子どもはもちろん、大人も手に取って「その時」に備えたい。
正しい知識によってさらに防災意識を高める!
近年の日本は毎年のように「異常気象」と言われ、豪雨や台風、大雪による災害が頻発しているうえ、猛暑も災害級と称されるまでに。さらには2024年の能登半島地震につづき、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山の噴火など今後大きな災害が起こることも想定されています。
そんな現象を、気象学者の荒木健太郎氏が科学的かつわかりやすく説明! 正しい知識を身につけたうえでどう対応したら良いのかがしっかりわかるので、いざというときの心構えに役立ちます。
※本記事は荒木 健太郎著の書籍『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』から一部抜粋・編集しました。
首都直下や南海トラフ……地震はどうして起こる?
日本は地震大国で、揺れを感じる地震は年間千~二千回程度も起こっています。そもそも地震はどうして起こるのでしょうか。
地球の表面は十数枚の巨大な岩盤であるプレートで覆われており、これらのプレートは年間数cm程度の速さで絶えず動いています。プレート同士がぶつかり、岩盤が押されたり引っ張られたりして、限界を超えてプレートそのものやプレート内部の岩盤が急激にずれる現象が地震です。
日本付近は4つのプレートがぶつかり合っており、地震が起こりやすいのです。過去の大地震をもとに、地震の規模を示すマグニチュード(M)8~9級の南海トラフ地震、M7級の首都直下地震が発生したときの想定がなされています。南海トラフ地震では静岡~宮崎にかけて揺れの強さを示す震度が7の可能性があり、太平洋沿岸の広範囲で10mを超える大津波を想定。首都直下地震では東京都心で震度7の想定も。大地震はいつどこで起こるかわかりません。日ごろから備えておきましょう。
■防災の豆知識
現代の科学では日時や場所を特定して地震発生を予測する地震予知は不可能で、そのような地震予知はすべてデマです。また、雲は地震の前兆にはなりません。地震が不安なら日ごろの備えを再確認しましょう。
日本周辺のプレート
※気象庁ウェブサイトをもとに作成
トラフは海底の溝状の地形のこと。南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合などには、南海トラフ地震臨時情報が発表される。その内容に応じた防災行動をしよう。
南海トラフ地震と首都直下地震で想定される震度の最大値
※ 内閣府『首都直下のM7クラスの地震及び相模トラフ沿いのM8クラスの地震等の震源断層モデルと震度分布・津波高等に関する報告書』、内閣府『南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)』より
南海トラフ地震では5ケース、首都直下地震では19ケースの最大震度の推定値を重ね合わせたもの。
※1つの地震でこのような震度の分布になるわけではない。
※今後30年以内の大地震発生確率は南海トラフ地震で約80%、首都と直下地震で約70%……!
著=荒木 健太郎/『すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑』