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天寿全うまでヨボヨボから逃げおおせられる人はここが違う…103歳で大往生の女性が毎日欠かさなかった習慣

  • 2025.2.24

どうすれば死ぬまで元気でいられるのか。世界65カ国以上の台所で学んだ料理研究家の荻野恭子さんは「毎日食べる料理を自分でつくることは、脳や体の刺激となり、生涯現役への大きな近道になる」という――。

※本稿は、荻野恭子『生涯現役! 引き算レシピ』(女子栄養大学出版部)の一部を再編集したものです。

「自分のごはんは自分で作る」が生涯現役への近道

「死ぬまで元気でいたい」って誰だって思いますよね。もちろん私もそう。50年以上料理をしていますが、近頃、料理を作るということが生活の張りになっている、と感じるようになりました。

最後まで寝込むこともなく人生を成し遂げた母にも教えられました。母は料理を作り続け、103歳の天寿を全うしたのです。献立を考えて、材料を用意して、段取りして調理する。脳を刺激することばかりだし、手だって動かします。

「自分のごはんは自分で作る」

これこそが生涯現役への近道なんだと思います。それには無理をせず、長く続けることが大事。

だから主材料は3つに絞りました。これならばメモなしでも買い物に行けるし、買い置きしてある材料で作れるかもしれません。

調味料は最小限に。みりんや酒、だしも使いません。

そして作業はたったの3ステップ。これならば続けられそうでしょ!

著者の荻野恭子さん。103歳まで料理をつくっていた母の阿部ハルさんと実践したのが、座って作る「卓上クッキング」スタイル。「体調に合わせて無理なく料理をしてください。しんどいなと思ったら座って作業。思った以上に楽ちんです」。
3つの主材料、3ステップでつくれる料理

主材料を3つに絞る、調味料も最小限にして、さらに3ステップ。もちろん、おいしくなければ意味がない……。自分で自分に課した「レシピのそぎ落とし」でしたが、試作を始めると思っていた以上に苦戦しました。

荻野恭子『生涯現役! 引き算レシピ』(女子栄養大学出版部)

あたりまえのようにいくつも使っていた野菜を1つ2つに絞ると、野菜から出るうま味が減ってしまうのでなかなか味が決まりません。調味料をプラスすることもしたくないし……。

そこで役に立ったのが65カ国以上で訪れた、家庭での料理体験。毎日のおかずに余分な時間や手間をかけられないのはどこも同じ。どの国の家庭料理もとても合理的でした。

学んだ経験と知恵を総動員して、今回ご紹介する引き算レシピに行きつきました。毎日の献立作りにお役に立てると思っています。

何事も一日一日の積み重ね。料理を作り続けて「生涯現役」を実践してください。

定番のおかずがこんなに簡単に

定番のおかずの材料や調味料、そして手間を思いきってそぎ落としました。もう1つ、2つ、材料をプラスしたいメニューもありますが、そこはぐっとがまん。

かわりに、おなじみの味が3ステップで完成です!

たとえば「いり鶏」。鶏肉ににんじん、ごぼう、れんこん、干ししいたけにこんにゃく。食べごたえたっぷりの煮物です。

「炒り鶏」「煎り鶏」と書くように、鶏肉をいりつけてから煮ることが名前の由来。煮汁がほぼなくなるまで煮るのがポイントです。

でも、材料をそろえたり、下準備を考えたりするとちょっと面倒、と思ってしまいがち。そこでレシピを思いきってシェイプアップしました。

・材料を3つに厳選。

にんじん、れんこん、鶏肉

・調味料もミニマルに。

使う調味料はしょうゆ、砂糖、塩

・そして工程は3ステップ!

1 材料を切って

2 炒めて

3 汁けがなくなるまで煮る

もちろん、しっかりおいしい。

こんなふうに、肉じゃがも、麻婆豆腐も、クリームシチューも、食べたいと思ったメニューを迷うことなく、ささっと作ってください。(レシピに続く)

中華のおかずがサッとつくれます

中華おかずはボリュームがあって満足度は抜群。その上、とろみのある料理は喉を通りやすいから高齢者の方にもおすすめです。

特別な調味料やスープの素は使いません。でも、しっかり中華味なんですよ!

麻婆豆腐

材料(2人分)
●もめん豆腐……1丁(350g)
●豚ひき肉……100g
●にら……1/2束(50g)
にんにくのみじん切り……1かけ分
合わせ調味料(混ぜ合わせる)
しょうゆ・みそ……各大さじ1
砂糖・一味とうがらし……各小さじ1/4
かたくり粉……小さじ1
水……3/4カップ
油……少量
ごま油……大さじ1

1
豆腐は一口大に切り、熱湯に入れてあたため、ざるにあげる。にらは細かく切る。

2
油を熱して中火でひき肉をよくいため、パラパラになったらにんにくを加え、合わせ調味料、豆腐を入れる。

3
3分煮て、にら、ごま油を入れて全体を混ぜる。

ステップ1で豆腐を中まであたためておけば、全体を煮る時間を短縮できます。あたためながら豆腐の水きりもできるので一石二鳥です。[出所=『生涯現役! 引き算レシピ』(女子栄養大学出版部)]
食べることは生きること

料理ってすごく脳にいいですよね。メニューを決めて、買い物に行って、段取りをして作るのですから頭を使います。もちろん『おいしい!』は脳を刺激してくれます。

そしてよくかんで食べてくださいね。それも若さを保つ秘訣みたいです。

クリームシチュー

材料(2人分)
●鶏胸肉……1/2枚(140g)
●ブロッコリー……1/2株(120g)
●牛乳……1カップ
下味用の塩・こしょう……各少量
※ブールマニエ(混ぜ合わせる)
小麦粉・バター……各大さじ1
水……1カップ
塩……小さじ3/4
こしょう……少量

※バターと小麦粉を混ぜたものをブールマニエといいます。ホワイトソースよりもダマになりにくいというメリットがあります。

1
鶏肉全体に下味用の塩、こしょうをふり、一口大のそぎ切りにする。
ブロッコリーは小房に分ける。

2
なべに鶏肉と水を入れて弱めの中火で7分煮る。

3
ブロッコリー、牛乳、ブールマニエを加えて中火で5分煮、塩、こしょうで調味する。

鶏肉、ブロッコリー、牛乳のたった3品の材料で、シチューのルゥもスープの素も入れずに、どうしてこの味になるのか、驚きのレシピ。[出所=『生涯現役! 引き算レシピ』(女子栄養大学出版部)]

荻野 恭子(おぎの・きょうこ)
料理研究家、栄養士、サロン・ド・キュイジーヌ主宰
ユーラシアをはじめ、65カ国以上の国を訪れ、家庭や店で土地の料理を学ぶ。日本でつくれるレシピに置き換えて多くの雑誌や本で紹介している。『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)、『ビーツ、私のふだん料理』(株式会社扶桑社刊)、『ポリ袋で簡単!もみもみ発酵レシピ』(株式会社池田書店刊)など、著書も多数。

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