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鶏肉が上手に焼けない! 生焼けするか、焼きすぎて焦げるかの二択です……
焼けたと思ってカットしてみたら、中はピンクのまま……。結局電子レンジに突っ込んで追い加熱することも。逆に、生焼けが怖いからとしっかり焼いたら表面はコゲコゲに。これってなんで!?
小田先生のアドバイス
・焼く20分前に肉を冷蔵庫から出して常温に戻す
・塩をふり、20分置いて味をなじませる
・焼き始めはいじらず7分放置!
時間がないとついスルーしがちな「肉を常温に戻す」作業。とはいえ、これをサボると失敗を招くことに……。
「冷蔵庫から出したての肉の温度は約5℃。それに対し、温めたフライパンは100℃以上。温度差がありすぎると表面だけ焼けて、生焼けの原因になってしまいます」(小田先生)
焼き始めの“7分放置”が成功の秘訣!
肉を常温に戻し、下処理をしたら、いざフライパンにIN! このとき重要なのが皮を下にして焼き始めたら、7分間はいじらず焼き続けること。途中で動かしたりひっくり返したりすると熱が逃げてしまい、均一に火が通りません。
きちんと放置すればキレイな焼き目に!
7分焼いてひっくり返したところ。「常温に戻す」「7分放置」に加え「塩をふってなじませる」ことで、写真のように均一でキレイな焼き目に。
完成!
■材料(2人分)
鶏モモ肉:2枚(500g)
塩:小さじ1(肉の0.9~1%)
サラダ油:小さじ2
くし切りレモン:適宜
粒マスタード:適宜
ベビーリーフなど
■作り方
1 鶏モモ肉は皮と身の間の余分な脂肪を取り、筋を切る。塩を身のほうにのみ振り、20分程度おく。出てきた水気は、軽く拭き取っておく。
2 直径26cmのフライパンに油を入れて、30秒~1分加熱する。(薄手のフライパンは30秒でOK)
3 フライパンが温まったら、皮目を下にして鶏肉を入れる。皮を油に軽く押しつけて動かし、フライパンに敷いた油を全体に広げる。
4 中火で7~8分、返して3~4分焼く(蓋はしない)。出てきた脂はたたんだキッチンペーパーなどで軽く拭き取る。油・脂を取りすぎるとかえって焦げやすくなるので、取りすぎに注意。
5 厚みのある部分に竹串を刺して2秒後に抜き、手の甲に当てて温かさを感じれば焼き上がり。
6 フライパンから取り出して2~3分おき、余熱で火を通したらそぎ切りにして盛りつける。粒マスタード、レモン、粗挽きコショウなど好みのものを添える。
この方法を実践するようになってから、本当に生焼けしない(下写真が筆者作)! 見た目もかなり改善されたし、塩しか使ってないのに味も絶品! シンプルなのにごちそう感が出せるのがありがたいです。
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PROFILE
小田真規子
料理研究家。フードディレクター。栄養士。「同じレシピでも、作る人によって仕上がりがまったく違うものになる」という気付きから、誰もが作りやすく、おいしく健康的な料理提案を信条としている。1998年に「(株)スタジオナッツ」を設立。テレビ、ラジオ、各媒体のwebサイトでオリジナルレシピを発表するほか、中学校技術・家庭教科書の料理監修や企業へのレシピ提案など、その活躍は多岐にわたり、著書は120冊を超える。近著に『午前7時の朝ごはん研究所』(ポプラ社)。
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写真/VOCE編集部 イラスト/大窪史乃