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【THE RAMPAGE山本彰吾連載 前半】アメジスト/知的好奇心【YAMACHIHO STONEHENGE💎vol.02】

  • 2025.3.6

THE RAMPAGEの”頭脳“・山本彰吾さんの連載『YAMACHIHO STONEHENGE💎』。毎月の誕生石をイメージして、メイクやファッションでその世界観を表現していきます。誕生月のメンバーとのエピソードも♡

vol.02は2月の誕生石「アメジスト」をイメージして、トレンドでもあるパープルのアイメイク2ルックと、石言葉である「知的好奇心」についてのインタビューをお届けします・・・!

※取材に際して、質問をsweet 公式X、インスタグラムで募集したところ、たくさんのご質問をいただきました。ありがとうございました!

💎2月の誕生石:アメジスト
別名、「紫水晶」。石言葉は、高貴・知的好奇心・心の平和、常にポジティブな癒しをもたらす石、神様の涙。※諸説あり

漫画から、自分の固定概念だけじゃなくて

他の考え方もあるんだと学んだ

デザインTシャツ 参考商品(Requal≡/ESTEEM PRESS)、スウェットパンツ ¥24,970(irojikake)、ハット ¥12,100(CA4LA/CA4LA プレスルーム)、シューズ ¥14,700(NIKE SPORTS WEAR/NIKE カスタマーサービス)、パールネックレス ¥45,650、シルバーハートネックレス ¥19,580、ゴールドNEWYORKネックレストップ ¥10,780、NEWYORKトップにつけたチェーンネックレス ¥12,980(全てKNOWHOW Jewelry)、アメジストネックレス ¥88,000(MARIHA)、左手:シルバーリング ¥14,080、ゴールドリング ¥15,180、右手:薬指ハートリング¥21,780(全てKNOWHOW Jewelry)

(前半)

Q.知的好奇心ということで、学生時代の得意科目、好きな科目を教えてほしいです。

🍑「国語は小学生のときからずっと得意でした。作文を書くのも5分ぐらいで書いてたし、文章を読んで、『この話は何を伝えたいですか』みたいな問題あるじゃないですか。あれを問題にする意味がわからんぐらい、『これでしょ』みたいのがわかっていた記憶があります」

Q.YAMASHOさんは語彙が豊富だなと思うのですが、どうやって身に着けたのですか?

🍑「漫画が多いかもしれないですね。いろんな漫画を読んで、いろんなことを知りました。あとはやっぱりバイトの経験が大きい気がするな。綺麗な喋り方をしたいなっていうのはあります

――YAMASHOさんは話す言葉選びも、話し方や声のトーンも優しいですよね。

🍑「めっちゃテンションが上がった自分に恥ずかしくなっちゃうタイプなんですよ。『やった!』とか『イエー!』となったあとに、家に帰る途中で『ちょっと今日、テンション高すぎたかな』と思ったりするんですよね。ライブ以外ではずっとニュートラルでいたい一速ぐらいでずっと進んでいたいです」


Q,今まで読んだなかで一番知的好奇心がくすぐられた漫画を教えてください

🍑「最初に読んだのは、父親が持ってた『ビー・バップ・ハイスクール』(※1)とかの不良ヤンキー系の漫画です。そこからは少年誌とか色々と読んでましたけど、小学生の時に読んだ『NARUTO-ナルト-』(※2)は好奇心をくすぐられました。初めて自分でそこに飛び込んでいったし、作者の岸本斉史先生が岡山出身というのも、調べて気づいた時にもっと好きになりました。物語としてもいいんですよね。『NARUTO』ってファンタジーで、現実的にはありえないんですけど、結婚したり、子供が生まれたり、絶対こいつ死なないだろうなっていう仲良かったキャラクターが死んだりとかする。そういうことがこんなにエグいんだってことを知りました。そういうところから今の鬱漫画(※3)が好きなところに繋がってくる部分はあるかもしれないです」

※1:『ビー・バップ・ハイスクール』:作者はきうちかずひろ。1983年から2003年まで『週刊ヤングマガジン』で連載。ツッパリ高校生コンビのヒロシとトオルがケンカや恋に明け暮れる姿を描いた。

※2:『NARUTO-ナルト-』:作者は岸本斉史。1999年から2014年まで『週刊少年ジャンプ』で連載。『ONE PIECE』と並ぶ二大看板作品だった。忍同士が超常的な能力を駆使して戦いを繰り広げるバトルアクション作品。

※3:鬱漫画:救いようのないストーリー、陰惨な描写などで読後に憂鬱な気分を感じさせる作風の漫画を指す。1960年代頃から従来の明るく楽しい漫画のカウンターカルチャーとして登場。


――鬱漫画に目覚めたのはいつ頃ですか?

