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「寒い日はいつもより熱いお風呂に浸かる」、実はNG!その理由とは

  • 2025.3.5

急に冷え込みましたね! 東京でも10℃前後の気温となり、一気に冬が近づいてきました。しょうがやシナモン、暖房器具などもいいですが、体を芯から温めるのはやはり入浴。お風呂に浸かること。

リンナイが行った冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査でも、冬の時期は約53%の人が毎日湯船に浸かっているそう。とはいえ、いきなり熱いお湯に入れば心臓に負担がかかりますし、ヒートショックも心配です。

そこで、お風呂を医学的に研究している第一人者“お風呂ドクター”の早坂信哉先生が、寒い日の「正しいお風呂の知識と入り方」を教えてくれたのでご紹介します。

Q.寒い時期は、普段より熱めの湯船につかるといい?

A.間違い!

「熱い湯はいったん体温を上げても、湯船から出たらその効果が長く続かず、むしろ早く冷えてしまいます。おすすめの湯船の温度は40℃。ぬるいと感じたら“おいだき”で一時的に温度を上げるのも手です」(早坂先生)

完全に、冷えたときはいつもより熱い湯にして浸かっていました……これって交感神経が優位になって眠れなくなったりしないかな? と不安に思っていたので、今後はぬるま湯でゆったり浸かろうと思います。

Q.寒い時期は、普段より長めに湯船につかるといい?

A.これも間違い!

「長めに浸かりすぎると今度はのぼせ(熱中症)の危険があります。おすすめの時間は10分程度です」(早坂先生)

なんと……これもまた間違っていた……30分くらい浸かっていました。

「健康的な基本の入浴法は、湯船の温度が40℃、入浴の時間が10分間です。多くの方が実践されていることが分かり、とてもうれしく思います。10分間は連続する必要はなく、途中で湯船から出ても構いません。42℃は2番目に多い湯温でした。夜に4242℃で入浴すると交感神経が刺激されて目がさえてしまうことがあります。そんなときは少しお湯の温度を下げると良いでしょう。冬は浴室内の気温が下がりますので、10分で体が温まらないときは15 分ほど入浴しましょう」(早坂先生)

Q.最初から全身浴で肩までつかるといい?

A.まずは半身浴から

「温かいお湯に突然首まで浸かると、心肺に負担をかけることになります。まずは半身浴からはじめ、徐々に身体を湯船に沈めていきましょう」(早坂先生)

三問目も間違っていました。寒いので「ふぃ~」って肩まで浸かり、しばらく沈んでいました。あの気持ちよさといったら!

Q.就寝の直前にお風呂に入るといい?

A.「寝る1時間ちょっと前」に入るのがオススメ

「身体が温まりすぎると眠りにつくことができません。就寝の90分前に入浴することで、程よく体温が下がります。リラックスした状態で入眠でき、質の良い睡眠がとれます。お風呂で上がった体温が下がってきたタイミングで眠ると良いでしょう」(早坂先生)

これは正解でした。というより、夕食後はダラダラして、そのまま眠くなり、お風呂めんどくさい! という流れが確定しているので、お風呂に入ってから夕食というルーティンにしました。快調です。

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Q.お風呂から上がる前に手足に冷たい水をかけるといい?

A.間違い! せっかく温まったのに……

「サウナ後の水風呂のように、入浴後、浴室を出る前に水をかけて体を締める、という一部で話題になっている健康法ですね。せっかく温まった身体に水をかけてしまうと、血管が収縮し血流が悪くなります。冷えが悪化してしまう可能性があります」(早坂先生)

これは本能的に「寒い」と察してやっていませんでした。ちなみにサウナの水風呂で耐え難い寒さを感じる場合、サウナで体がまだまだ温まっていないのだとか。

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Q.入浴剤を使わず、さら湯に入るといい?

