朝を楽しむ朝時間アンバサダーのみなさんによるスペシャル連載コラム。薬膳に詳しい倉口ゆうみさんが、白髪が出来るメカニズムと、5分で作れるおすすめ薬膳レシピをご紹介します。
おはようございます。朝時間アンバサダーであり薬膳講師でもある倉口ゆうみ(@yuumi__kuraguchi)です。
私は普段、薬膳講師として「疲れやすい、落ち込みやすい…」という繊細Girisさんに向けて薬膳の発信や資格取得のレッスンをしています。
さぁ、今日の薬膳レッスンのテーマは「白髪」。髪の毛は年齢が出やすい場所。きっと、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
「白髪は何歳から出るのが自然なの?」「何を食べたら白髪にいいの?」「忙しい朝でもカンタンに作れるレシピはない?」などの疑問やお悩みに、薬膳講師がお答えしたいと思います!
ちなみに筆者は37歳になる歳ですが、髪トラブルはほとんどなく、これも薬膳ライフのおかげかな?と思っています^^
今回の記事では、白髪が出来る中医学メカニズムをご説明し、5分でできる薬膳レシピをシェアしています。お米派、パン派の方どちらの方にもチャレンジしやすいようにレシピを考えました。
(今回ご紹介するちょい足しでできる薬膳トースト♡)
レシピだけ知りたい方は、そのままスクロールして進めていただいてもOKです。「メカニズムが気になる!」という方は順番に読んでいただくと、より理解が深まります。ぜひ、お好きなところから読み進めてくださいね。
白髪は何歳くらいから出るのが自然?
みなさん、何歳くらいから白髪が気になり始めましたか?中医学では42歳から白髪が増え始めるのが自然と考えます。なぜかというと、「女性は7の倍数、男性は8の倍数で身体が変化する」という考えがあるから。
女性として体や見た目が成熟するのが28歳。体の成長が充実し、髪の毛も豊か。この時期をピークに35歳で髪にツヤがなくなり髪が抜け始め、42歳で白髪が増え始める…と、7の倍数で体に変化が現れます。一方男性は、32歳がピークで、40歳、48歳と見た目に変化が現れます。
白髪は基本的には加齢であらわれるものと考えるので、42歳頃から白髪が少しずつ気になり始めるのは自然なこと。しかし、「30代なのに白髪が…」「最近、急激に白髪が増えた!」とお悩みの場合は、食事や暮らし方を変えることで改善できるかもしれません。
(※子どもの頃から白髪が見られるなど、先天的に髪を黒く保つ力をお持ちでない方もいらっしゃいますが、本稿ではそのような方につきましては対象外とさせていただきます。)
髪のトラブルがでやすい人と出にくい人の3つの違い
「同じ年齢なのにあの人は何で白髪が少ないの?」と疑問に思いますよね。その違いは主に3つあります。
【1】髪の毛に栄養を与える「血(けつ)」が充実している
中医学では髪の毛のことを「血余(けつよ)」といいます。「はて?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひこのまま読み進めてください(笑)。
血(けつ)とは、体に栄養や潤いを与える役割があり、私たちが生きていくうえで必要不可欠な物。この血は、生命を維持するうえで必要な場所から優先的に分配されていき、最後に髪の毛に分配されるため「血の余り」と中医学ではいわれています。
そのため、血が元々少ない人は髪の毛に届ける分の血が余っていないため、栄養が行きわたらず白髪や抜け毛という髪トラブルが起きやすいのです。
【2】アンチエイジングの臓腑がすこやかであること
中医学では、五臓(ごぞう)という身体を支える柱のような存在の臓腑(ぞうふ)が5つあります。その中の1つの「腎(じん)」という臓腑は、髪の毛と密接に関わっているといわれていて別名“アンチエイジングの臓腑”と呼ばれています。そのため、腎が弱っていると白髪になりやすいといわれています。
・足腰が冷えやすい
・気力がわかない
・睡眠時間が6時間以下
・すぐ座りたくなる
これらが思い当たれば腎が弱っているかもしれません。腹巻やレッグウォーマーで足腰を温める、歩く時間を今より増やす、腎の働きを高める食材を食べるなどのアクションを行いましょう!