🍑「最初はただグロいサイコパス、シリアルキラーっぽい漫画を読んでいたんですけど、なぜ殺人鬼になったのかというドキュメンタリーを読んで、そこから『鬱漫画』というジャンルを知って、『血の轍』(※4)を知って、一気にハマっていきました。
『血の轍』は毒親の話。子供がきれいで厳しいお母さんのことをすごく好きなんですけど、美化してるんですよね。だんだんお母さんがしんどくなって、めんどくさくなるんですけど、最後の最後で視点が一気に俯瞰に変わったときにお母さんがすごく老けてたりして、子供の中で勝手に親に植えつけられていた(母親)像みたいなものが壊される瞬間があって、それを読んだ時に、自分自身の固定概念だけじゃなくて、他の考え方もあるんだと勉強になりました

※4:『血の轍』:作者は押見修造。2017年から2023年まで『ビッグコミックスペリオール』で連載。不安定な母子の関係を描くサイコサスペンス。

――なかなか深そうな内容ですね。

🍑「分からないことが、分からなくもないみたいな、なんでこうなるんだろうっていうのが、全く分からないことでもないみたいな、微妙なところをぐっと掴んで来るので気になりますね。そのあとは『ソラニン』(※5)を描いた浅野にいおさん作品にハマっていきました」

※5:『ソラニン』:作者は浅野にいお。2005年から2006年まで『週刊ヤングサンデー』で連載。2010年に実写映画化。大人になる葛藤を描いた青春ラブストーリー。


――大人になった今、何の漫画が一番面白いですか?

🍑「『「子供を殺してください」という親たち』(※6)ですね。精神科医療とのつながりを必要としつつも、病院に行くことを拒む引きこもりの方などを、強制ではなく本人の同意のもとに医療につなぐ役目をされていた押川剛さんの自伝を基にした作品です」

※6:『「子供を殺してください」という親たち』:原作 押川剛、構成 鈴木マサカズ、作画 うえのともや。北九州市内に若者の自立・更生支援施設「本気塾」を設立した原作者、押川剛の事実に基づいた経験を基に描かれた。2017年から『月刊コミック@バンチ』で連載。

――かなり社会派ですね。

🍑「はい、かなり考えさせられますね」


Q.歌詞が面白いなと思うラッパーの方がいたら教えてください

🍑「般若さん(※6)は昔から聞いてます。伝えたいことのパワーがすごくて、リリックも日常的に出てきそうな言葉を入れるのが本当にきれいで、なおかつ熱くてすごく好きです」

※6:般若:1978年生まれのラッパー。1995年頃から活動開始。2015~2019年にかけて、テレビ朝日系『フリースタイルダンジョン』ではラスボスとして出演。近年では児童虐待の事件を受けて、児童虐待防止に取り組む団体を設立するなど社会貢献にも尽力。最新アルバムは『笑い死に』。

――YAMASHOさんもラップをされますが、語彙のストックがないと大変そうですよね。

🍑「そうですね。そういう意味では自分はよかったなと思いますね。割とすらすらと言いたいことを、文章にできるのかなというのはあります」

――韻と言いたいことはどちらを先に作るのですか?

🍑「どっちも、という感じです。例えば、『これは絶対、日本語じゃハマらないな』って言葉を英語に変換したら韻にハマったりするパターンもあるし。同じ意味だけど違う言葉の類義語ってあるじゃないですか。たとえば『賛成』と『同意』って、音が違うけど意味は同じ。だから、『全方位のみんなに賛成してもらいたい』みたいな意味で、『全方位させる賛成』より『全方位させる同意』だったら、『方位』と『同意』でもっと短いスパンで韻が来るので、たとえばそのあとに『脅威』とか『もういい』とか、話を作っていくみたいなやり方は好きですね。
MA55IVEの場合は、限られた小節のなかに決めなきゃいけないので、メロディを決めてから、言いたいことを1個、醤油みたいな感じでポンって入れると和食みたいに『こういうことを言いたい』というものになるイメージですね」

