■働いていた店舗の別売り場が万引きの被害に
これは、社会人1年目で洋服の販売職をしていた、たにさんの実体験です。ある日、店長から「他店舗で万引きが増えている」という報告を受けた、たにさんたち。すると、同期のおかちゃんも万引きの被害にあっていたことが明らかに。
たにさんが働いていた店舗は規模が大きく、商品数も従業員数もお客さんも多い環境でした。万引きが起きたら、その瞬間に捕まえるしかなかったのですが、広い店舗の中ですぐに店長を見つけることは難しく……。
おかちゃんが担当する売り場で、大量の服を試着室に持ち込み、売り場に戻さない2人組がいるとのこと。何度注意しても聞かないため、不審に思ったおかちゃんは万引きを疑って、店長を探しに行くことに。
売り場を離れている間、別の従業員に怪しい2人を見張ってもらっていたものの、少し目を離したすきに姿を消してしまいました。
試着室に大量に持ち込まれていたはずの商品は跡形もなく、万引きされたと判断したおかちゃん。店長とたにさんも一緒に手分けして怪しい2人を探したものの、見つからず。
監視カメラの映像も荒かったため、誰が万引きを行ったのか特定できませんでした。
■万引きが疑われるお客さんに声をかけてみたら……
おかちゃんの売り場で万引きが発生してから数週間後、たにさんはとあるお客さんに話しかけられました。何か商品を探しているのかと思いきや……。
たにさんに話しかけたお客さんは、その人が商品をカバンに入れたところを目撃したと言います。しかし、たにさん自身はそのお客さんが万引きした瞬間を見たわけではありませんでした。
不審な動きをしている人を見つけたら、すぐに店長を呼ぶように言われていましたが、万引きしたかもしれないお客さんは、お店を出る直前でした。
声をかけるか悩んだたにさんですが、万引きを目撃したお客さんに後押しされたことと、本当に万引きをしていたら許せないという気持ちもあり、勇気を持って声をかけることにしました。
■作者のたにさんにインタビュー
ー「あの人が万引きしているところを見た」という報告を受けた時は、混乱したところもあったかと思います。報告を受けた時に、たにさんがまず何を思ったかを伺いたいです。
めちゃくちゃ驚きました。あとは怖かったです。この時は本当にまだ若く、そんな報告を受けたこともなかったので。ただ何とかしなければという思いもありました。
ー自分の目で見ていない状態で、万引きを疑われているお客さんに声をかけるのは怖かったと思います。それでも引き下がらずに声をかけられた理由を教えて下さい。
やっぱり自分が発注したり売り場に出した商品ですし、もし万引きが本当だとしたらまた繰り返しされるかもしれない。そう思い勇気をだして声をかけました。
ー万引きを疑われたお客さんが逃走した際は、どのように思いましたか?
は!?!?って思いました。と同時に万引きしたのだと確信しました。
ー社会人1年目にして、万引き犯と遭遇したのは、かなりショックが大きかったのではないかと思います。その後の仕事に支障は出ませんでしたか?
その後はしばらくしんどい時もありましたが、同期や家族に話を聞いてもらい、だいぶ精神的に楽になりました。あとは本当に忙しかったので時間が解決したともおもっています。
■逃走したお客さんを追いかけると、修羅場が待っていた
たにさんが声をかけたお客さんは、思わぬ場所に向かって逃走。追ったたにさんを待っていたのは、長い戦いでした。万引きを疑われたお客さんが、ここからどんな行動に出るのか、たにさんがどのように奮闘したか、ぜひ続きをチェックしてみてください。
(ねむみえり)