意外と地域性が出やすい学校給食。中には地方限定のユニークなメニューもあるようですが、SNSなどでは埼玉県の給食に“謎メニュー”があると話題になっていました。
地元民「全国で食べられてるわけじゃないんだ……」
“謎メニュー”として注目を集めていたのが「ゼリーフライ」。ゼリーなのかフライなのか、名前だけでは分からないですよね。
名前はデザートっぽくもありますが、実際のメニューは衣のついていないコロッケのような総菜。つぶしたジャガイモと、おからやネギ、ニンジンなどを合わせ、小判形に成形して油で揚げた、埼玉県行田市のソウルフードです。
ゼリーフライのルーツは古く、日露戦争時に中国から伝わったとされる「野菜まんじゅう」から生まれたといわれています。昭和初期には、行田市の足袋工場で働く女性たちのおやつとして、ゼリーフライが人気だったという歴史も。実際、ゼリーフライにはジャガイモが使われているので、腹持ちがよいのが特徴。さらに、食物繊維が豊富なおからもたっぷり使用されているので健康的です。
名前の「ゼリー」部分はどこから来たかというと、元々は小判のような見た目から「銭(ぜに)フライ」と呼ばれていました。のちに呼び方がなまり、なぜか「ゼリーフライ」という名前で定着。そのため、一般的なデザートの「ゼリー」とは全く関係ありません。
行田市民に長年愛されてきたゼリーフライ。「他県民にゼリーフライの話をすると、甘いゼリーを揚げてるの!?って毎回驚かれる」「ゼリーフライって全国で食べられてるわけじゃないんだ……」などの声が上がっていました。
ちなみに、埼玉県にはゼリーフライの他にも、「さきたまライスボール」というご当地給食メニューが存在します。県産小麦粉と県産米粉を50%ずつ使用したパンで、中央に砂糖が入っているのが特徴。ほとんど市販されていない、埼玉の学校給食ならではの“マル秘メニュー”のようです。
地域独自の魅力にあふれた学校給食。なお、埼玉県内にはゼリーフライを提供する飲食店もあるので、気になった人はぜひ一度足を運んでみてくださいね。
オトナンサー編集部