。それぞれ目的や働きが違うため、症状に合わせて使い分けることが重要です。

オトナンサー編集部

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