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レンガ倉庫の中に建てた、山荘みたいな小さな家。コロニヘーヴ代表・大谷浩輔の居住空間

  • 2025.2.26
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 入口、

小ささは暖かさ。3連の四角い窓から山々を望む

北海道は東川から美瑛(びえい)へと抜ける国道沿いに、町のランドマークとも言える築60年のレンガ倉庫がある。地元・東川農協が穀物倉庫として使っていた建物で、大谷浩輔さんはその倉庫を買い受け、建物の3分の2をスケートボードのインドアパークに、残り3分の1をスノーボード関連のオフィスと住居に改修し、暮らしている。

〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 外観
1962年に建てられたレンガ倉庫で壁には農協マークがうっすらと残る。新たに開けた3連窓が建物をぐっとモダンな印象に。入口のポーチも新設で、屋根は元のトタンが錆びていたのでゴムアスファルトに葺き替えた。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 キッチン
キッチンを北側の壁側に配し、リビング・ダイニングをコンパクトにまとめた居住空間。秘密基地のような1階のパークとは対照的に、窓からの日差しで明るく、眺望も抜群。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 1階作業場
大谷さんはスノーボーダーでもあり1階ではスノーボードブランド〈フィールドアース〉の板のオーダーや加工もできる。

幅21m、奥行き10m、高さ10m。住居はその一部とはいえ、建物の前で「家はここです」と言われたら、誰もが驚く迫力の外観。正面の玄関ポーチをくぐり、やぐらのように組み上げられた2階への階段を上ると、思いのほか小さな「住まい」への入口がある。

室内は、こぢんまりとしたヒューマンスケールで居心地がいい。窓からは、右に十勝岳連峰のオプタテシケ山、左に大雪山系の旭岳。山々の稜線をダイニングからぼんやりと眺めていると、アルプスの山荘にいるような気分になる。

「住居部分を大きくしようと思えばいくらでもできたけど、ここを買い受けたのは、長年の夢でもあったインドアパークを造りたかったから。パーク優先で考えれば、住居部分は70㎡もあれば十分かなと。そもそも倉庫に住むにあたってのネックは寒さと暗さ。広くすると寒い。あとは明るさを確保するため、どうやって窓を開けるかが一番の課題でした」

〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 ストーブ周り
薪のストックとストーブ周りの道具を集めた一角。熊の親子が森を歩く鉄製のフックは旭川の古着屋で見つけたアメリカの古いもの。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 寝室
キッチン裏手の寝室。松の煤(すす)を混ぜたグレーの漆喰で壁を塗る際、作業途中のラインが利尻岳に見え、あえて半分残したままにした。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 1階インドアパーク
天井高を生かした1階のインドアパーク。スケートボード用のスロープやクライミングウォールがある。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 施工中の階段
階段は施工中。使うには支障ないけど「そろそろ仕上げたい」。手を加えたい場所はまだたくさんある。

レンガの壁は内外で二重になっていて、サッシの大きさに合わせ、ドリルで一つずつレンガを取り除く作業はなかなかの難事。それでも「明るいって大事ですね。開けてよかった」と大谷さん。改装は大工でもある大谷さんが仕事の合間に自ら行っているため、工事開始から3年以上が経つ今も、未完成の部分がたくさんある。

「次に取り掛かりたいのは階段の仕上げ。屋根裏もまだ手つかずで、これもまたけっこうな作業量。もう一頑張りです」

〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 入口
倉庫の中に木造で建てた住まいへの入口。レンガの壁に新たに開けた窓は150㎝角の押し出し窓で、周囲の景色を絵のように切り取る。木製のはしごは天井裏のロフトへと続く。
〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔/北海道 自宅 リビング・ダイニング
倉庫の中に木造で建てた住まいへの入口。レンガの壁に新たに開けた窓は150㎝角の押し出し窓で、周囲の景色を絵のように切り取る。木製のはしごは天井裏のロフトへと続く。

profile

〈Kolonihave〉代表・大谷浩輔の家族

大谷浩輔(〈Kolonihave〉代表)

おおたに・こうすけ/旅行で訪れた大雪山系の美しさに惹かれ2007年に東京から東川へ移住。北の住まい設計社を経て内装施工などを手がける大工に。19年インドアパーク〈コロニヘーヴ〉をスタート。妻の美佐子さんは子供の英語講師。
Instagaram:@kolonihave.8go

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