きちんと休むためには、自律神経を整えることが先決。自律神経の名医といわれる、小林弘幸順天堂大学教授の著書『自律神経の名医が教える究極の休み方』から、心と体の休め方をご紹介! 自律神経がどんな働きをしているかについて手早く学びましょう。
自律神経の働き
まずは自律神経について 知ることが健康への第一歩
私たちの体には動作や感覚をサポートする、さまざまな神経があります。~中略~
そのうち脳から体の器官に情報を伝える神経のひとつを「自律神経」といいます。~中略~
内臓や代謝、体温といった全身の機能を調節する自律神経ですが、なかでも健康維持と密接に関係しているのが「血液」です。自律神経は体のなかをめぐる血液をコントロールし、その血液によって体に必要なエネルギーを届けています。
もし、行き届くエネルギーが不足していると、体の細胞が機能せず、不調を招くことになります。
たとえば自律神経に問題が生じ、末端の毛細血管への血液が滞ると、冷えにつながったり、老廃物の排出がうまくできずに、むくみやすくなったりします。最終的に毎日の疲れが取れにくくなり、美容面にも悪影響が及ぶなど、体の不調につながります。
血液の流れに密接にかかわってくるのが脳です。もし、栄養や酸素不足で脳の働きがにぶると、判断力や集中力、記憶力の低下につながります。思考力も落ちてしまい、心の健康にも影響してくるのです。(『自律神経の名医が教える究極の休み方』 序章「究極の休み方」は自律神経を整えることにある01 より)
体を活性化する交感神経 体を癒やす副交感神経
体の隅々に血液のエネルギーを運ぶ自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられます。体を動かすために、それぞれ重要な役割があります。
交感神経は自律神経のなかでも興奮や刺激を全身の器官に伝える神経です。たとえば運動をしているときは、鼓動が速くなり、気持ちが高ぶります。「アドレナリンが出ている」なんていう言葉を耳にすることがありますが、このアドレナリンが出ている状態、つまり心身ともに「興奮モード」のときに交感神経は優位に働きます。
次に副交感神経とは、自律神経のうち臓器や器官などの働きを抑制する神経です。~中略~
お風呂でのんびり入浴しているときや、目を閉じて深呼吸しているときなど、心も体も「リラックスモード」のときに副交感神経は優位に働くのです。(『自律神経の名医が教える究極の休み方』 序章「究極の休み方」は自律神経を整えることにある02より)
ずっと悩んでいる不調…… 実は自律神経のせいかも
また、自律神経が乱れる主な原因のひとつとして、「加齢」が挙げられます。
一般的に男性は30代、女性は40代にさしかかったあたりから体力低下がスタートし、それと同時に副交感神経の働きが低下するということがデータでも検証されています。~中略~
自律神経の傾向を知り、しっかりケアしていくと、体の不調が改善するだけでなく「若く見られるようになる」というメリットもあります。自律神経が整うと、質のよい血液エネルギーが体中をめぐります。胃腸の調子がよくなり、栄養素をたくさん吸収できるため、肌や髪がツヤツヤしてきます。さらに、消費しきれなかった糖質を脂肪として蓄えることもありません。
つまり、自律神経を整えている人は、実際の年齢よりも若さを保つことができるのです。(『自律神経の名医が教える究極の休み方』 序章「究極の休み方」は自律神経を整えることにある03 より)
40代に差し掛かると自律神経が乱れがちになるという傾向を理解し、自律神経を整えることに意識を向けよう。それが疲れにくい心と体づくり、さらには効果的な休息の土台になるはず!
書籍紹介
『自律神経の名医が教える究極の休み方』
順天堂大学医学部教授 小林弘幸
自律神経を整えることで、疲れやだるさから解放され、活力に満ちた毎日を。自律神経の名医・小林弘幸教授が女性のために提案する究極の休み方を解説。
第1章 いつも体に休みをもたらす行動習慣、第2章 日常に安らぎを与えるマインドセット、第3章 休憩を取るための究極の食事術、第4章 休憩につながる究極の運動&マッサージ、第5章 人間関係で疲れたときに心を休める方法、第6章 ベストコンディションをつくる休日の過ごし方の全6章。自律神経を整えることできちんと心身を休ませて元気に! 単行本1650円、Kindle版(宝島社)