1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 「夜中に目が覚める」原因と3つの対策を米睡眠生理学者が解説

「夜中に目が覚める」原因と3つの対策を米睡眠生理学者が解説

  • 2025.3.8

夜中に目が覚めると、ついイライラしてしまう。そのうえ、寝付けないとなると、なおさらストレスが募るもの。

ヘルスエディターとして睡眠に誇りを持っていた私が、ここ最近では夜中の3〜5時に目が覚め、ベッドの上でじっとしている時間が増えている。そこから、夜中に目が覚める原因をいろいろと探究してきた。

もし同じような経験をしているなら、夜中に目が覚めるのはごく自然であるということをまずは知っておいてほしい。とはいえ、それが何度も繰り返され、私のように暗い部屋で何時間も天井を見つめる日々が続いているなら、最後まで読み進めてみて。

夜中に目が覚めるのは自然なこと?

睡眠生理学者であり、睡眠クリニック「Sleepyhead Clinic」と「re:sleep」の創設者であるステファニー・ロミジェフスキー博士が言うには、夜中に目が覚めることは至って普通の現象。

「睡眠は各段階で違いがあります」とステファニー博士。私たちの睡眠サイクルは、目覚めた状態から始まり、浅い眠り、レム睡眠(急速眼球運動)、そして深い眠りへと移行する。その後、サイクルが逆転するタイミングで、再び眠りに戻る前に目が覚める瞬間があるのはごく自然のことだという。

「浅い睡眠の段階では、トラックの音が通り過ぎるなど、ちょっとした環境の変化でも目を覚ますことがあります」とステファニー博士。

「睡眠研究では、正常に眠れている人でも頻繁に覚醒が見られています。むしろ、覚醒が全くないことのほうが稀です。ほとんどの人はこうした微細な目覚めを記憶していないのです」

「体は常に変化し、動き続けている状態にあります(ホルモン、病気、加齢など)。そのため、睡眠は多くの場合がこれらの変化に合わせてうまく調整されているのです。時には睡眠が一時的に中断されることもありますが、何か問題があるわけでもなく、修正する必要があるわけでもありません」

夜中に目が覚める理由とは?

睡眠サイクル

夜中に目が覚める一番の理由は、自然な睡眠サイクルにあるという。通常、これらの目覚めには気づかないはずだが、もしウェアラブルや睡眠トラッカーで記録されていたとしても、ごく普通のことなので、心配する必要はない。

ストレス

「夜中に目が覚める原因で最も多いのはストレスです。特に目が覚めた記憶がある場合や、普段は睡眠が比較的良好な場合は、おそらくストレスが原因と考えられるでしょう」とステファニー博士。

慢性的なストレスは、睡眠に影響を与えるホルモンの変動を引き起こすものの、ストレスを感じているときに夜中に目が覚める本当の理由は、目が覚めた瞬間に頭が動き始めるから。メールや家族、その他のストレスについて考えると、眠りに戻るのが余計難しくなる。

睡眠習慣

「目が覚めるパターンが続くようなら、睡眠に関わる行動や睡眠への期待がさらに状況を悪化させているケースは多いです」とステファニー博士。

「例えば、ストレスが溜まっていたり、特に疲れた日には、睡眠を取り戻すために普段の睡眠スケジュールを調整したり、睡眠時間を増やすことがありますよね。起床時間が一定でないことも、夜中に目が覚める一因です」

「睡眠ハックにこだわりすぎたり、睡眠補助薬に頼りすぎることもまた、良い睡眠の基準から遠ざかってしまい、逆に睡眠が敏感になり、乱れやすく、慢性的に何度も目が覚めやすくなる原因になります」

夜中に再び眠りにつく方法

「睡眠の基盤がしっかり整っていて、睡眠に対する現実的な期待を持っていれば、特に何もしなくても自然と眠りに戻ることができます。ただし、体が十分な覚醒時間を経て、再び眠りたいという強い欲求を感じるまでは、無理に眠ろうとしても難しいものです」

つまり、目が覚めている時間を受け入れ、再び眠れる準備が整うまでは、リラックスできることに取り組むことが大切。だからと言って、深夜2時にヨガをする必要はない。私の場合、眠れないときはイライラせず、キンドルを手に取って読書をすることにしている。眠たくなるまで45分くらいかかることもあるけれど、最終的には眠りに戻れている。それに、ストレスで暴走しがちな思考から気を紛らわせる良い方法にもなっている。

ステファニー博士いわく、「夜中の目覚めが慢性的な問題になりつつあるなら、睡眠の全体に目を向け、睡眠欲求と、睡眠を調節する概日リズム(体内時計)という2つの睡眠メカニズムに影響する行動に注力することが重要だ」という。

「短時間でできる呼吸法やサプリメント、"テクニック"に比べると魅力に欠けるかもしれませんが、効果は高いです。これは、特定の夜だけに焦点を当てるのではなく、全体として睡眠に取り組む必要があります。ですが、人間はこのような漠然としたアプローチを実行するのがあまり得意ではありません」とステファニー博士。

「これを歯磨きと同じように考えてみてください。私たちは、歯のトラブルを回避するために歯を磨くことは得意です。虫歯が進行してからでは遅いし、前日に慌てて磨いても意味がありません。睡眠も同じように、問題に気づいたときに直すのではなく、長期的な睡眠の習慣を身に付ける必要があります」

夜中に目が覚めるのを回避するための睡眠のコツ

夜中に目を覚ますことなく、ぐっすり眠るために今からできることを3つご紹介。

ベッドに入らない

「実際に眠くなるまでは、ベッドに入らないことです」とステファニー博士。早めにベッドに入れば長く眠れると思いがちだが、ベッドの上で刺激的な活動をしていると、脳と体が混乱し、かえって眠りにくくなることがあります」

眠気を感じるまで待ってから、ベッドに入るようにしよう。

光への露出を減らす

「朝に明るい光を浴びること(人工光でも可)を習慣にし、日中もできるだけ光を取り入みましょう。そして、夜は光への露出を一気に抑えて、昼夜のコントラストをしっかりつけることが大切です」とステファニー博士。

メインの照明を消し、柔らかい光のランプに切り替えたり、スマートフォンを使うのをやめたり、他の光源を遮断するのがおすすめ。

昼間の活動をしない

「夜は眠れなくても、休むことを楽しみましょう。これが、次善の策だからです。ただし、夜の環境で休むことが大切で、仕事をしない、明るい光を浴びない、昼間の活動をしない、飲食をしないことが必須です。リラックスタイムだと思って過ごしてください」とステファニー博士。

「上記の方法を、まずは2週間諦めずに実行してみてください。それで睡眠が改善したら、そのまま続けましょう。もし変化がなければ、問題が根深くなっているサインなので、かかりつけ医や睡眠の専門医に相談することが大切です」

※この記事はイギリス版ウィメンズヘルスの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Chloe Gray Translation : Yukie Kawabata

元記事で読む
の記事をもっとみる