呼び名もさまざま、地域色豊かなすいとん
体の芯から温まって食べ応えも抜群なすいとんの歴史は長く、室町時代の書物には「水団(すいとん)」という字が記されていて、その頃から庶民の味として各地に広まり、現在は地域によって呼び名も料理法も異なる郷土色豊かな料理として多くの人に親しまれています。
すいとん入り豚汁
冷蔵庫の中の野菜と肉で作った豚汁に、すいとんを加えてコトコトと。
たっぷりの具材と出汁の旨味を吸ったすいとんが何ともおいしい、寒い日に食べたくなる一杯です。
ひっつみ
小麦粉に水を加えて捏ねた生地を手でちぎり、季節の野菜などと一緒に煮込んだひっつみは青森県南部から岩手県中部にかけて伝わる郷土料理で、「手でちぎる」の方言「ひっつまむ」に由来すると言われています。
行列してた「噂のひっつみ」というお店に寄りました
やさしいけどめちゃウマな出汁
うどんのモチ感とワンタンのツル感のいいとこどりのようなひっつみ
500円で朝から最高にウマイ一杯をいただけましたInstagram(@yocikiyo)
つるっとなめらかでもちもちとした食感のひっつみは、年間300日以上営業している岩手県盛岡市の神子田朝市でも大人気。できたてあつあつを本場で味わってみたいな。
だご汁
小麦粉と水を練ってのばした団子(だご:熊本や鹿児島の方言で団子のこと)をたっぷりの野菜とともに煮込んで作るだご汁は、長崎出身の私も子供の頃からよく食べていた九州地方(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)の郷土料理。
だごの形状は手でちぎって丸めたり、平らに伸ばしたり地域や家庭によってさまざまで、私の母はスプーンですくっていました。
今回ご紹介しているだご汁は、江戸時代から270年以上に渡って味噌や醤油を作られている、熊本県「やまうち本店」さんによるもの。もちもちのだごとごろごろの地元野菜、やさしい甘さの味噌がおいしいハーモニーを奏でる、食べ応え満点の一品です。
だんご汁
小麦粉で作った平たい麺(だんご)をごぼうや人参、きのこ類などとともに煮込んだ大分県の郷土料理、だんご汁。
私が湯布院を旅している時に訪れた「陽だまり食堂」さんでは、化学調味料を一切使用せずに地元の素材をふんだんに使った、地元のお母さんたち手作りのだんご汁を味わうことができます。
弾力のあるもちもちとした食感のだんごと新鮮な野菜の旨味たっぷりのスープ、大分へ行かれた際にはぜひ!
スジェビ
スジェビ(수제비:韓国語で「すいとん」)は、小麦粉を水で練った生地を食べやすい大きさにちぎり、じゃがいもやズッキーニなどの野菜とともに煮干しや牛肉などでとったスープで煮込んだ、韓国の家庭ではよく食べられている料理のひとつ。
韓国のすいとんは煮干しと昆布で出汁をとります
野菜はじゃがいも・ズッキーニ・玉ねぎ・大根・人参など家にあるもので
小麦粉に水とほんの少し片栗粉を入れて捏ねて冷蔵庫で30分寝かします
出汁に野菜を入れて寝かした小麦粉を薄く伸ばしてちぎって入れて、最後は塩少し薄口醤油で味を調えますInstagram(@sachi___0728)
@sachi___0728さんのおうちでは、手作りのスジェビで朝ごはん。
煮干しと昆布の風味豊かな出汁、もっちりとした食感でつるっとのど越しのいいスジェビ。おいしくて、体にやさしくて、朝から幸せな気持ちに。
あったかぽかぽか
郷土色豊かな料理として親しまれているすいとんは、一口ごとにぽかぽかになれて、数種類の野菜など具材と一緒に煮込むことで栄養がしっかり摂れるのも魅力。
滋味あふれる一杯で、寒い季節を元気に乗り切りましょう!