昨年来、イギリスのチャーリー・ハルが咥えタバコでロープ側にいるキッズたちにサインしている映像がバズっている。ハルは煙をもうもうと吐きながらロープ際のキッズたちにサインしている。
喫煙姿は今年も健在!ツアーで人気の“悪役キャラ”
笹生優花が優勝した昨年の全米女子オープンでの模様が広がったのだが、この映像によってハルのSNSのフォロワーが一気に7万人も増えたこともニュースにもなった。
そんなハルの喫煙は、今年も健在だ。2月の「ファウンダースカップ」では、吉田優利と三日目に同組になった。ティーグラウンドで携帯電話を見るし(*スコアを確認したり、プライベートな緊急連絡をするだけならルール違反ではない)、そうかと思えばロープ内でタバコをプカプカ。それも電子タバコではなく、昔ながらの紙タバコだ。
ティーイングエリアからフェアウェイに向かう間も、ハルの口から紫煙が上がる。セカンド地点で待っている間は絶好のスモーキングタイムだ。最近の日本のタバコ事情には詳しくないものの、確かフェアウェイでは吸わないのが“常識”だったと記憶する。
ハルは、自分に打順が回ってくるとキャディーに火のついたタバコを渡し、アイアンショットを打つ。打ち終わると、アイアンをキャディーに手渡し、キャディーはタバコをハルにさっと渡す。息の合った動作だ。ちなみに、ハルはこのホールでバーディーを決めている。
また、チャーリー・ハルと人気を二分するようなLPGAの“悪役キャラ(失礼!)”といえば、ダニエル・カン。こちらは電子タバコを愛用している。電子タバコの方が紙タバコよりも煙が目立つようで、フェアウェイ地点にいるカンが煙を上げる様子がグリーンからもはっきりと見えた。
悪役キャラとはいえ、カンは畑岡奈紗がルーキーの頃に、ルーキーのお世話係(ビッグシス=Big Sis)を任された選手で、非常に面倒見が良いことでも知られている。見かけはいざ知らず、中身はしっかりとした選手なのだ。
近年は喫煙者の肩身は狭くなるばかりだが、この二人と、そして男子のジョン・デーリーやミゲル・アンヘル・ヒメネスのおかげで居場所は少し広がりそうだ。試合中の喫煙は、米ツアーでは禁止されていない。全員が品行方正な優等生キャラばかりになっては少し寂しい。こんな“悪役キャラ”がいてこそ、ツアーの人気も広がるのではないだろうか?
ちなみに、ハルと同組となった吉田は、ハルのプレーペースが非常に速いことを、とても気に入っていた。今のLPGAでは、スモーカーよりもスロープレーヤーの方が嫌われるのかもしれない。
いかがでしたか? 今後もチャーリー・ハル選手から目が離せません!
フォトグラファー 田辺安啓 (通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。