【3】胃腸がすこやかであること
「何を食べたらいい?」もすごく大事なことですが、食べたものを受け入れる胃腸が元気でないと食べた物を栄養に変えられません。
・口内炎や口角炎ができやすい
・便秘やお腹を下すのを繰り返す
・食後に眠くなりやすい
・冷たい物や甘いものが好き
これらに当てはまる人は胃腸が弱っていて、血を作り出せなくて白髪の原因になっているかもしれません。冷たいものを飲食することは胃腸がてきめんに弱りますので、まずは温かいものを飲食することを心掛けましょう。
白髪ケアにはおすすめ食材は?
「結局のところ、何を食べればいいの?」というのが気になりますよね。白髪ケアには「血を増やす」「腎の働きを高める」これらのパワーを持つ食材が必須!
そのために意識して食べていただきたいのが「黒い食材」。黒豆、黒胡麻、黒きくらげ、ひじき、海苔などの黒い食材は、腎の働きを高めてくれるものが多いです。
血を増やす食材はクルミ、卵や人参、ほうれん草、山芋、ブロッコリー、鯖、お肉類。胃腸の働きを高めるのはお米、芋類、豆類、しらすや鮭、きのこ類。
皆さんも日々使う食材が多く並んでいるのではないでしょうか?薬膳は「薬が入った食事・特別な食材を使った食事」ではなく、スーパーで買える食材で作ることができるのです!
【レシピ】白髪ケアに「黒い食材」をちょい足し!5分で作れる薬膳ごはん
とはいえ、忙しい朝に色々とりいれようと張り切ると続かないもの。そこで個人的にオススメしたいのが「黒豆」「黒胡麻」をいつもの朝ごはんちょい足しすること!私はこれを“朝黒活”と呼んでいます(笑)。
黒豆と黒胡麻は血を増やす働きと、腎の働きを高める働きどちらも持っている優秀食材。中医学では、胡麻は伝統的にエイジング食材(抗老化食材)として認められていて、様々な実験において効果が証明されています。同様に、黒豆も様々な実験結果において効果が認められた食材なんだとか。
そんな素晴らしい食材なのに、いろんな料理と相性が良くちょい足しに向いているのが嬉しいポイント。しかもどちらも安価で手に入りやすいのが魅力です。
と、いうことで今回はこの2つをメインに、ちょい足しレシピを考えてみました♪
お米派さんにおすすめ!
【卵かけごはんに“ちりめんじゃこ”をプラス】
朝に卵かけごはんとお味噌汁を食べる方は多いですよね。そこにちょい足しするだけで白髪ケアの薬膳ごはんに早変わり!
まずは、いつもの卵かけごはんに、ちりめんじゃこ大匙2をプラス。食べる時にお醤油やポン酢をたらりと。お米×卵×ちりめんじゃこ(しらすでも◎)は血を増やす組み合わせ。巡りを良くするために大葉ものせていますが、これは余力があれば…でOKです。
忙しい朝は生卵でもOKですが、生のものは胃腸の負担になるので半熟卵にするのがおすすめ。半熟卵は、器に卵と少量の水を入れ、黄身に穴をあけてふんわりとラップをかけ、500Wで約50秒加熱すると簡単に作れます。ぜひお試しください。
【お味噌汁に“黒すり胡麻&鰹節”をプラス】
そして、いつものお味噌汁には「黒すり胡麻」と「鰹節」をちょい足し。どちらも血を増やし、腎の働きを高める食材。黒すり胡麻の1日の摂取量は大匙1~2といわれていますので、そのくらいを目安に。鰹節は小分けパックであれば一袋程度を目安に、お好みの量を入れてください。
基本的に、どんなお味噌汁でもこの組み合わせは美味しく仕上がります。手作り味噌汁に入れてもいいですし、時間がない時はインスタント味噌汁に入れるだけも立派な薬膳ごはんになります。
黒胡麻はすったものの方が吸収率がいいので、買う時は黒すり胡麻をチョイスしてくださいね。
(パウチで売られている蒸し黒豆をプラスすれば、さらに白髪ケアに良い朝ごはんに♡)
パン派さんおすすめ!
