血管を健やかに保ち、若返らせるためには、血管内皮細胞で作られ、血管を健康に保つことに役立つ一酸化窒素「NO」をたくさん出すことが大切です。そのために今日からできる生活習慣をご紹介します!
血管の健康に冷えは大敵!いまの時季は特に注意を!冷えを改善する習慣
体を外から内から温めるアプローチが有効 体が冷えると、熱を外へ逃さないようにしようと血管が収縮します。それにより血流が滞って血圧も上昇。血圧が上がると血管の壁が傷つきやすくなります。 これを防ぐために大切なのが、体を温めること。血管が拡張して血流が改善し、NO(血管内皮細胞で作られる一酸化窒素で血管力低下を防ぐとされる)の分泌もアップします。体が冷えやすいこの季節、意識して体を内側からも外側からも温めていきましょう!
【冷え改善習慣1】体を温めて末端の血管を開く
身につけるものを工夫して、体を冷やさないようにしましょう。特に温めたいのが、太い動脈が通っている首、手首、足首。マフラーや手袋、レッグウォーマーなどを活用して冷やさないように対策を。また、腹巻きで腹部を温めるのも有効です。血管に負荷がかからないよう、しめつけの強くないものを選ぶようにしましょう。
【冷え改善習慣2】体が温まる食べものをとる
体の内側から温めるには、温め効果のある食材を積極的に取り入れましょう。辛み成分であるカプサイシンを含む唐辛子、ショウガオールやジンゲロールを含むしょうがなどが代表例です。また、お酒も体を温めてくれる効果があり、同時にリラックス効果を得ることもできるので、適量飲むのはOK。ただし飲み過ぎには注意を。
【冷え改善習慣3】血管に負担をかけない入浴法でしっかり温まる
体を温めるためには入浴も効果的。シャワーだけで済まさず、お湯に浸かってしっかり体を温めましょう。それがむずかしいときは、シャワーの前に「ゾンビ体操」を行って体を温めるのがおすすめ。お湯に浸かる場合も、方法によっては血管に負担をかけてしまう可能性があります。特に寒い日は注意が必要なので、4つのポイントをしっかりチェックしておきましょう。
【入浴のポイント1】脱衣所・お風呂場は温めておく
脱衣所やお風呂場の温度が低いと、寒さを感じて血管が収縮し、血圧が上昇。その後、温かいお湯に入ったときに降下します。この急変動が血管に負担をかけるのです。脱衣所に暖房をきかせる、浴室の床にシャワーをかけるなどして温めておきましょう。
【入浴のポイント2】浴槽のお湯は41度までに
体を温めることは大切ですが、お湯を熱くし過ぎるのはNG。温度が高過ぎる場合も血管は収縮し、血圧が上昇してしまいます。湯船の温度は、41度までを目安にしましょう。適温の湯に浸かることで程よく血管が広がり、NOの分泌が促されます。
【入浴のポイント3】お湯に入る時間は10分程度に
お湯に浸かる時間も気をつけましょう。たとえ湯船が適温でも、長時間入るのはよくありません。血管が広がり過ぎたり発汗が多くなったりして脳への血流が減り、意識を失ってしまうこともあります。入浴時間は10〜15分を目安にしてください。
入浴のポイント【4】湯船から出るときはゆっくりした動作で
血管を収縮させないためには、刺激を少なくすることが大切です。湯船から出るときも勢いよく立ち上がったりせず、ゆっくりとした動作を心がけましょう。浴槽のへりに手をついて、「どっこいしょ」と声を出しながら立ち上がるのがおすすめです。
イラスト/モリナオミ 文/平井薫子 ※素敵なあの人2025年3月号「何歳からでも若返る老けない血管の鍛え方」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください
教えてくれたのは 池谷敏郎先生
循環器系の専門家としてメディアに出演多数。著書に『「血管を鍛える」と超健康になる! ―血液の流れがよくなり細胞まで元気』(三笠書房)などがある。
この記事を書いた人 素敵なあの人編集部
「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!