――それは時間がかかりそうです。

🍑「そう、だから、やっぱりたくさん曲を出してる人はマジですごいなと思いますね」


――YAMASHOさんのHIP HOP歴はもともとお父様からの影響でエミネムの『8Mile』(※7)から始まったというお話しをお聞きしましたが(YAMACHIHO HENGE vol.03後半)、エミネム以降のHIP HOP遍歴を教えてください。

※7:『8Mile』:2002年、アメリカの映画。ラッパーのエミネムの半自伝的な作品で、自らが主演。自動車産業が斜陽となったデトロイトを舞台に、貧困にあえぐ青年ジミー(エミネム)がラップバトルで勝ち上がっていくさまを描き、日本でもカリスマ的な人気を誇る作品となった。主題歌は『Lose Yourself』(エミネム)。

🍑「エミネムから始まったので、そのまま50セント(※8)というレジェンドに行って、ダンスを始めてからはR&Bを聴くようになりました。オマリオン(※9)とかクリス・ブラウン(※10)とか。そこでフューチャリングしてたバウ・ワウ(※11)とかリル・ウェイン(※12)にいって、常に海外ラッパーのリアルタイムを追いつつ、父親がZeebraさん(※13)の曲をカラオケで歌ってて、そこから日本語ラップを聴きだしたんですよ。で、『Grateful Days』(※14)に辿り着き、気づけば中学生で、みんながAK-69さん(※15)とかを聴きだしていて、地元のイベントに出ても先輩にラッパーがいたりして、『やっぱりラップかっこいいな』とどんどん掘っていって、その年代の日本語ラップをずっと聴き続けてきたという感じです」

※8:50セント:1976年、アメリカ・NY州生まれ。12歳でドラッグディーラーとして名を馳せるなど幾多の苦難を乗り越え、世界中で評価されるギャングスタ・ラッパーとなる。

※9:オマリオン:1984年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。2001年、本格派R&Bティーン・アイドル・グループB2Kのフロント・マンとしてデビュー。2005年ソロデビュー。

※10:クリス・ブラウン:1989年、アメリカ・ヴァージニア州生まれ。2005年、16歳でデビュー。JAZZFUNKというダンススタイルを取り入れており、MVやライブで披露。

※11:バウ・ワウ:1987年、アメリカ・オハイオ州生まれ。6歳のときにスヌープ・ドッグのステージで共演したことがきっかけでスヌープから”リル・バウ・ワウ”と命名される。13歳でデビュー。2016年、20億以上を稼いだという彼は29歳でラッパーを引退。

※12:リル・ウェイン:1982年、アメリカ・ルイジアナ州生まれ。14歳でラッパーとしてのキャリアをスタート。2010年リリース『I Am Not A Human Being』は獄中生活を送りながらもリリースし、全米1位を獲得した。

※13:Zeebra:1971年、東京生まれ。キングギドラのフロントマンとして1995年にデビュー。翌年、グループ活動休止後、1997年にソロデビュー。2015年には自身がオーガナイズとメインMCを務めるMCバトル番組『フリースタイダンジョン」がテレビ朝日で放送開始。2017年、自身の長年の夢でもあったヒップホップ専門ラジオ局「WREP」(YAMACHIHO HENGE vol.01前半でYAMASHOさんがおすすめしてくれたバー&ラウンジを併設)をインターネットラジオとして開局。日本語のラップでの表現を新たな次元へと引き上げた立役者の一人。

※14:『Grateful Days』:ミクスチャー・ロックバンド Dragon Ashが1999年にリリースした5thシングル。ゲストボーカルにZeebraとACOが参加。Zeebraのパートの出だし部分、『俺は東京生まれHIPHOP育ち/悪そうな奴は大体友達』というフレーズはあまりにも有名。

※15:AK-69:1978年愛知県生まれ。2004年より自身のファッションブランド「BAGARCH(バガーチ)」のプロデュースも行っている。


Q.絶対に怒られるけどやってみたいことはありますか?

🍑「結構やりたいことやってて、しかもプランが立てられないタイプだからな…。怒られないけど、やってみたいこととかだと、この連載で何回も言いますけど(YAMACHIHO HENGE vol.04前半、YAMACHIHO HENGE vol.06前半)、カフェと古着屋さんが合体して、ダンススタジオと一緒になったところはやりたいです」

(後半に続く)


photo : FUMIKO SHIBATA
styling : YUKO TOSHIMA
hair & make-up : Aki
text : sweet web

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