藤子・F・不二雄氏のSFギャグ漫画『チンプイ』が、40周年のメモリアルイヤーを迎えた。これを記念し、2025年5月21日(水)より「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」で新作オリジナル短編アニメ『チンプイ エリさまのグッドラック』が公開されることに。
『チンプイ』は12歳のおてんば少女・春日エリと、宇宙人・チンプイらが繰り広げるドタバタ劇を描いたスペースシンデレラストーリー。ある日、エリのもとにマール星人のチンプイとワンダユウがやってくる。二人は、エリがはるか宇宙にあるマール星の第一王子・ルルロフ殿下のお妃に選ばれたことを伝えに来たのだという――。
原作は1985年に『藤子不二雄ランド』の巻末漫画として連載が開始され、1989年にはテレビアニメ化もしている。しかしその後、コミックス最終巻となる第5巻が刊行されることなく、未完のままであった。
そんな同作が今回、完全オリジナルの新作短編アニメとして蘇る。タイトルは『チンプイ エリさまのグッドラック』、監督を務めるのは制作会社「10GAUGE」代表で映像ディレクターとして活躍する依田伸隆。テレビアニメ『ドラえもん』のOPを始めとした数々のPV、MVを手掛けてきた日本を代表するクリエイターの一人である。
そしてキャラクターデザインは、『映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』や『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~はばたけ 天使たち~』で総作画監督を務めた浅野直之が担当。音楽制作には世界を股にかけるヒップホップクルー「Dos Monos」の荘子itが抜擢されるなど、各シーンの最前線で活躍するトップクリエイターが名を連ねた。
■監督・依田伸隆
【プロフィール】
映像ディレクター/制作会社10GAUGE代表。主に劇場作品の予告編やアニメーション作品のOP/PV、アーティストMVなどを手がける。「2018年度東京アニメアワード・フェスティバル」美術・色彩・映像賞受賞。「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS 2020」BEST ANIMATION VIDEO受賞。代表作に『ドラえもん』OP(星野源主題歌Ver)、『僕らまだアンダーグラウンド』MV(Eve)、『君の名は。』予告編など。
【コメント】
「チンプイは、F先生が描かれてきた『もし○○だったらいいな』という物語の系譜にはありますが、実際はその先に踏み込んで描かれている作品だと思っています。『だったらいいな』の先にあるとても魅力的なもの! 是非お楽しみください!」
■脚本・芹川梓
【プロフィール】
脚本家。映画会社のアニメ宣伝プロデューサーを経て、独立。TVドラマ、アニメ、サウンドドラマなど幅広い分野の脚本を執筆。TVドラマ「よだれもん家族」(テレビ東京)、『薬屋のひとりごと』ミニアニメ「猫猫のひとりごと」、ドラマCD「Face」「宝石の監獄」(マウスシアター)オリジナル作品、その他サウンドドラマ脚本多数。
【コメント】
何度失敗をしても塀を飛び越えようとする前向きさ、納得できないことはきっぱりと断る潔さ、冒険やトラブルにも果敢に挑んでいくたくましさ。そんなエリちゃんの魅力をショートストーリーに詰め込みました。すこし・ふしぎなシンデレラに、是非会いに来てください。
■キャラクターデザイン・浅野直之
【プロフィール】
アニメーター/キャラクターデザイナー、岡山県出身。主にテレビシリーズや劇場アニメ作品でキャラクターデザインなどを手がける。代表作『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』『うる星やつら』など
【コメント】
「パンパカパーン! まさかあのチンプイとエリちゃんに再び会える時が来るなんて!映画『ドラえもん』シリーズ以来、久々に藤子F作品に関わることができて本当に光栄です。どんな作品になるのか…自分が一番ワクワクしてます!」
■音楽・荘子it(Dos Monos)
【プロフィール】
中高の同級生のTaiTanと没と組んだヒップホップクルーDos Monosを率い、全曲のトラックとラップとギターを担当。映画劇伴やCM音楽も手掛けつつ、吉田雅史との共著『最後の音楽:|| ヒップホップ対話篇』や、映画批評などの言論活動も行う。
【コメント】
