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管理栄養士が語る、疲れやすい人によくある「食事の特徴」とは

  • 2025.3.7

「なんだか最近、疲れやすい」「しっかり寝ても体がだるい」そんな悩みを抱えていませんか? もしかすると、その原因は毎日の食事にあるかもしれません。食事の内容や食べ方によって、エネルギーの持続力や回復力に大きな差が出るのです。

管理栄養士の望月理恵子先生に、“疲れやすい人に共通する食事の特徴”を教えてもらいました。

疲れやすい人の食事の特徴

望月先生いわく、以下の特徴を持つ人は、疲れやすいと言われています。

朝食を食べない

望月先生:朝食を摂らないと、糖質とたんぱく質が不足して体内時計がリセットされません。これにより自律神経が乱れやすくなるので、疲れを感じる原因になります。

また、朝食を抜くと、胃腸の機能が低下しやすくなります。その結果、食が細くなって必要な栄養分を摂取しにくくなるので、疲れやすくなります。

朝食は1日の食事でもっとも重要です。朝食を摂ることで体温が上昇し、その日活動するためのエネルギー源になります。

体内時計とは?体内時計が狂う原因と、整える方法「カギは朝食にアリ!」

甘いものを多く食べる

望月先生:甘いものをたくさん食べて急激に上昇した血糖値が急降下すると、疲労感が出ます。

糖質の過剰摂取で「ビタミンB1」が不足すると、エネルギー変換がうまくできなくなるため、疲れやすくなる場合があります。

糖分をたくさん摂ると、血糖値の急激な上昇を抑えるために「インスリン」の分泌量が急激に増加して、血糖値が急降下します。

炭水化物の摂取量が多い

望月先生:炭水化物は糖質なので、食べ過ぎると糖質の過剰摂取になります。ご飯や麺類、パンをたくさん食べる人も注意が必要です。

早食い

望月先生:早食いは胃腸に負担をかけるため、疲労につながります。よく噛んで食べない人は、消化・吸収率が悪く、胃腸により多くの負担をかけることになります。

疲れにくい体を作るには、どんな食生活を意識するといい?

疲れにくい体質づくりのために、以下を心がけるとよいでしょう。

改善法1 野菜や海藻から食べる

望月先生:野菜(イモ類以外)や海藻類など、食物繊維の多いものから食べましょう。無糖の野菜ジュースやプレーンヨーグルトでもかまいません。

疲れやすくなる原因の一つとして血糖値の急激な上昇と急激な降下が挙げられます。野菜類や海藻類に多く含まれている食物繊維には、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる作用があります。

改善法2 バランスよく栄養分をしっかりと摂る

望月先生:とくに、以下の栄養素には疲労改善に効果があると言われています。

  • ビタミンB1・・・糖質の代謝を円滑に行い、乳酸を溜まりにくくする
  • ビタミンB2・・・糖質、たんぱく質、脂質の代謝、乳酸等の疲労の原因となる物質を除去する働き
  • 鉄分・・・体の中に酸素を運び、疲れやすさを除去する働き
  • カルシウム・・・筋肉の動きを補助、精神的疲労の緩和等の働き
  • イミダゾールジペプチド・・・活性酸素による酸化ストレスを取り除く抗酸化作用がある。肉体的疲労・精神的疲労の両者に働きかける
  • クエン酸・・・エネルギー代謝を円滑にするクエン酸サイクルの栄養源。疲労回復に働きかける

食事からこれらの栄養素を積極的に摂るようにしましょう。

ビタミンB1

レバー・豚肉・きのこ類・枝豆・胚芽米等

ビタミンB2

レバー・小松菜・納豆・さば・ししゃも等

鉄分

レバー・大豆製品・ひじき・あさり・プルーン等

カルシウム

大豆製品・牛乳・乳製品・小松菜・小魚等

イミダゾールジペプチド

鶏むね肉・まぐろ・かつお等

クエン酸

レモン・梅干し等

疲れ撃退!鶏むね肉に含まれる「イミダゾールペプチド」で疲労回復力アップ[医師監修]

改善法3 規則正しく食事を摂る

望月先生:規則正しい食事を摂ることで、たんぱく質やエネルギーが不足に陥りません。その結果、疲れにくい健康な体を維持できます。

とくに、以下の点を意識しましょう。

  • 1日3食しっかり食べる(特に朝食は必須)
  • 早食いせず、よく噛んで食べる
  • 夕食は軽めにする
  • 就寝時間の2時間前には食べ終える

食事以外に「適度な運動」「適度な休息」「質の良い睡眠」を意識することで、疲れにくい体質を作ることができます。

疲労回復が期待できる食べ物・飲み物は?管理栄養士が選んだ13メニュー

▼参考
公益財団法人 世田谷区保健センター 疲労回復のコツ
江崎グリコ株式会社 疲れがとれないときに食べたい食べ物
サントリーウエルネス 疲れやすい日々にさよなら!疲れを溜めない生活習慣を知ろう

監修者プロフィール

健康検定協会理事長 望月 理恵子

株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。

<Edit:編集部>

※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したものです。

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