A.冷えにいい入浴剤はおすすめ

「冷え対策によく効く入浴剤も多くあります。みかんの皮やゆず、自宅でバスボム(重曹とクエン酸)を作ってみるのも良いでしょう」(早坂先生)

冬至の日は、ゆず湯で! そのまま入れるとお肌がピリピリするかもしれませんので、ネットに入れるとよさそうです。

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冷え対策以外でも、お風呂に浸かるメリットはたくさんある

早坂先生によると、冷えや睡眠以外でも湯船につかるメリットはたくさんあるといいます。

「最近の私たちの長期間にわたる追跡研究では、冷えや睡眠以外でも期待できる湯船に浸かる効果として、毎日湯船に浸かる人は介護状態やうつになりにくいことが分かってきました。将来の健康維持のためにもお風呂はおすすめですね!」(早坂先生)

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とはいえ、寒い日にいきなり熱いお湯に肩まで浸かったり、長湯をし過ぎるのは体への負担も大きいです。とくにヒートショックには要注意!

寒暖差が危険! 体に大きな負担がかかる「ヒートショック」とは

「ヒートショック」とは、急激な温度差によって血圧の急な乱高下が引き起こされ、失神、脳卒中や心筋梗塞などの疾患が起こることを指します。

リンナイ調べによると、ヒートショックの認知度は7割ありましたが、地域別では鹿児島、大阪、奈良で低い傾向にあるそう。

ヒートショックの危険度について、引き続き早坂先生監修の「ヒートショック診断テスト」とともにチェックしてみましょう。

お風呂ドクター・早坂先生監修! ヒートショック診断テスト

1. お風呂に入る前よりお風呂の後に水分をとる

脱水は血液の粘り気を増やし、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。心筋梗塞をひき起こしやすくなることから、入浴前にもコップ1~2杯の水分をとりましょう。

2. できるだけ食後すぐにお風呂に入る

食後すぐに入浴すると、本来消化器官に血液が集まるべきタイミングなのに、皮膚へ血液が集中し、消化不良の原因となります。食後は1時間程度空けることが望ましいです。

3. 家族に声をかけずにお風呂に入る

ヒートショックが怖いのは意識を失いお風呂でおぼれてしまうことです。異変に気付いてもらいやすいよう、入浴前には家族に声をかけましょう。

4. お風呂場が寒くても我慢する

急激な温度変化により血圧が乱高下します。昨今の光熱費アップに伴い節約の意識が高まっているかもしれませんが、健康のためにも入浴時は室温に気をつけましょう。

脱衣所とリビングの温度差は5℃以内がベストです。

5. お風呂に入ったらすぐに湯船に浸かる

かけ湯で徐々に身体を慣らしましょう。血圧の急激な上昇を防ぎます。

6. あつあつの湯船に浸かる

体温が上がりすぎて意識障害に陥る可能性があります。血圧も上がります。

7. 湯船から出るとき立ちくらみすることがある

めまいや立ちくらみは、急激な血圧低下によるものです。若い方でも起こり得ます。立ちくらみで転倒して大けがをすることもあるので気をつけましょう。

8. 湯を張るときは湯船にふたをする

もったいないと感じるかもしれませんが、湯船のふたを外して湯を張ることで、浴室内の温度を上げることができます。

9. サウナに行ったら水風呂に入る

体温を上げた後、一気に水風呂で身体全体を冷やすと、若い方でもヒートショックの危険があります。水風呂に入る場合は、手足からゆっくりと水をかけて身体を慣らしましょう。

次:何個以上マルだと危険?

3個以上チェックがついた人は「ヒートショック予備軍」

チェック数 判定結果 3個以上 ヒートショック予備軍 2個以下 問題なし

ヒートショックについて、早坂先生は以下のようにコメントしています。

「浴室暖房機があれば安心ですが、設備がない場合でも、湯船のふたを外すことや、家族で声を掛け合うなど、で きることから始めるのが大切です。若い方でも血圧の急な低下による立ちくらみは起こります。湯船から出るとき は、手すりにつかまってゆっくり立ち上がりましょう。また、湯船から立ち上がる前に手に水をかけると、交感神経の刺激になり血圧の低下を防げます」(早坂先生)

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監修者プロフィール

東京都市大学人間科学部学部長・教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医 早坂 信哉先生

お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)、『最高の入浴法』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。

<Edit:編集部>

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