1位:『トゥルー・ロマンス』'93/米 暴力の薫り漂う愛の逃避行。そのオープニングとエンディングを飾る「You're So Cool」は、トニー・スコット監督と脚本のクエンティン・タランティーノが、作曲家のハンス・ジマーへ『地獄の逃避行』('73)のメインテーマを模すように注文したロマンティックな名曲。(渡辺)
2位:『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』'86/仏 この映画が好きだと言うと「イタイやつ」と言われてしまうほど、激しい純愛映画の名作。音楽はフランス映画音楽界の巨匠、ガブリエル・ヤレド。コブシの効いた哀愁のサックスからなるテーマ曲、ベティが適当に弾くピアノのフレーズがアンニュイな「C'est Le Vent, Betty」など、胸キュンな名曲揃い。(山崎)
3位:『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』'86/米 サイケデリック・ファーズの表題曲に、主人公のアンディ(モリー・リングウォールド)が、戸惑いながらプロムの準備をするシーンではニュー・オーダー「Thieves Like Us」(サントラは「Shellshock」のみ収録)。そして、愛すべきダッキーがたそがれながら聴くザ・スミスまで。きらびやかな80sを追体験。(渡辺)
2位:『パリ、テキサス』'84/西独=仏 昨今のアンビエントブームから、LPが高額盤になりつつある本作。オープニングで、放浪する主人公の雰囲気を演出する秀逸なメインテーマは、ブラインド・ウィリー・ジョンソン「Dark Was The Night」を模倣して作ったという。登場人物を包み込むような、物悲しさと優しさが同居した楽曲に心打たれる。(山崎)
2位:『卒業』'67/米 劇伴をデイヴ・グルーシン、劇中歌をサイモン&ガーファンクルが担当。不倫相手(ガールフレンドの実母)に振り回され、うつろな表情を浮かべるシーンでは陽気な「Mrs. Robinson」。ハッピーエンドを迎える中、どこか不穏な「Sound Of Silence」を当てたところに、マイク・ニコルズ監督の性根を感じる。(渡辺)
2位:『NOPE/ノープ』'22/米 未確認飛行物体をめぐる映画であり、牧場の兄と妹の物語でもある。馬の目を見るな、という教えが彼らを救った。音楽はジョーダン・ピール作品で毎回組むマイケル・アーベルスによるスコアと、要所で聴かせるソウルやロック。コリー・ハート「Sunglasses At Night」は、劇中同様にスロー再生で収録。(鶴谷)
3位:『リトル・ミス・サンシャイン』'06/米 劇伴はクラシックとジャズを組み合わせたスコアに定評のあるマイケル・ダナ。本作では「The Winner Is, The」など、フォークやカントリーも交えた爽快な劇伴を聴かせてくれる。末娘・オリーブが亡くなった祖父との約束通り、リック・ジェームス「Superfreak」で渾身のダンスを披露するシーンで涙。(渡辺)
2位:『アルマゲドン』'98/米 マイケル・ベイ監督&ジェリー・ブラッカイマー製作、元イエスのトレヴァー・ラヴィンが劇伴を担当。有名すぎる泣きの主題歌は、『マネキン』('87)の主題歌などで知られるダイアン・ウォーレンが書き下ろした「I Don't Want To Miss a Thing」。地球を救った英雄には、壮大な曲が必要だ。(渡辺)