挨拶って、人間として社会と関わるための基本ツールですよね。お相手に敬意を払い、「私はあなたの敵じゃありませんから」と友好関係を結ぶため、自分自身が「私は常識人です」「感じのいい人間です」というアピールをするためのものでもあります。と同時に、挨拶とは、「自分は“こんな人”ですよ」というさらに突っ込んだ自己紹介をする行為でもあることに、みなさん気づいていらっしゃいますか?
職場で、プライベートで。実際はすごく優秀だったり、魅力的だったりするのに“挨拶でその個性を生かせていない”方をよく見かけます。もったいないですよね。「人の魅力は時間をかけないとわからない」なんてこともよく言われます。でも、会う人会う人、そんなに時間をかけて付き合いますか? 逆に自分が相手からしっかり時間をかけて付き合ってもらえますか?
学校や職場などが同じであれば、長い時間を通じてじわじわ知り合うこともできるでしょう。でも、多くの人が忙しくしている現代においては、じっくりと時間をかけて互いを知り合える関係性というものは、以前より減っているのではないでしょうか。試験に例えるなら、挨拶という1次試験で落ちてしまうと「後がない」状況が増えているとも言えるかもしれません。ただ、逆手を取れば、1次試験たる“挨拶”で一発合格を決めれば、次に進める。チャンスが広がるというわけなんです。
では、どんな挨拶がいいのか。
1.明るく
2.笑顔で
3.ハキハキ通る声で
4.自分からする
のが基本です。わたくしはいつも、人間関係で困っているというご相談には、まず、この4つの条件すべてを満たした挨拶をするようにしてくださいとお伝えしています。ご家庭でも友人間でも職場でもオールマイティに効きます。
開運を願う読者のみなさまには、そこからさらに一歩進んで、挨拶パワーを使いこなしてほしいのです。いいですか? 朝イチの「おはようございます」から自己表現、自己演出は始まっているのです。みなさんはヘアメイクやファッションで自分を表現していますよね? それと同じように挨拶でも自分を表現し、演出していただきたいのです。
最初に挨拶における基本条件をお伝えしましたが、その場その場で、自分の目的を叶えたいなら、アレンジが必要になります。たとえば、「今日は大事なプレゼンがあるから、信頼される、成功する雰囲気を出したい」ときと「助けてもらうためにも、切羽詰まっている感をちゃんと感じとってほしい」という場合では、出す表情や声が同じでいいはずがありませんよね? そうした明確な目的、意図があれば、自ずと挨拶は変わってくるもの。そして、その結果も変わっていきます。プレゼン用にまとったビジネススーツが、初めてのデートのために身につけたドレスが、生きるも死ぬも挨拶ひとつ! なのですよ。
言い方を変えれば挨拶ひとつで、その場の自分の“キャラ設定”ができるということ。頼もしい上司になることもできれば、忠実な部下にもなれますし、お茶目にもエレガントにもなれる。さらにひねって、最初の挨拶とその後の振る舞いでキャラチェンジをして、ギャップを作って印象づけることだって可能。人生をうまく生きている人、運を味方につけている人はこれが上手なんです。そして、上手な人は少数派。だから、ちょっと意識するだけで、挨拶パワーをコントロールできるようになります。
また、挨拶は間合いが重要。挨拶する人間同士、挨拶によってお互いを感じ合うわけです。お相手の人となり、エネルギーの大きさ、“気”の質感。そこで先手を取って、いい挨拶ができれば、先手必勝的に物事がうまく運ぶはず。基本の挨拶の4.ですね。いい挨拶で先手を取れば、その場においてある程度主導権を握れると知ってください。「私はシャイだから」といった言い訳はやめましょう。ハッピーに、そして、思い通りに人生を動かしたいなら、目的に合わせて挨拶を使いこなすの術をマスターしましょう。
プロフィール
藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)
元銀座のクラブのホステス。占い師・開運アドバイザー。著書『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。個人鑑定はこちらから。
Text: Yusetsu Fujishima
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