デュア・リパが昨年12月、薬指にダイヤモンドの指輪をつけた姿がキャッチされると、俳優のカラム・ターナーとの婚約説が瞬く間に広まった。ふたりはその噂について公にコメントすることはなかったが、2025年パリ・オートクチュール・ファッションウィーク期間中、エッフェル塔の下で見せたロマンティックな姿が話題となり、さらなる憶測を呼んだ。そして、そんな噂が渦巻くなか、彼女が薬指に指輪をつけ続けている事実こそが、現時点での唯一の“証拠”なのかもしれない。
公式な発表はないものの、デュア・リパのリングは、18金のイエローゴールドに2カラットのダイアモンドがあしらわれたリングで、およそ30,000ポンド(約570万円)と推定されているが、そのデザインは、2025年のトレンドになることは間違いない。「上質なプラチナのバンドやソリテールなどが、チャンキーなエンゲージ・デザインに取って代わられたことは、人々がより現代的で、身につけやすい指輪を求めるようになったことを物語っていると思います」と、ロンドンを拠点とするジュエラー、キティ・フラーはUK版『VOGUE』に語る。
また、ロンドンのファインジュエラーであり金細工職人でもあるジェシー・トーマスも「近年、多様なパーソナルスタイルを称賛するムードが高まり、クラシックなエンゲージメントリングからの脱却を図る人が増えている」と話し、「私は、この大胆で彫刻的な美しさが大好きです。ユニークでありながら、タイムレスな魅力を持ち、スタイルのアクセントとしても秀逸ですよね」と続けた。
チャンキーなエンゲージメントリングが新たなトレンドとして浮上しているが、そのルーツは意外にもヴィクトリア時代に遡る。「宝石をバンドに埋め込むこのデザインは、当時主流だった爪留めとは異なり、フラットな仕上がりが特徴です。大きな石を控えめにセッティングできるため、デイリーにも取り入れやすいデザインになっています。実用性と耐久性に優れている点も、時代を超えて愛され続ける理由です」と、トーマスは語る。
今日に至っては、このスタイルをモダンにアレンジする人が増えている。「デュアのリングは、サイドが開いたハーフセッティングのダイヤモンドが特徴で、とてもクールで洗練された印象です」とトーマス。一方のフラーは自身もチャンキーなエンゲージメントリングを愛用しているが、最近ではカラーストーンを選ぶ顧客も増えていると話す。「ダイヤモンドが依然として一番人気のある石ですが、個性を反映させるために、ダイヤモンドの隣にカラーストーンを加えたり、受け継いだ家宝の石をリフォームするケースが増えています」。
ボリュームのあるエンゲージメントリングを検討するなら、まずは試着してみるのが正解だ。「私はクライアントの手に合わせて、デザインのバランスを調整するようにしています。自分に合うサイズを見つけたら、単なるトレンドではなく、自分らしさを感じられるデザインを選ぶことが大切です」とフラーはアドバイスする。
そして、最終的に大切なのはシンプルさ。「何よりも、美しい石と快適な着け心地にこだわること。一生身につけるジュエリーだからこそ、自分にとって心から楽しめるものを選ぶべきです」とジュエラーたちは口を揃える。
Text: EMILY CHAN Adaptation: Saori Yoshida
From: VOGUE.UK
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