1. トップ
  2. 恋愛
  3. 女性は男性より睡眠が必要? 専門家の見解は

女性は男性より睡眠が必要? 専門家の見解は

  • 2025.2.24

睡眠の男女差

Messy bed. White pillow with blanket on bed unmade. Top view.

睡眠の重要性はあちこちでよく耳にするが、最近話題となっているのは、その男女間での差だ。女性の方がより多くの睡眠を必要としているという声が上がっているが、果たしてそれは本当なのだろうか?

「その必要性が男女で異なるかどうかという点について、現在ある研究結果からでは明確な答えを導き出せません」と話すのは、スイス・バーゼル大学の睡眠科学者であるクリスティン・ブルーメ医学博士。ブルーメ博士によると、ほとんどの研究は人々が「どれくらい眠っているか」に焦点を当てており、「実際にどれくらいの睡眠が必要か」は測定されていないと指摘する。「(ある研究で)男女それぞれに必要な睡眠時間を尋ねたところ、女性の方が平均して約12分多く必要だと答えました。しかし、これは大きな差だとは言えません」。そして興味深いことに、年齢を重ねるにつれて、男性の方が女性より多くの睡眠を必要とすることが多いという。

睡眠と年齢の関係

睡眠時間は、年齢や生活環境に大きく変わってくる。子どもやティーンエイジャーは当然、より多くの睡眠を必要とするが、高齢者の睡眠時間は短いことが多く、日中に昼寝で補うこともある。また、子育てのようなライフイベントによって影響されることも。「幼い子どもを持つ母親は、お世話のために夜中に頻繁に起きたりするため、十分に寝れなくなることもあります」とブルーメ博士。特に母乳育児をしている場合、赤ちゃんの要求によってリズムが左右されるため、さらなる睡眠不足に直面することもあるだろう。

また、女性の多くは月経周期を通じて睡眠の質の変化に気づくはずだ。「卵胞期から排卵期にかけて、特に排卵前後は、より深く安らかな眠りをサポートする傾向があります」とブルーメ博士。「しかし、月経前症候群(PMS)がある場合、黄体期には睡眠が悪化することがあります」

更年期障害も、不眠に関係があると言われる。「更年期に突入すると、ほてりやホルモンの変化が睡眠を妨げたりしますが、更年期の睡眠に関する研究結果はまだ限られています」とブルーメ博士は言う。同時に、歴史的に女性の健康が十分に研究されてこなかったことも指摘する。

本当に必要な睡眠時間数は?

睡眠時間は、短かすぎても長すぎても1日に影響を及ぼす。気分の落ち込みや頭痛、生産性の低下などは、そのほんの一部だ。しかし、長期にわたるトラブルは、はるかに深刻な健康問題につながる可能性がある。質の高い睡眠の重要性は誰もが認めるところだが、最適な睡眠時間については議論が続いている。

一般的には7~9時間の睡眠が推奨されているが、このガイドラインは誰にでも等しく当てはまるのだろうか? ブルーメ博士は、個人によって異なると強調する。「答えはひとつではありません。しかし、寝不足による健康リスクがあるということは明らかです」

睡眠不足が及ぼす影響

Sleepless Woman Lying In Bed Hiding Under Duvet.

睡眠不足は健康に深刻なダメージを与えかねない。「十分に寝ていないと免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります」とブルーメ博士。慢性的な睡眠不足は、肥満や2型糖尿病、高血圧などのリスクを高めてしまうそうだ。

また、精神面にも影響を及ぼすことがある。「気分が落ち込み、やがてうつ病のような症状を引き起こすこともあります」。統計的にうつ病になりやすい女性は、睡眠障害を経験することが多く、悪循環となっているのだという。

性別にかかわらず、十分な睡眠を確保することは心身の健康と幸福を維持するために極めて重要だ。正確な時間数は個人によって異なるかもしれないが、質の高い睡眠を優先することにメリットがあることは変わらない。

Text: Desireé Oostland Adaptation: Motoko Fujita

From VOGUE.DE

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる