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東京土産は●(まる)で解決-『榮太樓飴』の丸いカンカン

  • 2025.3.3

丸いものが好きである。丸いお菓子はそれだけで美味しさが保証されている(筆者私見)。だから、長年続く「東京土産」問題も、榮太樓(えいたろう)飴の●(まる)い缶で解決だ。

文:島崎昭光

みなさんは、『東京土産』に何を持って行く?
昭和世代であれば「亀屋万年堂」のナボナ、平成以降は「東京ばな奈」といったところか、しかしそれをもって「ザ・東京」というにはものたりない。

「これ、東京で流行ってるのよ」「この間テレビで紹介されたやつ」などという枕詞さえあれば、流行の最先端である“東京のお土産感”は出せるかもしれない。でもいくら有名だからといって「ニューヨークチーズケーキ」を東京土産に持って行くのはいかがなものか?

そう、これこそ長きにわたって論争を巻き起こしてきた「東京土産問題」。

この問題を鮮やかに解決してくれるのが、日本橋に本店を構える和菓子の老舗「榮太樓」の「榮太樓飴」である。そう、丸いカンカンでおなじみのあれだ!

日本橋の榮太樓は創業1851年(嘉永4年)。江戸時代から続く老舗の和菓子店だ。創業以来の伝統的な製法でつくる和菓子はどれもクオリティが高く、かといってお高くとまらず、庶民的なお菓子のラインナップを充実させている。特に、戦後に人気を博した「甘栗」は、昭和時代の甘栗ブームをけん引し、一定の年齢層以上であれば、東京の食べ歩きフードの定番といえば「榮太樓の甘栗」を思い浮かべる人も多いはず。

そんな江戸文化から戦後の東京の文化風俗を背負った榮太樓こそ、東京土産にふさわしい。そして、その中でもおすすめしたいのが●(まる)い缶入りの榮太樓飴なのだ!

まず、丸い。何よりもコンパクトな丸い缶。そして、いわゆる昭和レトロな愛らしいデザインは、出張のオフィスワーカーや、孫を心待ちにしているおばあちゃんだけでなく、あらゆるシーンの老若男女に受け入れらせるアイテム。特にカンカンは、もらったあとの処分が面倒なところがネックだが、このデザインならちょっとした小物入れに活用できる。オフィスワーカーならクリップなどの文房具入れに、自宅ユースならカジュアルなアクセサリーを詰めてもいい。

ラインナップも豊富だ。定番の「梅ぼ志飴」はもちろん「のど飴」「あまおう」など、季節限定のモノを含めれば常時8種類近くのバリエーションがある。どれも違うデザインでならべるだけで胸が躍る!丸い!
お値段もポケット缶サイズで432円(税込)とリーズナブル。用途や相手方の人数にあわせて缶の数をコントロールできるユーティリティさも東京土産として重要なポイント。

もちろん大切なのは味。コンビニで買えそうな一般的なアメとは一線を画す、というか別次元の味と風味。ポルトガル由来の「有平糖」製法で雑みのない砂糖のコクが舌を喜ばせ、カラメルの香ばしさは最強の風味となって鼻腔を駆け巡る。純度の高い良質の砂糖を強い直火で短時間に煮詰めたというだけあって、実は柔らかく、カリカリとかみ砕けるのも特徴だ。

しばらくしたら、かみ砕いて楽しむのもよいが、私は最後まで口の中でなめ続けるのをおすすめしたい。ゆっくりじっくりおよそ5分間、軽やかでそれでいて繊細な砂糖の甘みを舌と鼻腔で体感し続ける至福の時間をぜひ楽しんでほしい。

おすすめは定番の「梅ぼ志飴」。梅の酸っぱさはないのだが、赤い缶と「梅」という文字をみるだけで生理的に唾液量が増えていく。そのタイミングで梅ぼ志飴を口に含めばうまさが倍増なのだ。ちなみに飴の形は、マルではなく創業以来のサンカク。それもいい。

さあ、次回の東京土産は、日本橋の榮太樓に立ち寄って、大切な人へ「甘くて丸い幸せ」を届けよう。

榮太樓總本鋪
https://www.eitaro.com/Harumari Inc.
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