是枝監督がリメイク『阿修羅のごとく』など、話題のドラマ・映画をお届け！

2025.3.3

気になる映画とイベントをご紹介！

1 Netflix シリーズ『阿修羅のごとく』“是枝マジック”と豪華キャストで昭和の名ドラマがよみがえる

人気脚本家・向田邦子による伝説のドラマ「阿修羅のごとく」（1979年）を、是枝裕和監督がリメイクしたNetfliｘシリーズが配信中です。宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すずが主人公の四姉妹を演じ、それぞれ違う人物像や恋愛観が悲哀とともに描かれます。

セリフはほぼオリジナル版を踏襲しており、コンプライアンス厳しい現代にはやや違和感がある言い回し＆ふるまいが多いけれど、姉妹が花咲かせるガールズトークには妙に共感。70年代家電やお菓子、商店街の佇まいなど当時を絶妙に再現した昭和レトロの風景がノスタルジックで、それらが是枝作品らしい深い質感で撮られた映像美がスゴい！

身勝手な男キャラの中でも特に好演していたのがモッくん（本木雅弘）。昭和のおっさんのしゃべり方そのものでオヤジギャグ＆屁理屈をつぶやきまくってます。

story：1979年の東京。生き方も性格も異なる4姉妹（宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すず）は、堅物だと思っていた父（國村隼）の不倫を知る。母（松坂慶子）を案じるが、娘達もまた、夫の浮気や自身の不倫などの秘め事を抱えていた。

監督：是枝裕和／出演：宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すず、本木雅弘、内野聖陽、松田龍平ほか／Netflixにて独占配信中
© Netflix

2 『名もなき者／A COMPLETE UNKNOWN』ボブ・ディランを知らない人こそ

ノーベル文学賞を受賞し、偉大なるミュージシャン／アーティストとして知られるボブ・ディラン。とはいえ、彼の全盛期は60年代なので、その熱狂を知らない方は多いはず。そういう人ほど、今年の映画賞レースで注目されている、彼の伝記映画『名もなき者／A COMPLETEUNKNOWN』を観ると超納得よ。

音楽の道を目指す普通の若者だったディランが、NYで出会った人達の影響をうけ、若者の代表とされるスターに。その立ち位置に納得できない反骨精神がどう生まれたかを描く力作。ティモシー・シャラメの歌声も抜群です。

story：1961年、わずか10ドルを手にNYへやってきたボブ・ディラン（T・シャラメ）。人気シン
ガー、ピート・シーガー（E・ノートン）らとの出会いを経て、次第にフォークの世界で注目を集
める。が、名声の高まりに疑問を抱いた彼は、65年7月25日にある決断をするのだが……。

監督：ジェームズ・マンゴールド／出演：ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エ
ル・ファニング、モニカ・バルバロほか／配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン／公
開：2月28日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
© 2024 Searchlight Pictures.

3 『セプテンバー5』放送メディアが揺れてる今観るべき社会派

アカデミー賞前哨戦で作品賞で有力とされる全米映画製作者組合賞の候補になった『セプテンバー5』。この作品は、72年のミュンヘン五輪選手村で起きたテロリスト籠城事件。それを報じなければならなかった報道専門じゃないTV局のスポーツ班を描いた社会派。

日本の放送メディアに激震が走り、メディアの役割が問われている今。これを観ると、そもそもテレビ局の人って一枚岩じゃないし、メディアが担う役割を全うするために、どのようなことがされているか、メディアの裏側が分かりますよ。

story:1972年、ミュンヘン五輪選手村で、パレスチナ武装組織がイスラエル選手団を人質に籠城。そのテレビ中継を担当したのは、報道とは無縁のスポーツ番組専門のクルー達。全世界が固唾をのんで見守るなか、彼らは何を報じ、何を伝えるかの選択に迫られる。

text : HAZUKI TOGO(1), MASAMICHI YOSHIHITO(2,3)
web edit : KIMIE WACHI［sweet web］

※記事の内容はsweet2025年3月号のものになります。
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