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【健康常識のウソ】「あらゆる種類のビタミンをたくさんとるほど体にいい!」その思い込み、実は間違っているかも!?【南雲吉則先生の「その健康常識、実は間違っています!」】

  • 2025.3.16

 

「これって健康にいいはず」と思い込んでいることも、実は効果がなかったり、やり方によっては逆効果になってしまったりすることも。皆さんがいいと思っていた健康常識のウソを、南雲吉則先生がズバッと解説してくれます!
 
今回は、「ビタミン剤をたっぷりとると健康にいい」についてのウソを教えていただきました。

  • A子さん
    健康で過ごすためにはビタミンをとることが大切!がんを予防するためにも、毎日しっかりビタミン剤を摂取したほうがいいですよね?
  • 南雲吉則先生
    いいえ、それ実は間違っています!

ビタミンは種類も量もとればとるほどいい、というわけではありません

―健康にいいと思って、毎日欠かさずビタミン剤を飲んでいます。これって間違っていたんですか? ビタミンを摂取することは、健康やがんを予防するために大切です。しかし、その人の状況によっては、逆にがんの死亡率を上げてしまい寿命を縮めてしまう可能性もあるので注意が必要です。 30代40代が摂取している健康食品の1位は、マルチビタミン剤です。マルチビタミン剤にはビタミンA、B、C、D、Eなどさまざまなビタミンが含まれています。バランスよくビタミンが含まれていていいように思えますが、その人の体の状態によって必要なビタミンは異なってくるので、必ずしもいろいろ入っているものがいいとは限りません。いろいろなビタミンをとりたいのであれば、新鮮な野菜やフルーツからとるのは問題ありません。特に、可能であれば皮ごと食べると、さらにたっぷりビタミンがとれます。 今回は、どんな人がどのビタミンに注意したほうがいいのか見ていきましょう。

美容のためにとることが多いビタミンA、B群は人によって注意が必要です

―お肌のためにビタミンAを飲んでいますが、これは大丈夫でしょうか?
ビタミンAは、目や肌や粘膜の健康を守り、感染症予防に効果が期待できるビタミン。発展途上国では乳幼児に欠乏症が多く、眼球乾燥症や失明の予防には効果があると言われています。小児のはしか死亡率減少も期待できます。そして、家族に乳がん患者がいる方の場合は、閉経前の乳がんリスクを下げるとも言われています。 一方で、進行性の乳がん治療には効果がなく、そのほかのがんでも効果は見られていません。逆に肺がんの場合、ビタミンAとB-カロテンを投与した患者の死亡率が高くなったというデータもあるので、該当する方は注意が必要です。

―葉酸などが含まれるビタミンB群は、女性を中心によく摂取を推奨されているので、とっていいビタミンなのでしょうか?
ビタミンB群には葉酸、B12、B6などがあり、確かに葉酸やB12は妊婦さんや貧血の治療には有効なビタミンで、循環器疾患にも有用という話もありますね。ビタミンB6は大腸がんのリスクを下げる研究結果も出ています。 一般的にビタミンB群は、動脈硬化や認知症のリスクを減らすと言われています。タンパク質は体内でメチオニンというアミノ酸に変わり、それがさらにホモシステインというアミノ酸に変ります。このホモシステインが血液中に蓄積すると、動脈硬化や認知症のリスクが高まりますが、ビタミンB群にはそれらを減らす効果があります。 厚生労働省の統合医療サイトe-JIMによると、ビタミンB群は血中のホモシステインを減らしてくれています。しかし、それらが虚血性心疾患や脳卒中、認知症に効いているというエビデンスはいまのところありません。一方で、ノルウェーで行われたコホート研究によると、葉酸やB12を長期間摂取した人のがんの総死亡率は増加していたというデータも。 葉酸やビタミンB12は循環器系疾患のある方や貧血の治療をしている人には有用ですが、そういった問題のないがん患者さんはとらない方がよさそうです。 ビタミンB6も、循環器疾患や大腸がんのかたには有用と言われています。ただ、その他のがん全般にはそこまで効果があるというエビデンスはありません。

ビタミンDは不足しがちでとるメリットが大きい栄養素

ーとる際に気をつけたほうがいいビタミンがあるんですね。
さらに注意したいのがビタミンEです。出血性脳卒中や前立腺がんのリスクが増加したというエビデンスもあり、抗がん剤や放射線治療中の人は、摂取を控えるべきではないかと個人的には考えます。

―多くの人が積極的に摂っているイメージのビタミンCはどうでしょうか?
ビタミンCの摂取はライナス・ポーリング氏の発表により、以前はがん治療に効果があると言われていました。しかしその後の研究で特に効果がないことがわかったのです。ビタミンCを摂取したからといって体に害はないですが、特にがんの予防や治療に効果もありません。鉄分の吸収を促進してくれるので、鉄分不足になりがちな日本人はとってもいいとは思います。

―積極的にとったほうがいいビタミンはあるのでしょうか?
ぜひとって欲しいのがビタミンDです。ビタミンDが不足するとがんの死亡率が上がるだけでなく、心筋梗塞、肝臓不全、腎不全、うつ、認知症、自己免疫症、骨粗しょう症など、さまざまな不調が起こります。 研究結果でも、充分にビタミンDをとっている乳がん患者の死亡率は0.58倍と低く、ビタミンDとがんの罹患率には大きな関係があると考えられているのです。 また、70代になると女性の2人に1人は腰が曲がっています。一度曲がってしまうと元に戻すことはむずかしいもの。そうならないためにも、60代の素敵世代は腰が曲がっていないうちからビタミンDをきちんととることが重要。日本人の98%はビタミンD不足と言われているので、ぜひみなさんにもっと積極的に摂ってもらいたいですね。

結論!がん予防や健康寿命を延ばすためにビタミンDをとることが大切!

  • A子さん
    ビタミンDをしっかりとるにはどうしたらいいですか?
  • 南雲吉則先生
    まずは日光浴をして、紫外線を適度に浴びること。日焼けマシンもおすすめですよ。 魚介類や卵類にもビタミンDが含まれていますが、食べ物だけで必要量を摂るのはなかなかむずかしいため、あわせてサプリで補うのがおすすめです。

不足しがちなビタミンDとオメガ-3脂肪酸を手軽にとれるサプリメント

南極海のスーパーフード「南極オキアミ」から抽出されたクリオオイルには、体内で合成できないオメガ-3脂肪酸を豊富に含み、不足しがちな栄養素を効率よく補ってくれます。また、ビタミンD3を同時にとることができ、紫外線対策を徹底している人や魚をあまり食べないという人にもぴったりの一品です。
 
命のクリルオイル KRILLOIL 85.2g(710mg✕120粒)¥10,800/命の食事

撮影/山辺恵美子(人物) 文/酒井明子

教えてくれたのは 南雲吉則先生

医学博士、乳腺専門医でナグモクリニック総院長。4つの院で乳がん手術、乳房の美容、再建手術を行う。自ら立ち上げた「命の食事プロジェクト」ではがんから命を救う食事と生活指導を行い、講演にも力を注ぐ。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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