「『チンプイ!』と叫ぶだけで、元気な明るさと同時に、摩訶不思議な可笑しさが湧いてきませんか? チンプイの顔も見れば見るほど愛嬌だけじゃない、宇宙人としての底知れなさを感じて……。ステレオタイプのシンデレラストーリーに反旗を翻すエリちゃんのように、一筋縄で行かない、なのにその奔放さに自然と夢中になってしまう、子供から大人まで楽しめる音楽を作って、Fシアターをワクワクで満たしたいと思います!」
もちろん、キャストも豪華なメンバーだ。チンプイのCVを担当するのは、声優の久野美咲。「七つの大罪」シリーズのホーク役や『リコリス・リコイル』のクルミ役などを務めてきた、個性派として知られている。
エリ役は少年から少女まで巧みに演じ分ける声優の潘めぐみが担当。『【推しの子】』の有馬かな役や『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)役を代表作に持つなど、数々の名作でキャリアを積んだ実力派だ。
またチンプイと一緒に地球へやってきたマール星人・ワンダユウ役には、言わずと知れた大御所声優の山寺宏一が抜擢されている。実は藤子・F・不二雄作品に縁があり、これまでに『ドラえもん』や『エスパー魔美』などに出演。さらに『3万3千平米』の実写版では、主演を務めていた。
■チンプイ役・久野美咲
【コメント】
「チンプイ役を演じさせていただきます、久野美咲です。長い間、たくさんの方から愛されているこの作品に関われることを、とても光栄に思います。ひょうきん者で愛らしいチンプイを表現できるよう精一杯がんばります!」
■春日エリ役・潘めぐみ
【コメント】
「藤子・F・不二雄先生の描かれた『チンプイ』の世界に、エリちゃんとして……想像もしていなかった未来がやってきました。どんな願いも叶えてくれるチンプイですが、真っ当なところに引き戻してくれるまでがチンプイの科法だと思うので、おてんばでズボラがチャームポイントになるくらい素直なエリちゃんの魅力を損なわぬよう、チンプイとワンダユウと一緒に皆さんを誘(いざな)えたらと思います!!」
■ワンダユウ役・山寺宏一
【コメント】
「藤子・F・不二雄先生の作品には声優として度々参加し、『3万3千平米』ではドラマで主人公を演じさせて頂きました。今回ワンダユウ役を仰せつかり大変嬉しく思います! 大好きな八奈見乗児さんのイメージが強烈に残っていますが、沢山の方々に楽しんで頂けるよう頑張ります!」
『チンプイ エリさまのグッドラック』は、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」館内2階「Fシアター」にて2025年5月21日(水)より上映予定。不朽の名作がどのように蘇るのか、藤子・F・不二雄作品のファンはぜひチェックしてみてほしい。
■ 施設概要
■川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
住所:〒214-0023 神奈川県川崎市多摩区長尾2-8-1
開館時間:10:00~18:00
休館日:火曜日、年末年始 ※臨時休館、火曜特別開館あり
料金:
大人・大学生 1,000円
中学・高校生 700円
子ども(4歳以上) 500円 ※3歳以下無料
※入館は日時指定による事前予約制
※入館チケットは、ミュージアム公式サイト内のチケット販売ページより購入可能
藤子・F・不二雄氏は、川崎市多摩区に居住しながら、長年にわたり、人々を笑顔にする漫画を描き続けてきた。彼が思い描いた「夢、希望、友情、勇気、大いなる好奇心、人を愛する優しい気持ち」を現在、そして未来へと伝え続けるため、2011年9月3日、同ミュージアムが誕生。館内には温かみのある笑いが溢れ、子どもたちの日常に寄り添う世界観と、彼が追求し続けた「SF-すこしふしぎ-」が常に息づいている。
「Fシアター」とは
200インチスクリーンを備えた映像展示室。ここでしか観ることのできないオリジナル短編アニメを上映している。
2F「展示室Ⅱ」では、「科学」や「魔法」をモチーフに描かれた作品を紹介し、藤子・F・不二雄氏ならではの“夢のかなえ方”を読み解く。『ドラえもん』の未来のひみつ道具、『チンプイ』に登場するマール星の科法、『ジャングル黒べえ』で使われる魔法……など。
藤子・F・不二雄氏だからこそ描くことのできた「科学」と「魔法」の作品世界を、原画を通して楽しむことができる空間だ。
「藤子・F・不二雄が描く チチンプイ!科学と魔法のまんが展」
会期:前期 ~5/12(月)、後期 5/21(水)~10/26(日)※予定
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム公式サイト: https://fujiko-museum.com/
ミュージアムに関するお問い合わせ先:0570-055-245(9:30~18:00 ※年末年始はお休みします)