年の離れた先輩や後輩との関係って難しいですよね。一般的には、先輩は後輩を指導し、後輩は先輩を敬うものですが、それが必ずしもスムーズにいくとは限りません。今回は、職場での人間関係に関する友人の体験談をお届けします。
新人指導の難しさ
私は入社15年目の中堅社員です。最近は後輩の指導も任されるようになりました。
今年の春、中途採用で入社してきたのが20代後半の佐々木くん(仮名)という後輩です。
最初は緊張した面持ちでフレッシュな印象だった彼に、私は丁寧に仕事を教え、早く職場に慣れてもらえるよう、困りごとがあれば相談に乗ったりもしていました。
急変した態度
ところが、数週間経つと佐々木くんの態度は豹変! 私が女性だからか、見下すような言動が目立つようになってきたのです。
「先輩、その資料、フォントがダサいですよ」
「この仕事、僕に任せてくださいよ。先輩より早くできますから」
といった発言は日常茶飯事。
他の先輩社員からも「佐々木くん、ちょっと生意気じゃない?」という声が聞こえてくるように……。
関係を壊したくないという気持ちと、このままではチームの雰囲気が悪くなってしまうという焦りで板挟みになり、私はどうしたものかと悩んでいました。
勝手にした行動がピンチを招く!
そんな矢先、大きなプロジェクトが立ち上がり、私はリーダーに任命されました。佐々木くんもメンバーの一員です。
しかし、佐々木くんは頻繁に私の指示を無視し、自分のやり方で仕事を進めようとしました。
「先輩、そのやり方は古いっすよ」「僕の方が効率的にできますって」と、相変わらずのなめた態度。
結局、彼の見当違いなやり方と独断によって、プロジェクトは失敗寸前に!
クライアントからの信用も失いかけました。
上司は佐々木くんの責任だと理解してくれましたが、彼を暴走させてしまったのはリーダーである私の責任です。深く反省し、上司とクライアントに謝罪しました。
責任と成長
その後、私はこれまでの経験と知識を総動員し、プロジェクトを立て直すことに。
寝る間も惜しんで働き、チームメンバーと協力して、なんとか危機を脱することができました!
その様子を見ていた佐々木くんは、私の仕事ぶり、そしてチームをまとめる力に圧倒されたようです。
彼は初めて自分の未熟さを認め、「先輩、すみませんでした。自分のやり方は間違っていました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません……」と、心から反省している様子で謝罪してくれました。
その後、佐々木くんは以前のような生意気な態度はなくなり、素直に指導を受け入れるようになりました。
後輩の指導って本当に難しいですよね。人を育てることの難しさ、そして喜びを改めて実感した出来事でした。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。