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『エミリー、パリへ行く』のカミーユ・ラザ、新作映画とこれまでの道のり、日本への愛を語る

  • 2025.2.24

新作映画では天才ピアニスト役に挑戦

――実在する双子の天才ピアニスト、プレネ姉妹の情熱的な人生を描く『デュオ 1/2のピアニスト』。この作品に出演したいと思った理由は?

まず脚本が素晴らしかったし、女性が演じる役でこれほど多面的で複雑な役に出会ったことがなくて。でもピアノは初めてだったので、役作りのための練習は本当に大変でした。双子役を演じるメラニー、撮影のためのコーチと一緒に、約8カ月間のトレーニングを重ねたんです。プレネ姉妹のように弾くのは肉体的にも精神的にもハードルが高かったけれど、可能な限り本物に近づけようと努力しました。

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――双子姉妹のうちあなたは勝気なクレール役、内気なジャンヌをメラニー・ロベールが演じています。役作りは大変でしたか?

私とメラニーは学生時代からずっと親友なんです。なので事前にお互いの仕草や態度は研究していたので、撮影では自然に似ている動きができました。苦労したのはメイクやウィッグではなく、髪の色をまったく同じにすることでした。私の髪にはかなり負担をかけたけど二人とも同じ髪型と色にしたことで、視覚的なつながりができたと思っています。

――ソリストとしての成功を前に、姉妹は突然、難病でピアニストとしての将来を奪われます。最悪の事態に陥っても、音楽への情熱を貫こうとする姉妹の生き方をどう思いますか?

まず、ふたりが自分の限界を超えるくらいピアノが好きだということに感銘を受けました。私も演じることが好きだからその気持ちに共鳴できたし、姉妹が「好きなこと」を貫こうとする姿にパワーをもらいました。「あきらめずに自分を信じて進めばこんな奇跡が起こるんだ!」って、この作品を通して感じています。

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内気な自分を解放できる今の仕事に夢中

―――スーパーモデルだったあなたが俳優に転身した理由は?

私は南仏で育ち、モデルの仕事で18歳でパリに行ったんです。最初は役者になるつもりはまったくなくて、ジャーナリストか報道写真家になるつもりで大学に通っていました。ある日、人前で話す訓練をしたくて演劇の学校に行ったら、そこで演技の魅力にハマってしまったんです。

―――現在は、Netflixドラマ『エミリー、パリへ行く』で世界的な知名度を獲得。この映画の姉妹のように、あなたも挫折経験はありますか?

姉妹ほどではないけれど、挫折や失敗はいっぱいしました。ただ私は成功よりも、失敗から学ぶことの方が多いと思うんです。たくさん失敗したからこそ、今はオーディションに落ちても役が自分に合わなかっただけだと思えるし、ここ数年は俳優としていい作品を選べるようになっています。今の私にとって失敗は、自分の演技が監督に満足してもらえないことだけですね。

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―――俳優という仕事の一番の魅力は?

私はもともと内向的な性格なのですが、俳優として自分と違う人物を演じると、普段は抑えている感情をいっきに解放できるんです。それがこの仕事の魅力かな。あと映画の場合、作品ごとに新しいスタッフと出会い、チームを組んで仕事をするでしょ? その過程で人に対する理解がどんどん深まっていくのも楽しいです。

日本でのバカンスは感動の連続!

――映画では家族の絆も感動的に描かれますが、あなたにとって家族はどんな存在?

南仏のランスに住んでいる両親とは離れて暮らしているんですけど、家族とは強い絆を感じています。私の父はこの映画でフランク・デュヴォスクが演じる姉妹の父親にすごく似てます。昔は競技大会にでるようなスポーツ選手で、子供の頃は「アスリートになれ」とか、「大会では絶対に勝て」とか言われて、内心嫌だなと思っていました(笑)。母は明るくて家庭的で、仕事はせずに子供たちを支えてくれました。

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――日本の大ファンだとか。どんなところがお好きですか?

7年前に初めて訪れたときから、日本のカルチャーの虜です。宮崎駿の世界を愛しているし、伝統とモダンが見事に共存しているところや美味しい料理、街が安全なところも好きですね。去年の12月に2週間、バカンスで日本の旅を満喫しました!憧れていた松本の旅館では囲炉裏端やこたつを体験したり、雪の中で温泉に入ったり。東京では日本のゲームにチャレンジして、京都では山の中を4時間ぐらいハイキングしました。すべてが最高の体験だったので、日本にはまた行きたいです。

――最後に、これから『デュオ 1/2のピアニスト』を見る読者にメッセージをお願いします。

何かに情熱をもって生きること、忍耐強く、懸命に頑張ること……。この映画はさまざまなメッセージが詰まった作品です。姉妹は信じられないほどパワフルで他人の意見はあまり気にせず、自分たちがやるべきことをやる。そんな姉妹の生き方はどんな仕事をしている人にも、大切なメッセージをくれると思っています。

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『デュオ 1/2 のピアニスト』アカデミー賞作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』のプロデューサーが手がける感動のヒューマンドラマ。幼い頃からともにピアノに情熱を注いできた双子の姉妹のクレール(カミーユ・ラザ)とジャンヌ(メラニー・ロベール)は、父親からアスリートのような指導を受け、名門音楽院に入学する。ソリストを目指し奮闘する中、ある日ふたりは、自分たちの両手が徐々に不自由になっていく難病にかかっていることを知る。最悪の事態に直面しながらも、夢を2人でつかみとるため、家族に支えられながら自らの運命を変えていく。■2025年2月28日、新宿ピカデリーほかで公開■監督:フレデリック・ポティエ & ヴァランタン・ポティエ■出演:カミーユ・ラザ、メラニー・ロベール、フランク・デュボスク、イザベル・カレほか

カミーユ・ラザ/1994年3月1日生まれ。16歳からモデルをしており名だたるブランドの広告塔をつとめていた。近年では、Netflixシリーズ『エミリー、パリへ行く』で、日本でも大人気のキャラクターである主人公の親友・カミーユ役を演じている。

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