基本的に、白髪ケアにはお米生活が合っています。でも、「たまにはパンも食べたい!」「朝はパンじゃないと食べられない…」という方もいますよね。そんな方はぜひこちらのレシピをお試しください♪
【黒豆ツナトースト】
朝ごはんの定番、ツナトーストに黒豆をプラス。これだけで白髪ケアを叶えるトーストに早変わりします◎
作り方は、ツナ缶1/2+黒豆10粒程度を混ぜ合わせ、パンにのせてこんがりするまで焼くだけ。クミンパウダーを振りかけると効能的にもさらに良くなりますし、スパイシーで食欲をそそる味わいが楽しめます。食べる時に追いクミンパウダーをするとさらに美味しくなります。
黒豆は“蒸し黒豆”を使うと手軽です。お砂糖などが入っていないシンプルに蒸したものを選んでください。今回は写真のものを使いました。
【ツナ&黒胡麻トースト】
黒豆がない時は、“ツナ黒胡麻トースト”もおすすめ。ツナ缶1/2と黒すり胡麻大匙2を混ぜ、パンにのせてトーストするだけという超特急レシピなので、時間の無い朝にも重宝します。
忙しい朝でも薬膳ライフを続けるコツは?
こんな簡単なもので薬膳ごはんになるの?と拍子抜けした方も多いかもしれません。薬膳は、ケアしたいお悩みに合う食材をチョイスし、コーディネートして作るごはん。凝ったお料理である必要はないのです。
とにかく簡単で、使いやすい食材であること。薬膳ライフを続けるコツはここにあると薬膳ライフ10年目の筆者は思います。
「白髪には黒豆、黒胡麻!」この合言葉を胸に刻み(笑)、今回ご紹介したちょい足しレシピにチャレンジしてみてくださいね♪ちなみに筆者も毎日黒すり胡麻を食べています。一緒に“朝黒活”しましょう~!
▼薬膳のことを紹介したこちらのコラムもおすすめです!
- 第1回:朝1分で心も体もリセット!薬膳講師おすすめ、中医学に基づく「朝のご自愛(セルフケア)」
- 第2回:“ちょい足し”で薬膳ごはん!朝5分でできる「中医学的ご自愛(セルフケア)」
- 第3回:忙しい毎日に“緩急セルフケア”!中医学的ご自愛を取り入れるコツ
参考文献:『薬膳食典 食物性味表』 日本中医食養学会編著、日本中医学院監修(燎原書店)
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忙しい毎日に“緩急セルフケア”!中医学的ご自愛を取り入れるコツ
おはようございます。朝時間アンバサダーの倉口ゆうみ(@yuumi__kuraguchi)です。普段は薬膳講師として「疲れやすい、落ち込みやすい…」という繊細Girlsさん…
【プロフィール】倉口ゆうみさん/ゆーみんの薬膳メンタル学主宰/国際薬膳調理師
「元・イライラ&落ち込み激しめGirlによる自分責めを卒業する方法」を薬膳&哲学エッセンスをたっぷり詰め込んで発信している薬膳講師。人生のテーマは『もがく私は芸術品』落ち込むこともあるけれどそれも人生。一緒にもがきながら人生を味わっていこう♡そんな想いで発信しています。繊細なのに体育会系な熱いハートも持っていてなんでも深めたいオタク気質の35歳。岩手で夫と保護猫とのんびりまったり暮らしてます。)
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